テンセントのAI同時通訳機が中国の最重要国際会議(ボアオ)に登場!暖かい失笑が会場を包む!

4月8日-11日までの期間で中国の海南島でボアオアジアフォーラが開催中。10日習近平も参加し中国開放に関するスピーチを行った。会議ではテンセントの同時通訳機が活用されたが、会場からは出来栄えに対する落胆と新分野に挑戦するAIへの期待が混じり合った微妙な空気に包まれた。

 

「One Belt, One Road(一帯一路)」は「道路やベルト」に変換!

ボアオ・アジア・フォーラム(BOAO Forum for Asia(BFA)は、ダボス会議のアジア版を目標として2001年に設立された国際非営利組織であり、アジア25カ国にオーストラリアの合計26カ国が参加している。毎年中国のリゾート地である海南島のボアオ(博鰲)で開催されることからボアオ会議と名付けられている。2014年に開催された第13回のボアオ会議において、習近平と李克強がアジア共同体の構築を演説し、最初に「一帯一路」という言葉が用いられたのもこの会議なのである。

今年は、折しも中国とアメリカの貿易戦争の話題が注目を集める中で、政治や経済的な視点から習近平がどんな発言をするのか世界の注目を集めている。そんな重要な会議に、テンセントのAI自動通訳機が初めて使用されることとなり、テクノロジー関係者や人工知能関係者の注目をも集めるイベントとなっている。

さて、満を辞して登場したと思われたテンセントのAI自動通訳機であるが、実はまだ実用化のレベルには至っていなかったようだ。外国人スピーカーが行ったOne Belt, One Road(一帯一路)という単語を「道路やベルトコンベア」と変換してしまい会場からの失笑を誘う結果となった。一帯一路はボアオ会議で誕生した中国の最重要国家戦略であるが、こんな基本単語でさえも人工知能は認識できなかったようである。

翻訳中にフリーズを起こし「For,For,For」と同じ単語をリピート!

 

中国重要戦略「一帯一路」を道路とベルトコンベアと誤訳

 

また、スピーカーが流暢な演説をする一方で、テンセントのAI翻訳機は同時通訳のスピードに対応できず、フリーズを繰り返し同じ単語を何度も翻訳画面に繰り返し表示し翻訳作業を放棄してしまったのである。

もちろん 通常の国際会議で活躍するハイレベルの通訳さんが配備されているので通訳さんの同時通訳作業により会議の進行は問題なく行われたが、現段階ではAI通訳機が人間翻訳には到底及ばないということが証明される結果となった。翻訳作業は、AI分野の中でも最難関の分野と言われているだけに、まだまだ時間がかかるということであろう。

なお、会場には繰り返される誤訳に対する失笑と同時に、AIが新しい分野に果敢に挑戦していく姿に対する声援とが混じり合い複雑な空気に包まれていたという。

自動翻訳の分野は、マイクロソフト、Google、中国のiFlyTekなどの有力企業が研究に注力している。GloTechTrends(グローバルテクノロジートレンド)としても今度の動向にも注目して行きたい。

参考記事:

中国科学技術部が次世代4大人工知能プラットホーム発展計画を策定、その一翼を担うアイフライテック(科大訊飛/iFLYTEK)とは!