「テンセント経済圏」期待の新星!2年半でユーザー数3億人を突破した拼多多(ピンドォドォと)は?

テンセントが注力するEコマース戦略は京東だけじゃない!テンセント経済圏の一員である「拼多多」(ピンドォドォ)は「ソーシャルEコマース」分野を開拓。設立2年半でユーザー数3億人、GMV(流通総額)400億元/月(7000億円)と驚異の成長スピードで拡大。

 

「拼多多」(ピンドォドォ)は、設立わずか2年半でユーザー数3億人突破!

最近、新聞紙上でも「テンセント経済圏」や「アリババ経済圏」という◯○経済圏という言葉が頻繁に登場するようになってきた。これはスマホ上のアプリを活用してあらゆるサービスを統合直結してしまうプラットフォームがベースとなっている。

ちなみに、アリババのジャック・マーは昨年9月8日に行われたアリババグループ年次総会で「アリババ経済圏」という言葉を用い「将来は一億人を雇用し20億人の消費者をまとめる世界5位の経済圏を目指す」とコメントしている。

参考記事:9月8日に行われたアリババの年次総会、参加者4万人そこで語られたジャック・マーの夢とは?世界5番目のアリババ経済圏の構築へ|アリババ

中国では、アリババ経済圏とテンセント経済圏が激しく激突しているわけであるが、その中で俄かに激突が激しくなっている分野の一つが「Eコマース」である。京東やVipshopといったテンセント陣営のEコマース企業の攻勢が勢いを増しアリババが得意とするEコマースの牙城に食い込もうとしているのだ。今日ご紹介する「拼多多」(ピンドォドォ)もテンセント陣営の一員としてEコマース分野で急成長し、テンセント経済圏の拡大の貢献しているユニークな企業である。

この企業は2015年9月に設立され「ソーシャルEコマース」という新しい分野を開拓した。2017年7月にはユーザー数が1億人を突破し、同9月に2億人、2018年3月には3億人と急拡大している。GMV(Gross Merchandise Value:流通総額) に関しても、2018年2月単体で400億元(7000億円程度)を達成し2018年の年間流通総額は5000億元(8兆円超)規模になると予想されている。

この数字がどれほどすごいのかピンとこないのであるが、参考数値をいくつか挙げてみたい。タオバオは7年半の歳月を費やし3.7億人のユーザーを獲得している。京東が100億元のGMVを獲得したのは6年の歳月を費やしている。タオバオや京東の実績値と比較しても「拼多多」(ピンドォドォ)がどれほどの勢いで成長しているのか理解していただけるだろう。

 

「ソーシャルEコマース」とは!?WeChatとのコンビネーション抜群!

「拼多多」(ピンドォドォ)が得意とするのはソーシャルEコマース分野である。言葉からイメージしてもらえるようにテンセントが最も得意とするWeChatやQQといったSNSを活用し、グルーポンのような共同購入型のビジネスを合わせ持った企業である。トップページをみてみると、売れ筋商品は95万件を販売したという衣服で価格はたった19.9元(340円ほど)、40万個販売したという修理道具も破格の6.9元(110円程度)、なんとも廉価なものばかりが目に飛び込んでくる。同一商品を比較してもタオバオよりも価格が安いと言われるのも納得である。

基本的に「拼多多」(ピンドォドォ)は、単品だけを購入すると大変割高な価格となるが、事前に定められた目標個数をクリアすると極端に割安な価格を享受できる。そこで、商品を欲しいユーザー達は、自らが廉価な価格を獲得したいためにその商品のセールスマンと化して知人を巻き込んでいくのである。そのセールス手法がWeChatのモーメンツであったりQQなどのテンセントが得意とするSNSを活用する仕組みなのである。テンセント陣営となんとも相性の良いビジネスモデルである。WeChatユーザーを無料のセールスマンとして巻き込んでしまうという驚異のビジネスモデルを構築しているのである。もちろん、影響力が高いいわゆるインフルエンサー的なユーザーには無料でその商品が与えられるなどユーザーのメリットもちゃんと考えられている。皆が積極的にSNSを活用してセールスをしていく構図を見事に構築し、驚異の成長率を遂げているのである。

(画像1:WeChatを活用して勧誘する様子。画像2:フルグラ2人以上参加で58元という割引料金)

このビジネスモデルは、日本ではマッチしないかも知れないが、おそらく東南アジアのインドネシアやフィリピンなどのSNSを好む国やインドなどでも大いに応用できそうな予感である。

「拼多多」(ピンドォドォ)は、アプリ滞在時間を長く必要とするアプリ!

もう一つ、このアプリには見逃せない特徴がある。一つの商品の購入決定まで長時間を要するという点である。日々を忙しく過ごす層には煩わしいだけに聞こえるが、余暇を持て余した一定層には、逆にこれが人気の秘密となるのである。自分が発信したSNSによって誰かがその商品を購入し、そのユーザーとチャットしながら情報交換するというのは暇を持て余した人たちにとっては、最高の快感なのである。上海や北京だけを見ていると、皆が忙しそうに活動しているように見えるが、中国全土にはこうした暇を持て余した層がかなりの数存在することは間違いないのである。公園でダンスを楽しむおばちゃんなどは格好のターゲットなのである。

さて、○○経済圏の話に戻るが、経済圏を拡大するためには経済圏人口に該当するユーザー数と、売上に相当する流通金額をあげていかなければならないのは当然の話である。しかし、同様に滞在時間というアプローチも重要になる。「拼多多」(ピンドォドォ)のビジネスモデルは、ユーザーがテンセント経済圏の中に滞在する時間を増やすという意味では抜群の効力を発揮することになりそうである。