「 独身の日」売上は3兆5000億円と過去最高!20万のニューリテール店舗が売上増加に貢献!

アリババが展開するショッピングの祭典「双十一」(独身の日)が幕を閉じた。今年の売上は日本円で3兆5000億円(2135億元)と過去最高(前期比26%成長)を記録。マクロ経済が低迷する中でニュー・リテール関連の伸びが独身の日の売上増加を牽引!

 

売上高は3兆5000億円、取扱貨物量は10億個超え、過去最高!

筆者も「独身の日」の開催期間中、中国杭州に滞在し「独身の日」のイベントを楽しんだ。前日である11/10には、「独身の日」に関連した大規模なエンタメ番組がテレビ放映され、マライアキャリーなどの有名歌手や、NBAプレーヤーが登場し番組を盛り上げていた。諸外国の政府要人が「独身の日」を祝うビデオメッセージが放映されるなど「独身の日」もかなり国際色が強くなってきた印象である。

テレビ番組内では、ジャック・マー自らが、デリバリー要員に扮し商品を配達する企画や、プロの職人と上海蟹を縛り梱包する競争に参加したりして、番組を盛り上げていた。「独身の日」の前夜祭番組は、日本で言えば大晦日に開催する紅白歌合戦のような国民的行事としてのプログラムとなっていると言って良いだろう。

(撮影GloTechTrends) 

今年の「独身の日」の売上は3兆5000億円(2135億元)、貨物量は10億個を超え、中国のマクロ景気が低迷する中でチカラ強い数字を示したと言って良いだろう。1日の貨物量10億個という数字は、奇しくもジャック・マーが2017年5月22日のグローバル・ロジスティックスマートサミットで「6-7年後には、1日で10億個の貨物量を達成することになるだろう。」と予言した貨物量であるが、この数字を前倒しで1年たらずで達成してしまったことになる。

Photo from: ebrun.com

 

驚異的な売上の秘密! 実はプレオーダー関連売上が多い!

この記事は、独身の日の翌日である11/12午前10時ごろに執筆している。既に、私のところには昨日注文した商品のデリバリーが既に続々と届けられている。配達要員の居場所がリアルタイムでスマホで確認でき、私の荷物がどこにあるか簡単に確認できるのでこれもまた非常に見ていて面白い。

3兆5000億円を1日で売上、しかも翌日の朝に既にデリバリーされる。どうやってこんなことが実現可能なのだろうか?

実は「独身の日」には、かなり長い間のプレオーダー期間が設定されている。例えば、10/20-31日までは、プレオーダー期間とされ、ユーザーは少しの予約金を支払うだけで確実に商品を確保できるようになっている。残代金を「独身の日」の当日に支払えば、中国の過酷な買い物競争で買い負けることを回避できるのである。ひと昔前は「独身の日」の開催を待って、早いもの勝ちでオーダーしていたが、そうした光景もプレオーダーシステムが確立したおかげで随分と減少したように思う。

さらに、11/1-10日は「独身の日」のウォームアップ期間として、電化製品、スマホ、家具などの大型商品に特化したプロモーション企画が行われる。今年の「独身の日」の結果集計では、小米やアップルのスマホやダイソンの電化製品が売上ランキングの上位を占めたのであるが、こうした11/1-10日のプロモーションおよびプレオーダーシステムが、好結果をもたらしているのである。

「独身の日」1日だけで3兆5000億円を売り上げたと報道されることが多いのであるが、実は11/11日に照準を合わせて計画的に事前予約システムが構築された上で積み重ねあげられた3兆5000億円の売上なのである。配達の仕組みも、プレオーダーシステムを通じて「独身の日」の時点でユーザーの近場に適正在庫が配置されており、翌日午前に商品配達が可能という効率的な仕組みが確立しているのである。

(写真GloTechTrends撮影、雨が降れば確認画面もなんと雨模様に!)

 

ニューリテール関連の売上が全体売上を牽引!

中国のマクロ経済が低迷する中で、「独身の日」の売上が26%もの高成長を実現している背景に、ニュー・リテール戦略の貢献があることは忘れてはならない。

中国では、新しいトレンドとしてオンラインとオフラインを統合(OMO)するニュー・リテール戦略が拡大している。アリババが公表した今年の「独身の日」に関連するデータでは、全国400都市で20万店舗がニュー・リテール戦略関連として新しく「独身の日」のイベントに参加したという。

参考記事:ニュー・リテール戦略

【アリババニューリテール戦略の全貌】最終回 ニューリテール戦略の狙いとは?中間まとめ

アリババCEO張勇(Jong Yong)は「独身の日」終了後に「独身の日の24時間において、オフライン分野で面白い現象が起きている。」とコメントしている。リアル店舗からオンラインを活用した注文規模が拡大しておりこれが今年の大きなトレンド変化だというのである。

今年の「独身の日」では、コーヒーデリバリーを開始したスターバックスや、外食デリバリーを担当するEle.me(ウアラマ)や、地元に密着したライフサービスを展開する口碑(コウベイ)などを含めて20万店舗が新たに参加している。こうした新しく加わったニュー・リテール戦略関連の売上が「独身の日」の売上を牽引していることは間違いなさそうである。

オフラインとオンラインを統合(OMO)するニュー・リテール戦略の成功を見せつけられるような「独身の日」の結果なのかもしれない。

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