蘇寧易購がカルフールを買収!カルフールもアリババ陣営のニューリテール戦略に統合?

6/23、中国の蘇寧易購がカルフール(Carrefour/家楽福) の中国事業に関する株式の80%を買収することを発表した。カルフールは、大手小売グローバルチェーンとして1995年から中国進出し大きな影響力を有する伝統的小売企業だが、近年カルフールの業績不振は業界内でも有名であった。カルフールは、昨年よりテンセントと戦略提携を模索していたが、予想に反しアリババと良好関係を維持する蘇寧易購に売却されることとなった。これにより、カルフールがアリババ陣営のニューリテール戦略を推進する可能性が一気に高まった。

 

蘇寧易購が48億元(約750億円)で「カルフール(家楽福)」を買収!

中国進出を目指す外資系流通企業の先駆けとして1995年から中国で大規模にビジネス展開してきたカルフール(家楽福)が家電販売などを手がける蘇寧易購に48億元(約750億円)で買収され、80%もの株式を譲り渡すことが決定した。残りの20%の株式に関しても譲渡条件の合意がされており、カルフールの中国市場からの撤退が濃厚となった。

カルフールは中国全土に200店舗以上を構え、中国の大都市、中規模都市で非常に目立つ存在となっている。その一方で、特筆すべき特徴もなく、デジタル化対応にも遅れ、そのスケールメリットを生かすことが出来ず享受できず長い間業績不振が続いていた。2018年の決算資料をみても、6億元(日本円で90億円程度)の最終赤字が計上されており、業界では撤退の噂が囁かれていたのも事実である。

 

カルフールCarrefour(家楽福)はテンセント陣営からアリババ陣営へ鞍替え?

当サイトでは、過去になんどかニューリテールの勢力図としてアリババ陣営のニューリテール戦略と、テンセント陣営のスマートリテール戦略との陣営分けの図を提示し、カルフールをテンセント陣営として記載してきた。

実はカルフール(家楽福)」は、2018年よりテンセントとの戦略的提携を発表しており、テンセントへの売却観測報道もされるなど、テンセント陣営に親密だと思われてきた。実際に、カルフール(家楽福)が2018年5月に上海でオープンした小型スーパー「Le Marche」は、テンセントのテクノロジーがふんだんに活用され、テンセントミニプログラム(小程序)、デジタルマーケティング、WeChatPayなどテンセントが提供するサービスをベースとして店舗設計がなされてきた。

しかしながら、今回発表された売却先は、テンセントではなく蘇寧易購であり、このニュースは同時にカルフールとテンセントとの業務提携交渉失敗したことも意味するのである。

参考:中国ニューリテール戦略の業界地図(蘇寧易購によるCarrefour(家楽福)買収後) GloTechTrends独自作成

蘇寧易購と言えば、蘇寧電器グループの中でEコマースを運営する企業であり、日本のヤマダ電機とも業務提携していることでも知られている。そして、蘇寧電器の第2位株主として存在感を示すのが実はアリババなのである。アリババは、蘇寧電器と2015年に事業提携を提携し、株式の相互持ち合いによる業務提携強化を発表し、283 億元(4300億円程度)を出資し第 2 位株主となっている。蘇寧もアリババに 140 億元を出資するなどして良好な関係を構築してきた。(*蘇寧は2018年12月に全アリババ株式を売却) 

参考記事:アリババと蘇寧電器グループのテクノロジー活用事例)

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いずれにせよ、「カルフール(家楽福)」は、アリババと距離の近い蘇寧易購の主導のもとでデジタライゼーションを強化し、ニューリテール戦略を取り込む形でデジタルアップデートしていくことは明らかであろう。カルフール(家楽福)側は、早期なリストラなどを否定するものの80%の株式を売却した今となっては、中国側に主導権を握られていることは明らかであり、今後のカルフール(家楽福)に関するテクノロジーアップデートの動向が非常に気になるところである。

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