7/18米半導体企業ザイリンクスが中国ユニコーンAIチップ企業の「DEEPHi Tech」を買収!

7/18、米サンノゼを拠点とするザイリンクス(Xilinx )が中国三大AIチップ(半導体)ユニコーンの一つであるDEEPHi Tech(深鉴科技)の買収を発表。米中貿易戦争の影響なのか、買収劇を巡り様々な憶測が飛び交っている。米中間でAIチップ業界の動向が騒がしくなってきた。

 

ザイリンクス(Xilinx )は、サンノゼを拠点とするファブレス半導体製造企業

ザイリンクスは、現在従業員3000人を要するファルブレス半導体製造企業であり、集中データアクセスに強いFPGA(Field Programmable Gate Arrays )の開発で高度な技術力を有する企業である。FPGAは、人工知能分野やクラウドコンピューティング分野に適しており、マイクロソフトのクラウド事業であるAzureにも導入されていることで知られている。

写真:DEEPHi Tech 公式サイトより

 

DEEPHi Tech(深鉴科技)は、中国の人工知能関連の3大ユニコーンの一角!

さて、ザイリンクスが買収することを決定したDEEPHi Tech(深鉴科技)は、Cambricon Technologies (寒武纪科技)とHorizo​​n Robotics(地平線機器人)と並んで中国の人工知能関連の3大ユニコーンとされる超注目企業である。米中貿易戦争において、半導体分野で苦戦を強いられている中国が、野望としている自国で半導体製造を実現するための鍵を握るに企業として、その動向に注目が集まっていた。その矢先の買収劇であるために、今回のアメリカ半導体企業であるザイリンクスによる買収劇は中国国内で衝撃を持って報道されているのである。買収額は明らかにされていないが、業界では買収金額は3億ドル(330億円強)程度ではないかと予想されている。

なにはともあれ、DEEPHi Techの創業者兼CEOである姚颂(ヤオソン)は、今回の買収に対して「ザイリンクスとの強力なパートナーシップ関係を強調し、中国および世界各地の顧客に先進的な機械学習ソリューションを提供するためにさらに緊密に協力する。」とのコメントを発表している。DEEPHi Techで働く約200人の従業員も、そのままザイリンクスに引き継がれるのだという。

写真:共同創業者DEEPHi Tech 公式サイトより

 

DEEPHi Tech(深鉴科技)は2016年創業、人工知能ブームの先駆け!

DEEPHi Techは、2016年に設立され人工知能を活用したディープライニング学習のリーディングカンパニーとして注目を集めていた。創業者の姚颂(ヤオソン)をはじめ、大半の研究者は清華大学組が多く、聡明な頭脳集団として創業時から特別な扱いを受け注目を集めた。資金調達も、極めて順調でGSRベンチャーズキャピタル、サムスンベンチャーキャピタル、ザイリンクス(今回の買収先)、アントフィナンシャルなどを含む著名投資家から資金的な支援を受けていた。事業としても、防衛関連、金融、携帯電話事業などで順調に売上を伸ばし、今後はさらに自動車の自動運転や補助運転分野での人工知能チップの製造を強化していくタイミングであった。

 

3大ユニコーンの一角が崩れた理由!中国AI産業は過剰評価ではないか?

これほど、順調だと思われた中国の人工知能関連の3大ユニコーンの一角が、突如アメリカ企業に飲み込まれてしまった。ひょっとすると、この買収が今後の中国のAI産業動向を予期する上で重要な示唆をほのめかしているのかも知れない。

ご存知の通り、2015年、2016年は人工知能関連のスタートアップの創業がブームを迎え、有名大学や有名研究所から排出されて、創業者が人工知能関連スタートアップを数多く企業し多くの投資マネーが、人工知能関連のスタートアップ企業に流入した。2016年に創業されたDEEPHi Techは、いわばその象徴的な企業である。

だが、ブームから3年の時が経過し人工知能関連の投資ブームも一息つき、そろそろ人工知能が産業界との連携を深め収益性を見極められるタイミングに突入しつつある。数年前は、強烈な個性を有するスタートアップ経営者が、人工知能を活用した先鋭的なテクノロジーやアルゴリズムを発表するだけで注目を集めたが、昨今はアリババや華為(ファウェイ)などの大企業も人工知能分野に参入し、巨額の資金を背景し研究開発を進めている。人工知能関連チップの分野にも、アリババ(Ali-NPU)や華為技研(Da vinci計画)が参入している点も競争激化を予感させる。

上記の点を鑑みるに、ひょっとするとDEEPHi  Tech(深鉴科技)が自らの企業の売り時を見極めた上でのザイリンクスへの買収合意なのかもしれない。今回の買収は7/18日に発表されたばかりでまだ詳細は見えていない。今後の続報を待ちたい。今後の人工知能業界のトレンド変化となる注目ニュースになるかもしれない。

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