「ニューリテール戦略」第2ステージ突入!「RT-MART」が400店舗でニューリテール戦略導入!

アリババのニューリテール戦略が第2ステージへ突入することになった。6/18までにRT-MARTは100店舗以上でニューリテール導入を完了。年末までに400店舗まで拡大させるという。いよいよブルーオーシャンである85%のオフライン市場を取りに来た!

 

昨年11月にアリババが「RT-MART」の株式36.1%を買収

ニューリテール戦略が400店舗に及ぶ大規模展開を行う「RT-MART」に導入され、いよいよアリババが目指すニューリテール戦略の本当の狙いが姿を見せつつある。

RT-MARTは中国語では大潤發(ダールンファー)といい台湾を拠点とする企業であり、親会社はSun Art Retail Group(高鑫零售有限公司)という香港上場の企業である。2017年11月にアリババグループが、224億HKDで全株式の36.1%を取得したことから、兼ねてからニューリテール戦略の対象店舗となるのではと噂されていた企業である。

 

アリババが保有するビッグデータにより在庫管理を徹底

まず、従来のニューリテール戦略上にあるお話から確認しておきたい。RT-MARTがアリババのニューリテール戦略を導入することで、最も変化するのは店舗の在庫管理とサプライチェーンに関する部分であろう。アリババクラウドが保有するユーザーの属性やインサイト情報を解析することで、周辺の対象ユーザーの嗜好を把握してしまう。ユーザーのニーズに合わせた在庫仕入れを適切量だけ実現することで、大幅に在庫リスクを低減することができる。さらに、アリババが保有する巨大サプライチェーンを利用することで、効率よく廉価な仕入れを実現することができ、店舗の運営効率は格段に飛躍することになるであろう。

 

1時間以内のデリバリーを実現、鮮魚も配置!

RT-MARTも、アリババがニューリテール戦略の中核として先に展開する盒馬鮮生(ファーマーションシェン)と同様に、店舗デリバリーシステムを構築するようだ。盒馬鮮生(ファーマーションシェン)のように30分とまでは行かないまでも、1時間以内のデリバリーを実現すると公約している。ユーザーは、必要なもの以外はデリバリーを選択することで快適な買い物体験を楽しむことが出来る。

また、盒馬鮮生(ファーマーションシェン)で、エンターテイメント的要素として人気を博したロブスターなどの高級鮮魚のイケス販売はRT-MARTでも導入される。客層に合わせる形で高級鮮魚だけでなく、川魚などの日常鮮魚も多く揃えるようだ。盒馬鮮生(ファーマーションシェン)との共同仕入れも実現し、盒馬鮮生(ファーマーションシェン)で人気商品となった毎日新鮮(その日に仕入れた新鮮食材の詰め合わせ)のパッケージ販売も導入するという。同様のコンセプトが多いため、盒馬鮮生(ファーマーションシェン)の兄弟店舗という位置付けも出来るのかも知れない。

 

オンラインの天猫とオフラインのRT-MARTが共通クーポンを発行!

RT-MARTで最も特徴的な部分が、RT-MARTの店内からアリババが運営するオンラインサイトの天猫への移動が簡単に実現できる仕組み作りが構築されている点である。

例えば、店内に天猫で販売されている人気商品を展示したキオスクコーナーがあり、ユーザーは実際の商品を手に取りながら気に入った商品があれば、スマホアプリからQRコードをスキャンすることで、天猫のサイトへ簡単に移動することが出来る。そのまま簡単に天猫で買い物が完結する仕組みが提供されているのである。

また、店舗内で獲得した紅包(金一封)やクーポンが一定の条件の元で天猫のサイトで使用できるような仕組みが構築されており、RT-MARTから天猫へユーザーを誘導するような仕掛けがなされている。逆に、天猫で獲得したクーポンもRT-MART店舗内で活用できるようになっており、オフラインであるRT-MARTとオンラインである天猫の垣根を低くし、ユーザーが自由にオンラインとオフラインを往来できる工夫が散りばめられている。

 

RT-MARTは3-4級都市を主戦場とする超伝統的リテール店舗!

RT-MARTは中国で約400店舗を展開する大型スーパーマーケットであるが、実はユニークな特徴がある。それは、全店舗のうち45%を3級都市、22%を4級都市で展開している点である。中国では都市の規模を等級により示し3級、4級と等級が下がるほど地方都市となる。3級ともなれば日本人にはほぼ馴染みのない都市ばかりである。一般的に等級が下がるほど、ITリテラシーが低い人たちが多くなると言われている。実は、敢えて地方都市を主戦場とするスーパーマーケットに、最先端ニューリテール技術を導入することに、アリババの本当の狙いがあるのである。

 

アリババのニューリテールの本当の狙いは85%のブルーオーシャン!

中国で、オンライン取引が活発だというニュースを目にするが、実はオンラインでの取引量は全体の商取引からすればわずか15%にすぎない。アリババがニューリテール戦略を行う真の狙いは、85%のオフライン市場を力づくでオンラインの世界に引き込むことなのである。この85%こそが、アリババにとっての新たなる売上げとなるべくブルーオーシャンであり、ニューリテール戦略の狙いとするマーケットなのである。敢えて地方都市の超伝統的スーパーマーケットに狙いを定めている理由は、ここが一番美味しい市場だからなのである。

大都市で展開されている盒馬鮮生(ファーマーションシェン)だけを見ていても、本当のアリババが目指すニューリテール戦略の本質はつかみにくかったかもしれない。地方都市で展開されるRT-MARTにニューリテール戦略が導入されたことにより、今後本当の意味でのニューリテール戦略の全貌を人々が理解するようになるだろう。

アリババのニューリテール戦略がとうとう第2ステージに突入したことは、間違いない。

GloTechTrends(グロテックトレンド)としては、アリババの想像以上の事業スピードに驚くばかりだが、再びニューリテール戦略の展開に注目せざるを得なくなってしまった。

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