中国シェア自転車ビジネスの問題点 改善のため中国政府がガイドラインを発表。シェア自転車|中国

急拡大したシェア自転車ビジネスは、中国国内では様々な問題が発生している。利便性は抜群に高いがその一方でマナーの悪いユーザーの盗難や不法投棄が多発している。また子供の死亡事故が複数発生し事態は深刻化している。中国政府が8月上旬「シェア自転車の発展と推進に関するガイドライン」を発表し改善を急ぐ。

  • 中国のシェア自転車は2000万台に及ぶ。「Ofo」と「Mobike」の二大大手

アリババ系のOfo 対するテンセント系のMobikeの両巨頭に加えて、小規模シェア自転車企業も含め、現在の中国国内のシェア自転車の設置数は現在2000万台に及ぶと言われる。登録ユーザー数は2億人。これだけの台数が急速に街に溢れれば問題が発生するもの当然とも言えよう。まずは、現在の中国でのシェア自転車ビジネスの問題点を総ざらいしてみたい。

hangzhou sharing bicycle grave杭州にあるシェア自転車の廃棄場

 

  • シェア自転車を使用する子供の死亡事故の発生、少年の両親は、提訴しOfoに対して878万元(1億5千万円程度)

2017年3月、上海にはOfoのシェア自転車を使用していた11歳の少年がバスと衝突した死亡事故が発生している。少年の両親は、上海市静安区人民裁判所に提訴しOfoに対して878万元(日本円で1億5千万円程度)の損害賠償を請求している。また、2017年6月にも鄭州で、同じくOfoのシェア自転車を運転する12歳の少年の死亡事故が発生するなど多数の人身事故が発生している。シェア自転車を巡る使用年齢制限と保険加入の問題、及び使用する鍵の厳格化に対する問題提起となっている。

 

  • 景観を害する不法投棄と鍵をこじ開けての丸ごと盗難、部品窃盗多発。

ユーザーのマナー違反や自転車を煩雑に扱うケースも増え、街の景観、環境を害すると指摘されることも増加している。ユーザーのマナー違反に関しては、写真をご覧いただくのが一番早い。不法投棄、部品盗難、自転車丸ごと盗難などなどである。sharing bicycle problem

 

  • 運営会社倒産による使用者のデポジット喪失

中国国内でのシェア自転車ビジネスの競争は激化している。アリババ系大手Ofoとテンセント系大手のMobike以外は、正直言ってもはや勝ち目はない状況になっている。2017年6月にも重慶を拠点とする「悟空単車」と「3VBike」が突如として倒産し、ユーザーはデポジットを返還してもらえないという事態になっている。双方の倒産理由は、鍵の甘さから設置した自転車の9割以上が盗難され、事実上ビジネス運営ができなくなったからだというが、もはや小規模運営会社に勝ち目はない。

 

  • 8月上旬中国政府が「シェア自転車の発展と推進に関するガイドライン」を発表

上記のようなシェア自転車を巡る様々な問題点を踏まえ、8月2日とうとう中国政府がシェア自転車ビジネスに関するガイドラインを発表した。「シェア自転車の発展と推進に関するガイドライン」という名前で発表されたこのガイドラインは、交通運輸部、国家発展改革委員会など政府の10の部門の連名で発表されており、けっして規制強化を全面に打ち出すネガティブなものではなく、あくまでシェア自転車は近距離移動に最適であり、より環境に優しい交通システムの発展を促進しようという観点からのガイドラインとなっている。上記で記載した問題点への解決策を運営会社に提案し、より良いサービスを要求する内容である。重要な指針部分だけ以下にピックアップする。

1、OfoやMobikeに代表されるGPS機能搭載で、どこでも乗り捨てられるを売りにしていたシェア自転車であるが、今後はどこでも乗り捨ては原則禁止で、指定エリア内に駐車することが義務付けられる。指定エリア外に駐車した場合は、罰金が課せられることになる。これにより、不法投棄問題や環境、景観に配慮する運用となる。

sharing bicycle GPS deposit

2、利用に関して登録時にデポジットを支払うのが一般的であったが、今回のガイドラインでは運営会社がデポジットを預かることが禁じられる。競争激化により小規模のシェア自転車運営会社の倒産が今後も引き起こると想定されているためである。

3、子供の使用を事実上禁止し12歳以上からの使用とした。スマートロックも全面的に機能を強化し、保険加入も義務付けられる。頻発した死亡事故、死亡にまで至らずとも負傷しているケースも多く、安全面、保証面の強化と言える。

4、地方政府に対し、それぞれの都市の状況を踏まえて、それにふさわしい地方都市のガイドラインを決定することを促している。

急拡大した中国におけるシェア自転車ビジネスであるが、多くの問題が発生しているのも事実である。このガイドラインの発表によりより健全な形でのビジネス発展を期待したい。いずれにせよGlotechtrendsでは引き続き中国のシェア自転車ビジネスの展開に注目していきたい。