平安保険に潜む4匹のユニコーン、5月4日「平安好医生」が香港市場へ ソフトバンクは7.41%を保有する株主

中国平安保険が保有する4つのユニコーンの一角「平安好医生」が5月4日に上場を果たす。医療効率化アプリを展開し設立からわずか3年で推定11億USD規模の上場を実現。ソフトバンクが7.41%の株式を保有、平安との連携を急速に深めている。

 

中国のネット医療アプリ「平安好医生」(ピンアンハオイーション)

つい数年前まで、中国の医療サービスといえば劣悪な環境下におかれ極めて非効率な業界の代名詞であった。わずか5分の診察を受けるために患者は長蛇の列に並び、ようやく診察が終わったと思えば薬待ちにまた並ぶ。しかも受診の前に支払いをしなければならないために、前段で支払いのための行列待ちが加わる。病院に行けばそれだけで疲れてしまい症状がさらに悪化するとも言われる始末であった。また、患者と病院や医者の信頼関係が希薄なため、処方される薬に関するトラブルは社会問題ともなっていた。

しかし、ここ数年でそんな状況が一変しつつある。中国医療の効率性が劇的に改善している理由は、やはりテクノロジーを活用した医療改革である。メディカルテクノロジー改革とも言われる領域であるが、その代表格がスマホアプリを活用したサービスフロー効率化の分野である。アプリを活用することで自宅に居ながら24時間体制の医療相談サービスを受けられ、スマホ相談から医者が必要と判断すれば最寄りの医者を紹介してもらい予約の受付までが可能である。薬だけが必要な場合には、薬のデリバリー注文を依頼したり、健康食品や医療器具の購入もスマホアプリから依頼することができる。圧倒的な人件費削減に貢献している。

こうした業務改善医療アプリが中国でも盛んであるが、その代表格が「平安好医生」なのである。2015年にリリースされたばかりであるものの、2017年末時点において1.93億人のユーザーを獲得し、約6万人を超える医療機関や医者が登録されている。2014年の設立からわずか2年でユニコーン入りを果たしたスピード成長企業としても有名だ。

 

平安保険に潜む4匹のユニコーンと3人目の馬

平安好医生の親会社である平安保険は、深センに本社を構え、香港市場に上場する保険、銀行、投資などの業務を行う巨大グループである。ここ数年で平安保険は投資業務を活性化しており、スタートアップ投資、アクセラレーター業務にも積極的に関与している。現時点ではグループ内に4社のユニコーン企業を抱えているされていたが、その内の一つの「平安好医生」が今回香港市場へ上場を果たすことになったのである。

良い機会なので、平安好医生の他の3社も確認しておきたい。その一角には2017年度のKPMGのFintech100企業の第6位に登場した陸金所(Lufax)が入っている。Lufaxは、総合フィンテックのビジネスモデルが急成長を遂げている会社として有名であり、シンガポールにも昨年事務所をオープンし海外展開にも積極的である。証券関係者の間では今年中にも同様に香港市場へ上場すると噂されている注目企業である。

参考記事:中国平安保険の副社長が世界第6位のフィンテック企業「Lufax(陸金所)」の上場示唆。推定時価総額2兆円規模の巨大ユニコーンが登場!?

その他にも、金融壹账通、平安医疗健康管理など、やはり金融や医療業務に関係する企業が多く、平安保険グループとの相乗効果を期待したビジネスモデルとなっている。

Data from: ping an official announcement, made by GloTechTrends

平安保険グループを率いる馬明哲(Ma Ming zhe)氏についても確認しておきたい。1955年生まれの63歳であるため、アリババのジャック・マー(馬雲)とテンセントのポニー・マー(馬化騰)よりも少し上の年齢層であるが、同じく「馬」姓であることから、中国のメディアでは頻繁に3馬として登場する人物である。BATとして三大IT企業の括りは有名であるが、最近は3馬という括りも頻繁に耳にするので抑えておきたいところである。今後は続々と平安保険グループ内のユニコーン企業が上場することで馬明哲(Ma Ming zhe)氏への注目度が高まることは必須であろう。

 

4匹のユニコーンのうち3社にソフトバンクの影

既にソフトバンクは敏感に匂いを嗅ぎつけ平安保険グループとの距離感を縮めようとしている。今回上場する平安好医生にもソフトバンク・ビジョン・ファンドから4億ドル(約430億円)程度を出資し7.41%の株主となっている。一部の情報では、平安が保有する4つのユニコーンのうち3社にソフトバンクが投資しているとされており、その金額は総額180億香港ドル(23億米ドル)に達すると言われている。4社のユニコーンのうちどの3つかは定かではないが、そのうちの一つに今回上場する平安好医生が含まれている。ソフトバンクは、有望とされるスタートアップ企業の株主としては、本当に頻繁に耳にする名前であり今後の動向に注目しておきたいところである。