中国無人棚(シェルフ)競争の結末? 6/11アントフィナンシャルが勝ち組候補の猩便利(シンヴェンリー)へ投資

2017年6月ごろから中国で、無人コンビニと同様に注目を集めた無人ビジネス類型が無人棚(シェルフ)である。6/11日アントフィナンシャルは無人棚(シェルフ)業界大手である猩便利(シンヴェンリー)に3億8000万元を投資。無人棚業界の競争もひと段落しそうな気配。

 

猩便利(シンヴェンリー)は、2017年6月に設立された無人棚運営企業大手

2017年6月ごろ、中国において無人コンビニが突如として登場し、QRコードによるキャッシュレス決済の珍しさもあって日本のメディアでも数多く取り上げられ話題となった。無人コンビニとほぼ同時期に中国で爆発的に普及したのが、簡易型無人コンビニとも言える無人棚(シェルフ)の分野である。  

オフィス内のスペースにドリンクやお菓子が入った小さい棚を提供し、ユーザーはQRコードをスキャンすることで自由にドリンクやお菓子を購入できる仕組みを提供している。

当サイトでも、2017年9月当時に最も勢いがあった “小e微店”や”CITYBOX”などをご紹介する記事をお届けしている。

参考記事:中国版オフィス置き菓子「小e微店」、この分野にもキャシュレス決済とビックデータの活用が及ぶ|小e微店

 

無人棚業界の勝ち馬は猩便利(シンヴェンリー)か?アリババグループが投資!

昨年夏から激しい競争が繰り広げられていた無人棚業界も、ここにきて勝負の明暗が明らかとなりつつある。6/11、無人棚分野で大手である猩便利(シンヴェンリー)に対して、アリババグループのアントフィナンシャルが3億8000万元(66億円程度)の投資を決定した。今後アリババグループの後押しを受けてさらなる発展をする可能性が高い。

猩便利(シンヴェンリー)は、無人化ブームに乗って2017年6月に設立されたばかりの若いスタートアップ企業である。上海では10店舗ほどの無人コンビニを運営しているので、無人コンビニ企業と認識している人も多いが、実は彼らのメインビジネスは無人棚(シェルフ)の領域なのである。既に中国の一級都市を中心に1万を超える無人棚を配置しており、無人棚業界では現在勝ち馬の最有力と目されている注目企業なのである。

 

業界内での激戦を見守り、勝負の決着がつきそうな頃にIT大手が投資、買収!

現在、中国国内ではどの業界もスタートアップ企業による激しい競争が繰り広げられているが、アリババやテンセントといったIT巨人は、当初からスタートアップ企業に投資することはレアケースであり競争が激しい段階ではどの企業が勝ち抜けてくるのかとじっと静観しているケースが多い。

そして業界内での勝負が決しかけると、勝ち馬に対して投資あるいは買収提案を行ってくるというのがアリババやテンセントの投資スタイルなのである。そうした意味では、アントフィナンシャルが、猩便利(シンヴェンリー)へ投資を行ったということは、無人棚業界も最も激しい競争の段階が終わったことを意味しているのである。

 

アントフィナンシャルが、無人棚に投資をする理由!

無人棚は2017年6月以来爆発的に発展したビジネス類型であるが最近では、QRコードを活用して棚のドアをあけ、取り出した商品を人工知能によるイメージ認証して、扉を閉めるだけで紐づけられた決済アカウントから決済できるというタッチアンドゴー形式の無人棚が主流となりつつある。

アリババグループとしては、単にオフィスに配置された無人棚からの利益だけでは魅力的なものとは言えず、もう一歩先を考えての投資だと思われる。アリババが先に買収した饿了么(ウアラマ)は、独自に無人棚ビジネスである饿了么nowを展開している。またアントフィナンシャルも独自に、阿里智选无人货架(アリジーシェン)。美的小卖柜(メイディーシャオマイグイ)などの無人棚ビジネスを展開している。

こうしたアリババ関連の無人棚ビジネスから得られるドリンクやお菓子に関するビッグデータと、アリババが保有するビッグデータ、芝麻信用スコアなどの仕組みと融合させることでさらなる面白いビジネスモデルへと発展させていくことが想像されるが、果たしてどんな新しいビジネスモデルが誕生するのであろうか。

QRコード決済を中心とするキャッシュレス社会が、人々の生活の身近なところまで深く浸透し、キャッシュレス決済が習慣となった中国では、そこに蓄積されたデータがまた新しい効率的なビジネスを生み出すと言う好循環が広がっている。まさにデータドリブン社会が実現されており、次々と生み出される革新的なサービスは、見ていて非常に面白い。今回のアントフィナンシャルによる無人棚企業への巨額投資も、たかが無人棚ビジネスなどと甘く見てはいけないのである。

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