2019年アリババの天猫ダブルイレブン(独身の日)重要トレンド 【まとめ】 

毎年恒例の天猫ダブルイレブン(独身の日)のイベントが終了した。総取引額は、昨年度から25.7%増となる2684億元(日本円で4兆1602億円)を記録し、中国のマクロ景気悪化が懸念される中でも堅調な売上実績を記録した。当サイト(GloTechTrends)として、今年の天猫ダブルイレブンにおいて、特徴的だった点をいくつかまとめておきたい。

1、コアシステムは全てクラウドベース!一秒間に54万5000回の注文を処理! 

11/11午前2時にアリババは今年から天猫ダブルイレブン(独身の日)のコアシステムがアリババクラウドの提供するパブリッククラウド上で100%処理されていることを正式に発表した。アリババによると、今回の天猫ダブルイレブン(独身の日)のトランザクションをトラブルなく実行するため、約2か月前に数十万台に及ぶ物理サーバーをデータセンターからクラウド環境へと100%移行する大規模移行プロジェクトを完了していたという。

その気になる処理スピードは、アリババクラウドの提供するスーパーコンピューティングエンジンである飛天「Apsara」は1秒あたり最大で54万5000回のトランザクション処理を記録し、アリペイ(アントフィナンシャル)の分散データベース「OceanBase」は、1秒あたり6,100万回といういずれも過去最高数値を記録したという。天猫ダブルイレブン(独身の日)では、取引総量(GMV)に関心が向かいがちであるが、それを支える技術力の向上も注目に値する点である。

2、ネットインフルエンサー「網紅(ワンホン)」を活用したLIVE販売がスタンダートへ!

中国のEコマースでは既にネットインフルエンサーである「網紅(ワンホン)」を活用したLiveによる販売促進が主流となっているが、今年の天猫ダブルイレブン(独身の日)では、10万店舗に及ぶ出店者が「網紅(ワンホン)」を活用し、合計で100億元(1兆5500億円程度)の売上をもたらし、網紅(ワンホン)が巨大な影響力をもち、もはや天猫ダブルイレブン(独身の日)のイベントでも主流と呼べる地位を確立したことが印象付けられた。

タオバオ(淘宝網)において、人気No1の「網紅」(ワンホン)である薇娅(ウェイヤ)のライブ放送は、4310万人の視聴者を集め、No2の李佳琦(リージャーチー)は、3680万人の視聴者数を集めた。今回の天猫ダブルイレブン(独身の日)では、外資系化粧品メーカーや自動車メーカーが「網紅」(ワンホン)を活用し売上を伸ばした点が顕著となっており、売上を伸ばしたい日本企業にとってキャッチアップすべき重要トレンドと言えそうだ。

3、サプライチェーンが大きく変わる予感!強まる「網紅」(ワンホン)など個人の影響力!

従来のEコマースでは、商品を提供するメーカー側が圧倒的な力を有していたが「網紅」(ワンホン)が力を持ちつつある中国において、従来のサプライチェーン構造にも変化が起きつつある。「網紅」(ワンホン)は、自身がLive中継し大きな売上を獲得することで「網紅」(ワンホン)がサプライチェーン上の重要なファクターとして認識されつつあり、「網紅」(ワンホン)がメーカーと直接交渉するケースも現れている。例えば、「網紅」(ワンホン)は独自に売れそうだと目星をつけた商品のコンセプトを紹介し、ユーザーの反応や事前予約状況を勘案しながら、メーカーに依頼するというモデルを構築しつつある。この点、個人が製造プロセスに強い影響力を持ちうるという点で従来のサプライチェーンに大きな影響を与える可能性があり、同時にアリババが推進する製造業のアップグレードでもあるニューマニュファクチャー(新しい製造業)のコンセプトにも関連する内容である。当サイト(GloTechTrends)としては、後続記事として具体的な事例を紹介していくつもりである。

参考記事:

【雲栖大会(The Computing Conference)】探訪記①:2018年はニューマニュファクチュア(新しい製造業)元年になるか

地方都市や農村部が天猫ダブルイレブン(独身の日)の主役へ!農村が消費者としても販売者としても大きな存在へ!

今年の天猫ダブルイレブン(独身の日)では、地方都市や農村部の存在が目立つイベントとなった。天猫のデータによれば、今年の天猫ダブルイレブン(独身の日)ではiPhone 11やHuawei Mate 30 Proなどの高額スマホ人気機種の半分以上の注文が、中国地方都市からの注文であったことが示された。中国の平均所得が向上する中で、地方都市や農村部が消費者として存在感を高めつつあることが示された形であり、この傾向は今後も続くことになるだろう。

同様に、地方都市や農村が販売者としての存在感を高めつつある。実は、アリババは地方都市幹部やビジネスオーナーを対象に、地元特産品や土産物などをEコマース上のLive中継機能を活用し販売促進するためのトレーニングプロジェクトに力をいれている。今年3月には、トレーニングプロジェクトである「Village Broadcasting Program(村播計劃)」を全国27州で展開し、4月には24州から合計534人の行政担当者やビジネスオーナーをアリババの主要オフィスに招待し「Village Revitalization County Governor Training Class(郷村振興縣長研修班)」を行なっている。

その成果が現れた形として、今年の天猫ダブルイレブン(独身の日)ではライブ中継を活用した地方都市の名産品が販売された。例えば、陝西省(せんせい-しょう)の名産品である礼泉紅富士りんご30万キロ、湖北省の名産品であるナッツ20万キロ、四川省の名産であるオレンジ10万キロなどがライブを通じて販売され、すぐに売り切れとなる大成功に終わった。

地方都市や農村の存在が、消費者としてだけでなく、出店者としても高まっていることが感じられた2019年天猫ダブルイレブン(独身の日)となった。

以下はアリババから発表された内容となる。

■2019年「天猫ダブルイレブン」ショッピングフェスティバルのハイライト
*1元=15.5円で計算
<全体>
・流通総額(GMV):2,684億元(約4兆1,602億円)昨年比+26%
 ・100億元達成:開始後1分36秒
 ・1,000億元達成:開始後1時間3分59秒
 ・2,000億元達成:開始後14時間21分27秒
 ・2,135億元(昨年のGMV)達成:開始後16時間31分12秒
・参加ブランド数:20万
 ・GMV 1億元を達成したブランド数:299
 ・GMV 10億元を達成したブランド数:15 

<越境EC(天猫国際)>
・78の国と地域から2.2万以上のブランドが参加
・国・地域別GMVランキング:
1位 日本
2位 アメリカ
3位 韓国
4位 オーストラリア
5位 ドイツ

当サイト(GloTechTrends)としては、今後も天猫ダブルイレブン(独身の日)のトレンドを引き続き追いかけていくつもりである。

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