平安グループのフィンテック企業「OneConnect(金融壹账通)」はHKでのIPO予定を変更しNYSE上場を目指す?

香港のメディアであるSCMP(SouthChinaMorningPost)が報道したところによれば、香港市場での株式公開が有力視されていた平安保険グループのフィンテック企業「OneConnect Financial Technology (上海壹账通金融科技有限公司)」は、今年9月にも予定変更しNYSEで上場するという匿名関係者の談話を紹介した。OneConnect(金融壹账通)側は、直ぐにこの報道を否定したが、米中貿易戦争が激化する中で、中国有力スタートアップがどの市場での株式公開を選択するかは、非常に悩ましい問題となっている。

 

トランプ政権が中国企業のスタートアップIPOをアメリカ証券市場から締め出す?

中国スタートアップ企業が株式公開時に、NYSEやナスダックといったアメリカの証券市場を選択することは、ここ数年のメインストリームと言えるトレンドであった。調査会社リフィニティブが公表する統計を確認しても、2018年にアメリカ市場で上場された外国企業のうち中国企業が58%と半数以上を占め、アメリカ証券市場におけるに中国企業のIPO案件数が多かったのは事実である。

しかし、米中貿易戦争が激化し混迷を深める中で、トランプ政権がこうした中国企業のアメリカ証券市場でのIPOにも制限を設けようとしている。トランプ大統領の有力側近と言われるスティーブ・バノンは、中国との貿易戦争が解決するまで中国企業のアメリカ市場へのアクセスを制限すべきとも述べ、より厳格な開示内容を要求することを示唆している。もし、こうした規制が本当に現実化すれば、中国スタートアップ企業の株式公開がアメリカ資本市場から締め出される可能性も高く、非常に気になるところである。

既にアリババなどは香港市場へ復帰する方向を表明しており、今後、両国の証券市場をめぐる動向は複雑な問題へと発展しそうな気配である。こうした背景もあり、平安保険グループの有力フィンテック企業である「OneConnect(金融壹账通)」が、香港市場を選択するか、アメリカ証券市場を選択するのかは、今後の中国スタートアップ企業の動向を占う上でも注目が集まるニュースなのである。

参考記事:平安保険グループ

フィンテック企業の成功事例として注目を集める「平安保険グループ」の時価総額は23兆円規模!

 

ソフトバンクビジョンファンドやSBIインベストメントが投資するOneConnect(金融壹账通)とは?

実は、OneConnect(金融壹账通)には、2018年2月にソフトバンクビジョンファンドやSBIインベストメントも出資していることでも有名である。

参考記事:

平安保険に潜む4匹のユニコーン、5月4日「平安好医生」が香港市場へ ソフトバンクは7.41%を保有する株主

OneConnect(金融壹账通)は、中小規模の金融機関向けに高度なフィンテックテクノロジー(Fintech SaaS)を提供するビジネスソリューションプロバイダーであり、提供するビジネスソリューションは、人工知能、ブロックチェーン、クラウドプラットフォーム、バイオメトリクス識別など多岐に渡る。フィンテック分野において世界トップクラスと認められる技術力を有する実力派スタートアップなのである。

2018年3月末現在、OneConnect(金融壹账通)は、450を超える金融機関と2100を超えるノンバンクにサービス提供しており、平安グループとの相乗効果によって、急速にビジネス規模を拡大している。株式上場の行方も含め、注目しておきたいフィンテック企業である。

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