「VVShare」ブロックチェーンをタクシー業界に導入! 2018年秋にも実用実験開始!

6/28-30、浙江省の街「烏鎮(ウーヂェン)」で世界ブロックチェーン大会が開催された。ブロックチェーンの実用化を目指す多くのユニークなアイデアが発表された。今回はブロックチェーンをタクシー業界に導入するユニークな試み「VVShare」を紹介する。

 

「VVShare」プロジェクト ブロックチェーンをタクシー業界に導入

烏鎮世界ブロックチェーン大会で、ブロックチェーンをタクシー業界に導入し、非中央集権的なビジネスモデルを実現する「VVShare」プロジェクトが発表された。このプロジェクトを中心人物として実行する陳偉星(チェンウェイシン)の経歴は極めてユニークである。中国のライドシェアは、現在、滴滴出行(ディディチューシン)がほぼ独占している状態であるが、滴滴出行(ディディチューシン)は、2015年9月にテンセント系の「嘀嘀打車(ディディダーチャー)」とアリババ系の「快的打車(クワイディダーチャー)」が合併してできた企業である。その後Uberの中国事業を買収し、滴滴出行(ディディチューシン)の現在の独走体制は完成された。

陳偉星(チェンウェイシン)は、滴滴出行(ディディチューシン)の母体となるアリババ陣営ライドシェア「快的打車」の元創業者なのである。タクシー業界を知り尽くした人物だと言える。しかも、陳偉星(チェンウェイシン)は快的打車を売却した後ブロックチェーン業界に強い関心を示し、量子鎖、火币(仮想通貨プラットフォーム)、波場など中国の有名ブロックチェーン関連企業への投資を実行し大成功を収めている。

つまり、タクシー業界とブロックチェーン業界の双方で十分な知識と経験を兼ね備えた人物であり、若干まだ35歳(1983年生まれ)というバリバリの現役起業家なのである。さらに「VVShare」は、近日中に香港へ株式上場が予定される巨大ユニコーン企業「美団(meituan)」の創業メンバー楊俊(ヤンジュン)を共同創業者としている迎え注目度を高めている。単なる絵空事のプロジェクトには聞こえないのである。

 

ライドシェア業界の問題点

現在、中国のライドシェア業界は、北京に本社を構える滴滴出行が圧倒的なシェアで独占している。伝統的なタクシー業界からライドシェアにマーケット移行が進んだステージでは、ライドシェアは伝統的なタクシーよりも快適で廉価であるともてはやされた。だが、滴滴出行がシェアを独占する現在ではまた別の問題が生じている。現在、滴滴出行のドライバーが運営会社に支払うコミッションは3割程度にのぼり、結局のところ収益ビジネスモデルとしては、伝統的なタクシー業界時代とそれほど代わり映えせず、ドライバーや乗客の中に不満を持つものも少なくはない。

こうした状況の中で、陳偉星(チェンウェイシン)が烏鎮世界ブロックチェーン大会において「VVShare」を発表し、タクシー業界にブロックチェーンを導入し非中央集権的なタクシー事業をスタートするというのだから、滴滴出行などの運営会社が強烈なコンペティターが誕生するのではと俄かに騒めき立っているのである。

 

「VVShare」のVは、ドライバーと乗客の2つの勝利(Victory)

「VVShare」のVは、VictoryのVの略でありドライバーのVとユーザーのVという2つのV(Victory)を重ね合わせているようだ。ブロックチェーンを活用することで、運営企業という中央団体を排除し、非中央集権的なタクシー運営モデルを構築し、搾取されずに残った余剰利益をドライバーと乗客でシェアしようというネーミングなのである。早ければ「VVShare」の実用化実験は今年の秋からスタートされるという。発想自体は、タクシー業界に限らず、中古車取引プラットホーム、OEMメーカー、金融プラットフォーム、民泊プラットフォームなど、様々な分野に応用できる可能性を秘めており、将来のビジネスモデルに大きな示唆を与えてくれるものかもしれない。非常に楽しみである。

 

ブロックチェーンを活用した「VVShare」のモデルとは?

具体的な「VVShare」のモデルは、実用化実験が始まってから明らかとなるが、おぼろげながらビジネスモデルが見えてきている。

最初に、VVSという専門コミュニティ内だけでトレード可能なトークンが発行され、ドライバーも乗客もVVSのトークンコミュニティに参加する形となる。VVSの発行総数は、最初に決定されており、追加で発行される場合はコミュニティでの承認が必要となる。その後、ドライバーや、乗客、マイナーなどは一定のアルゴリズムに従ってトークンを受け取ることになる。乗車運賃はトークンで支払われ法定通貨との両替も自由になされる仕組みのようだ。

まだ不明な部分が多いが、基本的な考え方としては、従来のタクシー業界では運営母体がドライバーの労働報酬の30%程度を受け取るようなビジネススキームが通常であった。しかし、ブロックチェーンを活用することで、非中央集権化によるタクシー運営を実現し、30%に当たる上納金を1-5%程度に削減し、差額から生まれる余剰利益をドライバー、乗客、あるいはマイナーたちで分配しようとする試みである。詳細なビジネスモデルは、今後発表される続報でお届けしたい。

4月からシンガポールにおいて、シェア自転車のOfoがユーザーの利用状況に応じて仮想通貨を交付したり、6/27には杭州のブロックチェーン産業パークでブロックチェーンを活用したカーシェアリングプロジェクトも発表されている。交通の分野でブロックチェーンを応用する動きが加速しつつあるようだ。

参考記事:シェア自転車大手「Ofo」日本でシェア自転車の利用に応じてGSE(仮想通貨)を交付?

杭州がブロックチェーン分野で中国No1都市を目指す!「ブロックチェーン産業パーク」も開設。

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