北朝鮮と中国の国境「丹東」の不動産が急騰!その背後には「温州商人」の影!

北朝鮮とアメリカとの和平会話の動向が注目される中、温州(ウェンジョウ)商人たちが北朝鮮国境に集結している。舞台は国境の街、丹東!「温州炒房団」と呼ばれ温州商人たちが不動産を買い占めている。中国の元祖スタートアップ起業家集団とも言える温州商人とは?

 

北朝鮮の核実験場の廃棄宣言で、国境に温州商人が殺到!不動産価格は一夜で57%上昇!?

今日、ご報告したいのは中国の元祖スタートアップ企業集団とも言える温州商人たちの行動についてである。中国デジタル分野のスタートアップ起業家たちのスピード感には驚嘆させられるが、元祖中国スタートアップ起業家集団とも言える温州商人たちのスピード感も衝撃的である。 

北朝鮮と中国との国境付近「丹東」

4月20日北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が核実験と核実験場の廃棄を宣言した。和平の行方は今後の動向を見守りたいところである。さて、このニュースを聞いてビジネスチャンスだと捉え、国境の街「丹東」にあっという間に殺到し不動産を買い集めているのが温州商人たちである。

温州の位置(GoogleMapより)

 

「温州炒房団」と呼ばれる温州人による不動産投資

中国では、温州人による不動産投資グループの別名を「温州炒房団(ウェンジョウチャオファンドァン)と呼び中国に数多く存在する不動産投資グループの中でも、格別扱いされている。中国語では不動産を房地産というのであるが、温州商人の手にかかれば不動産でさえも、炒められ見事に料理されてしまうという意味合いである。

ちなみに、仮想通貨を頻繁に売買し価格を釣り上げていく集団を炒币(チャオビー)と呼び、同様に仮想通貨を炒め揚げる料理人(投機人)のような意味合いで用いられる。

 

温州商人と中国不動産価格上昇の歴史

実は「温州炒房団」と呼ばれる温州商人たちは中国の不動産市場において過去20年ほど中心的な役割を演じ、彼らが行う投資行動には注目が集まっている。

温州商人は、中国国内でも商才に長けた集団とみなされており、別名をアジアのユダヤ人とも呼ばれている。海外に移住した同胞の温州商人たちと連携し華僑ネットワークを構築しグローバルに活躍する中国人集団でもある。最もビジネスセンスを持ち合わせた中国人グループと言われ、不動産、アパレル、金属加工、機械工業、繊維、衣類などあらゆる産業に強い影響力を有している。

温州商人たちのビジネススタイルの特徴は、同胞たちによる独自の民間金融システムを構築している点である。同胞内で資金を管理するため多くのキャッシュを保有し資金融通し助けあい、時には大掛かりな投資を共同で行なっていくのである。

不動産投資においても、同胞同士の資金融通が力を発揮し、1998年ごろから温州市の不動産を買い占めわずか3年間で3.5倍の価格へと上昇させてしまった。2001年ごろからは、上海に狙いを定めたくさんの上海不動産を買い占め数年で3倍程度の価格上昇を演出した。2005年ごろには、他の大都市と比べ不動産価格が抑えられていた北京に狙いを定め、またもや大規模投資を行い、数年で莫大な利益を手にしたのである。「温州炒房団」の投資行動と中国の都市部の不動産価格の上昇は、切っても切り離せない関係になっているのである。

さて、彼らが次に狙う北朝鮮と中国との国境の街「丹東」果たしてどのような結果となるのだろうか、今後の不動産動向の行方を注目しておきたい。

まだ正式に米朝協議が行われるとも決定しておらず、トランプの決断によって温州商人の投資の成功が左右されるのであろうかか、それとも温州商人たちは何か確たる情報を保有しているのだろうか。

 

「温州炒房団」がどうやって不動産を釣り上げていくのか?

面白いことに「温州炒房団」の中心的なメンバーは女性たちのようである。温州商人の男手たちはそれぞれ独自にビジネスを保有しているので、不動産投資の主役たちはその奥さんに委ねられているようだ。通称を温州太太団(太太=タイタイ=奥さんの意味)と呼ばれ、大規模な投資グループを組織し、時にはデベロッパーと直接交渉し有利な購入条件を引き出すようである。グループで購入した不動産に関しては、各メンバーに厳格な売却条件が定められており、マーケットを崩落させるような価格での売却は許されておらず、一度でもそのルールを破ると仲間から排斥される仕組みとなっているという。聞けば聞くほど圧倒される内容であり、なかなか部外者が入れる世界でもなさそうである。

さて、今回の記事はテクノロジーのテーマを取り扱うGloTechTrendsのテイストとは異なるものとなった。しかし、元祖中国のスタートアップ起業家とも言える温州商人たちのスピード感は参考になるのではないかと思い執筆した次第である。現在の中国起業家たちが併せ持つスピード感も、こうした中国の歴史観を共有すると理解できる部分もあるのではないだろうか。

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