天猫「車の自動販売機」は果たしてどうなったのか?プロモビデオとは異なる出来栄えに失望!?

センセーショナルなプロモビデオと同時にアリババの天猫より発表された「車の自動販売機」であるが、現段階ではサービス開始が遅れているようだ。当サイトでも最注目プロジェクトなだけに動向が気になる。現地訪問し現状を確認した。

 

(まとめ)天猫の「車の自動販売機」プロジェクトとは?

天猫の「車の自動販売機」をご存知ない方のために少しおさらいしておきたい。

アリババのニューリテール戦略の一翼を担うプロジェクトとして、オンラインとオフラインが統合するOMO戦略の一翼を担う。さらにアントフィナンシャルが提供する信用スコア(芝麻信用)と連動し、車を販売する際に自動車ローンを瞬時に提供してしまうというフィンテック融合型の大型プロジェクトである。

当初発表されたプロモーションビデオは以下の記事のリンクからご覧頂く事ができる。芝麻信用スコアを活用して高い信用スコアを維持しているユーザーには10%の頭金支払いを条件に瞬時に銀行ローンをリリースしその場で車の引渡しまで行なってしまうという近未来のシステムである。

参考記事:【アリババニューリテール戦略の全貌】第4回:アリババが10月に車の自動販売機業務を開始、芝麻信用750スコアのユーザー対しその場で即日車を引き渡し|アリペイ(プロモーションビデオあり)

12/13上海と南京の2都市で「車の自動販売機」が同時オープン!顔認証でベンツやBMWの鍵をゲットして試乗!

 

上海「車の自動販売機」の出来栄えとは!?(2月22日現在)

「車の自動販売機」は、既に1店舗だけ上海でひっそりとオープンしている。今回は、現段階で実現できている事の説明に加え、在庫として保管してある駐車場を案内してもらう事ができたので報告したい。

結論から言えば、現段階では「車の自動販売機」を活用しての車の販売は残念ながら実現できていなかった。

プロモビデオにあるような顔認証をして車の引き渡しを実現する近未来型の立体型駐車場は近日中に広州で開業予定だというものの、上海ではまだ運用がなされていないという説明であった。ちなみに、このプロジェクトを中心となって運営しているのは、アリババが筆頭株主である大捜車(souche.com)という企業のようだ。もともと自動車販売のプラットホームを運営しているため車の自動販売機プロジェクトにも適任ということのようだ。

店舗の中央部には、最初に発表されたプロモーションビデオよりもより洗練されたプロモーションビデオの映像が繰り返し放映されている。映像を見ているとかなり近未来的な仕組みにトライしている事は伝わってくるが、大方のことはまだ目の前の店舗では実現できてないのは残念な印象である。

映像の中には、芝麻信用スコアを活用して銀行ローンを取得する様子や、顔認証を活用して立体駐車場から車が引き渡される映像が含まれている。現段階では、システム実現のためにテストを繰り返している状況なのだという。

 

3日間の試乗運転を実現、芝麻信用スコア次第でデポジット不要!

現段階で実現できていることを整理しておきたい。現段階で実現できている事は、3日間に渡るユーザーのテスト運転の予約システム、および自動機械を活用した鍵の引き渡し、芝麻信用を活用したデポジットの免除などの仕組みが実現できているようだ。

ユーザーは、専用アプリを活用して試乗予約をスマホからする事ができる。試乗したい車を選択し、芝麻信用スコアが一定スコアであればデポジットを免除される。予約が完了すると、スマホにQRコードが送られてくるので車を受け取る際は店舗内にある鍵の引き渡しの機械にスマホ認証すればボックスが開き鍵を入手できる仕組みである。鍵を受け取ったユーザーは、自分で地下駐車場へ降り指定の駐車位置から車に乗り込みという流れである。

 

車の駐車スペースを見学、地下駐車場には高級車ばかりが100台以上!

スタッフがテスト運転用に用意された車を見せてくれるというので早速地下駐車場へ移動してみた。なんとそこには、ベンツ、BMW、 アウディ、プジョーなどに加えて、本田やマツダなどの日本車も用意されている。アメ車やイギリス車、韓国車も交えて、大方のブランドの高級車だけが揃っている印象である。駐車場位置の番号を数えてみても100台以上の車が用意されていることが容易に理解できる。

 

既にこれだけの高級車が実際に準備されていることを目の当たりにすると、このプロジェクトに対する本気度は十分に伝わってきた。「車の自動販売機」プロジェクトが、現段階では遅れてはいるものの、計画倒れではなく真剣に準備が進んでいる様子は伝わってくるものであった。

実は、中国ではセンセーショナルなプロジェクト発表だけが先行して、プロジェクトが実現しないという事も多々ある。この天猫の「車の自動販売機」が企画倒れになるか、今後驚くべき発展を遂げるのかもう少し見守る必要がありそうだ。少なくとも2月訪問時では、計画は遅れてはいるものの、実現に向けた計画が進行していることは十分に理解できた。「車の自動販売機」が芝麻信用スコアと連動し瞬時に自動車ローンを提供するような大掛かりなフィンテックの仕組みが果たして実現する日が来るのであろうか?

Glotechtrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、もう少しプロジェクトの進行を見守ることにしたい。