【無人化の衝撃】明らかになってきたドローン無人化配達計画、中国だけで200万人の仕事が喪失

京東CEOの劉強東氏は、7月20日レノボ2017 TechWorldの場で、ドローンを活用した無人化配達システム構築を発表した。あわせて、配達業界最大手順豊(Shunfeng)も、ドローンを活用し、将来は人間の配達員をゼロにするという。ドローンによる無人化デリバリー、このグローバルトレンドは、もう誰にも止めることが出来ない。

 

  • 京東(Jing Dong) は、285に及ぶドローン専用のドローン空港拠点を設立し、中国全土の配達を24時間以内に終わらせる計画を発表

中国国内のネット通販最大手の一角、京東商城(本社北京、ジンドン、NSADAQ上場)のCEO劉強東氏は、2017年7月20日に、レノボ2017 TechWorldの会見の中で、将来の無人化配達戦略として、ドローンを活用した無人化配達システムの構築について発表した。それは、四川省と陝西省で、合計285拠点にも及ぶドローンデリバリー専用のセンターを建設し、24時間以内に中国のどの都市にも配達を可能とするシステムを構築する大型計画であった。

jingdong drone centreJingDong ドローンセンター

この計画を実現するために、現在中国の宇宙開発事業団と共同でドローン配達の拠点となるべくセンター基地をすでに建設し実験を繰り返しているという。

劉強東氏は、ドローンを活用した無人化配達を構築するための資金として今後205億元(日本円で3360億円)を投資すると発表し、実用化に向けた具体的なスケジューリングを進めているという。205億元は、京東の過去最高投資額にであることからも、劉強東の強い決意が伺える。

さらに、会議の中で、劉強東氏は、人工知能が第4次小売革命を引き起こすことはもはや決定的であるとし、京東は、2029年までの今後12年間で、売上を現在の10倍の売上を達成する計画だという。

ドローンによる無人化配達の仕組みが構築されれば、配達員を含め従業員を8万人規模で安定させることが出来るという。現在の京東の従業員は12万人からすると、4万人が仕事を失うことになる。仕事を失うことになる人は、主には配達員だと言う。

 

  • 順豊(Shunfeng)エクスプレスは、ドローンを活用した無人化配達により配達員ゼロの世界へ!

shunfeng drone delivery

日本にも進出している順豊エクスプレス(本社 深セン、中国最大手の運送会社に一つ)は、すでに、2017年6月に中国政府から、ドローン無人化配達に関する営業ライセンスを取得したという。

順豊のドローン無人配達戦略は、京東よりもさらに上を行くものである。その仕組みは、航空輸送3段階活用ネットワークと呼ばれ、一切配達員の人為的な介在を必要としない仕組みである。3つの種類の飛行機を活用し、それをつなぎ合わせることによって、中国国内のどんな僻地にも36時間以内で配達することを可能にするというのだ。

1、大規模な輸送機(大都市から都市へ)

2、大規模なドローン(都市から地方都市)

3、小型ドローン(最寄りのドロンセンターから受取人へ)

shunfeng drone delivery

拠点にも、すべてロボットが仕分け対応することにより、全てを航空機輸送とロボットによる仕分け積み込みという、まさにSF的な計画である。

順豊はすでに2012からドローンを活用した無人化配達の研究を進めており、 151件の重要な特許を取得しているという。様々な種類の高性能なドローンを活用することによって、100KG を超過するような重い荷物にも対応可能だと言う。さらに、水陸両用のドローン活用計画も進められ、僻地の水源地に近いような地域でも対応できる計画である。

順豊は、全ての配達がドローンを活用した無人化配達になれば、一切の配達員が必要ではなくなると言う。順豊は、現在35万人の配達員を雇用している。上記計画が実現すれば、労働人口に恐ろしいインパクトが発生することになるのである。

 

  • アリババCEO ジャックマーの試算 中国では1日あたり10億小包の時代へ!

ドローンを活用した無人化配達は、もはやグローバルトレンドである。もはや、誰にも止めることはできない。

(GlotechTrend では以前Amazonによるドローンを活用した無人化戦略の進捗状況に関する記事を取り上げた),参考記事:【自動配達時代の到来】 第1回 Amazonの特許から見える未来の自動配達の姿

アリババCEOであるジャックマーは、ネット取引および小売の業界についてこう予測する。ジャックマーの主張によると、これから6、7年間で、1日の推定宅配小包の数が10億個となる時代がやってくるというのである。

ネット通販だけでなく、リアルの店舗(スーパーマーケットなど)で買い物したお客さんも、自分で荷物を持ち帰らず、利便性から配達を選択するのが一般的になり、荷物数は増加の一途だと言うのだ。

現在、配達員が対応できる小包の量は、1日あたり100個-200個が平均値だと言う。つまり、1日10億個の小包を現状の人間を介在した配達員で処理しようと思うと、1000万人近くの労働者が必要となるという計算になる。これは、絶対的に不可能である。

中国が、どんどん豊かになりしかも人口ボーナスがすでに終了している中国では労働コストもどんどん上昇している。10億個の小包を運ぶためには、現実的に考えてもドローンデリバリーが必須となるわけである。

日本でもここ数年、ヤマト運輸の宅配員がアマゾンの荷物があまりに多いためにパンク寸前だという悲劇的なニュースをよく耳にした。結果として、2017年4月からAmazonの当日サービス配達から撤退するという決断をせざるを得なかった。ヤマト運輸の2016年の荷物量は18億7000万個というのだから、中国が示す1日10億個という数字が、どれほどの数がお分りいただけるだろう。

結局のところ、今後も増え続けるネット通販などの荷物量に対応するには、ドローンを活用した無人化配達を促進するしか道はないのである。

京東CEO劉強東は、従来の自動車を用いて人間が配達する仕組みよりも、ドローンを活用したほうが、物流コストが少なくとも70%低減できるとしている。従来の運送コストの30%の金額に経費が抑えられる驚愕の数字である。

中国では、現在配達員として203万人が仕事に従事しているという。ドローンを活用した無人化配達が実現したら、この203万人の仕事が一気になくなってしまう可能性を秘めている。