1/31、権威ある国連機関関連組織である世界知的所有権機関(WIPO)から、人工知能分野に関連する特許出願状況に関する総合レポート「AIテクノロジートレンド2019」が発表された。人工知能分野で米中が存在感を示す中で、日本企業も特許出願数でトップ10のうち6つを占拠する健闘を示し注目を集めている。
世界知的所有権機関(WIPO)が、153Pに及ぶ人工知能関連特許の総合レポートを発表!
1/31、世界知的所有権機関(WIPO)が特許出願状況と学術論文数などを国や出願者毎に統計的にまとめたレポートを公表した。世界知的所有権機関(WIPO)とは、世界的な知的財産権の保護を促進することを目的として1970年にスイスのジュネーヴに設立された国連の専門機関である。
WIPOが人工知能のテクノロジー動向や人工知能関連企業に関連した企業買収動向などに関して詳細なレポートを公表するのは最初の試みとなる。153ページにかなり内容の濃いレポートとなっているので、関心のある方はオリジナルレポートをご確認いただきたい。
参考リンク:世界知的所有権機関(WIPO)「AIテクノロジートレンド2019」レポート(無料)
国別の特許出願状況ではアメリカと中国が突出し、日本は3位で続く!
1/31に、WIPOが開催した会見では事務局長Francis Gurry氏は「AI分野の競争では、米国と中国が特許出願と学術的な出版物の数で、他の国をはるかに上回っている。」と述べている。 確かに、公表された特許庁による特許出願総数をみると、アメリカと中国での出願数が圧倒的に多いことが読み取れるが、日本もアメリカと中国に続き第3位で続き奮闘している。
参考:国別の出願数(世界知的所有権機関(WIPO)「AIテクノロジートレンド2019」レポートより
出願者別特許出願数ランキングでは、トップ10に日本勢が6社もランクイン!
「AIテクノロジートレンド2019」レポートにおいて注目すべきは特許出願数における個別の日本企業の奮闘かもしれない。レポートでは、出願者毎の特許申請数ランキングも公表されているが、上位10位の出願者を見ると1位のIBM、2位のマイクロソフトといったアメリカ勢に続いて3位に東芝が入っている。しかも5位にNEC、6位に富士通、7位に日立、8位にパナソニック、9位にCanonとトップ10社の中で6位も日本企業が奮闘しており世界的に活躍していることを印象付けた格好である。
トップ30出願者にまで拡大してみると、ソニー、トヨタ、NTT、三菱電気、リコー、シャーブなどがランクインしており一大勢力を構成している。
参考:企業別の特許申請数上位30出願者(世界知的所有権機関(WIPO)「AIテクノロジートレンド2019」レポートより
学術的な分野では中国の研究機関や大学の存在感が目立つ!シンガポールも飛躍!
今回のレポートによれば、2016年末時点で人工知能関連の特許出願は34万件にのぼり、そのうちの半数が2013年以降の直近機関に出願されていることがわかる。出願された特許分野のうちで、機械学習(ディープラーニング)分野のものが約3分の1を占めているのも大きな特徴と言えるだろう。
論文や出版物といった学術的分野で、人工知能分野に貢献するトップ20位の大学および公的研究機関のランキングも合わせて公表されている。トップ20位にランクされる機関のうち10機関が中国を拠点としており、6機関がアメリカ、2機関がシンガポールとなっていることも、この分野における米中の強さを際立たせる数字となっている。上位20位の機関のうち、日本から選出されたのは東京大学だけとなっている。
トップには、当サイト(GloTechTrends)でも頻繁に登場する中国の中国科学院(Chinese Academy of Sciences)がランキングされている。中国国務院直属でハイテク研修を推進する中国科学院(Chinese Academy of Sciences)がトップに選出されることは、中国が国をあげて人工知能の発展に取り組んでいる姿が浮かぶ。その他の中国勢には、清華大学(Tsinghua University) 、北京大学、上海交通大学、浙江大学などといった人工知能関係の名門校が並んでおり納得感のある選出である。
アジア勢で目を引くのは、何と言ってもシンガポールの躍進である。シンガポールは、優秀な人材を世界各地から招聘し研究分野にリソースを投入している。米中などを中心に共同研究を進めていたが、それが実った形である。アジアNo1大学としてたびたび大学ランキングに登場するシンガポール国立大学(National University of Singapore)やシンガポールNo1の理科系大学である南洋工科大学(Nangyang Technoligy University)が、上位20ランキングに入り、名実ともに世界に冠たる研究機関を抱える国家となった。
学術的な分野で貢献するトップ20の大学および公的研究機関(世界知的所有権機関(WIPO)「AIテクノロジートレンド2019」レポートより
レポート内ではその他にも人工知能分野に関する興味深い統計が多









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