個人情報と交換で買い物が出来る。世界初、自分の個人情報でTシャツを購入できるショップがロンドンに誕生。

テクノロジーの進化は、プライバシー情報を含んだビッグデータを源泉としてどんどん進化している。ロンドンにオープンした「」は、自分が撮った好きな写真を3枚提供することでマグカップやTシャツが購入できるという。その仕組みとは?

 

  • 写真3枚でマグカップと引換え可能。さて、あなたなら個人情報を提供できる?

ロンドンで個人情報データと展示商品を引き換えできるという風変わりなお店がオープンした。お客さんが商品購入のために提供したデータは、30日間店頭展示スペースで一般の目に触れることとなる。商品に取り付けてあるプライスタグには、価格ではなく、商品を受け取るために提供するデータ量が記載されている。

写真from:kasperskylab

例えば、マグカップを購入したい時には、Facebookが提供するSNSアプリWhatsAppにアップロードされた写真の中から、顧客が任意に3枚の写真を選択して提供するか、文章内容を含んだ一通のEメールを提供する。自分自身が、写真に写っている必要もなければ、場所や期間の指定もない。いわば適当な写真でも良い。たいていのお客さんは、興味本位も手伝いマグカップを購入するという。

写真from:kasperskylab

次に、Tシャツが気に入った場合には、マグカップより少しハードルが上がる。最近自分が撮影した3枚の写真という形で、提供する個人情報に指定が入る。ユーザーは、提供するべきデータについて提供して良いものか重要な情報が入っていないか少し立ち止まり考える必要が出てくる。

さらに、壁に展示してあるアート壁画を購入したい場合には、ユーザーが使用している携帯電話を店員に差し出し、そのデータの中から店員が5枚の写真を選択するという形でハードルはかなり高くなる。ここまで来ると、ユーザーは情報提供に対しての疑念が生じ、薄気味悪い気分になり大半のお客さんは購入を断念するという。

実は、このお店、目的は商品を販売することではない。一般の人に、情報が無料ではないことを考えてもらうために、ロシアを本拠地とするセキュリティーソフトフェア企業である「カスペルスキー(Kaspersky)」がパイロットショップとしてオープンさせたお店である。

店舗Website:

https://www.datadollarstore.com

 

  • ビッグデータとプライバシーの関係

実は、既に多くの場所で個人のプライバシーと引き換えに、ユーザーは便益を手に入れている。

スターバックスへ行けば、無料Wifiが提供されているがその使用のためには、初回登録しEメールアドレスなどの個人情報を提供している。個人情報を提供する代わりとして無料Wifiを使用する便益を得るわけである。検索エンジンも言わずもがなである。多くの人は、個人情報に価値があることを認識していないので、無料でサービスを活用できているような錯覚に陥っているわけである。

実は、キャッシュレス社会においては、プライバシーの提供がより鮮明に行われる。現金で決済していた時代には、誰がどこでどんな商品を購入したかを把握するには、とても大変な作業となる。しかし、社会のキャッシュレス化に伴いデジタル決済が一般化すれば、決済データを使用して、人々の消費行動含めたプライバシーが赤裸々に把握されてしまう。ある人にとっては、無価値のデータであってもある人や企業にとっては有益ですごく価値のあるデータとなる。

今回オープンした「The Data Dollar Store」は、個人情報の価値を改めて考えさせてくれる示唆に富んだお店である。個人情報は、目に見えない無形資産として、価値があるという認識を我々は強く持つ必要がありそうだ。

 

GlotechTrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、テクノロジーの進化と個人のプライバシーを含むビッグデータの関係は、最重要テーマとして認識している。ただし、隣の中国が個人情報を含んだビッグデータを活用し、ますますテクノロジー先進国になっていく姿を見ていると、プライバシーの尊重を強調しすぎると、国際競争に負けてしまうという可能性も否定できない。ビッグデータとプライバシー、これは国家戦略を含む大問題として、より高い次元で解決策を早急に考えていく必要がありそうだ。