3月13日Ofoがアリババから8.66億USDの資金調達!Ofoを巡る覇権争いはついにアリババが制圧か!?

3月13日OfoE-2-ラウンドとして8.66億USDのファイナンスを完了した。本件でリードキャピタル役を担ったアリババは影響力を強めOfo役員会へメンバーも送り込むという。さて、スリル満点となった今回の資金調達ラウンドを振り返っておきたい。

 Ofoは2017年7月の最後のファイナンスから8ヶ月が経過し資金繰りが悪化していた

当サイトでは、ここしばらく数回に渡りOfoの資金繰り懸念報道をお伝えしている。Ofoは、2017年7月にアリババからの資金調達を最後に追加資金調達が途絶え、事業の黒字化の目処もなくOfoの資金繰りを懸念する状況が続いていた。Ofoのビジネスモデルは現段階で黒字化の目処はなく、2017年7月のファイナンス以前は3−4ヶ月ごとにファイナンスを実行し資金を充足していたのである。ご存知の通り中国シェア自転車業界は、フリーデポジットやプロモ乱発などの体力勝負が続いており、資金調達の停止は即刻企業体の死を意味することとなる。事業継続のために強い資金ニーズがあるが、Ofoの筆頭株主である滴滴出行(Didi chuxin)がアリババの影響力がこれ以上高まることを快く思わず、Ofoの経営陣、Didi、アリババの3社間の思惑のズレが生じ資金調達を困難にさせていたのである。3月にはかろうじてアリババからシェア自転車を譲渡担保する形で17.7億元(300億円程度)の融資による資金調達に成功したが資金的には焼け石に水という状況であった。

参考記事:Ofoは資金繰りの窮地から脱出?シェア自転車に譲渡担保設定しアリババから300億円調達

1/12日、テンセント技術メディアが、シェア自転車「Ofo」の資金繰り悪化を報道。俄かに注目を集めるOfoの動向

Didiは2016年9月にOfoのB+ラウンドに参加し数千万USDの出資を実行しOfo株式の3割程度の保有する筆頭株主となった。出資後のDidiの主張としては、シェアライドである滴滴出行(Didi chuxin)とOfoは同じ交通分野の事業であることからOfoに対しより緊密な関係を求めていたという。DidiによってOfoとMobikeとの統合が提案されたとの話もささやかれていた。

2017年6月からはDidiからOfoへシニアマネージャーが派遣されるなど、Ofoの事業内部に参画するようになっていた。それが2017年7月にOfoがアリババから追加の資金調達を獲得したことで、OfoとDidiとアリババと三者間で複雑な関係に発展したという。2017年11月にはOfoの経営陣からDidiから派遣されたチームに対して、Ofo内での勤務停止が通達されるなどOfoとDidiとの関係悪化が自体の複雑化を物語っている。こうした不透明な経営状態の中で、Ofoが追加の資金調達に苦慮し事業の継続に疑義が生じていたというのが実態のようである。

3月13日OfoはE-2-ラウンドとして、ついにアリババから8.66億USDのファイナンスに成功!

3月13日にOfoはE-2-ラウンドとしてアリババをリードキャピタルとして8.66億USD(日本円で930億円程度)の巨額資金調達に成功したと発表された。このニュースは、Ofoの事業継続のためには起死回生となる大変大きなニュースとなった。アリババと同時にグループでアリペイを運営するアントフィナンシャルも参加すると伝えられている。さらに今後はアリババからOfoのボードメンバーとして役員派遣が実行され人的経営資源の投入も実現する見通しだ。今後は、Ofoとアリババがより密接な関係で事業の発展を進めて行くことになり、Ofoとしては一気に光明が見えてきた形となる。

しかし、最大の疑問はどうしてDidi側はアリババからの資金調達を認めたのであろうかという点である。DidiとOfo経営陣との関係悪化が伝えられており、Didiがすんなりアリババの影響力を強める追加出資に納得するわけがない。Ofoの経営陣がDidiサイドからの出資を望んでいないという理由はあるだろうがそれだけではなさそうだ。

ここに先日、設定されたシェア自転車の譲渡担保がずしりと効いてくるのである。どうやらこの譲渡担保契約の返済金の期日は相当早い時期に設定されていたようだ。追加の資金調達が実行されなければアリババがOfoの保有する自転車を担保として差し押さえてしまうことが現実味を帯びていたようだ。アリババがシェア自転車を差し押さえてしまえば、即刻の事業停止を意味し筆頭株主のDidiは溜まったものではない。筆頭株主のDidiは、Ofoの事業停止とアリババからの追加出資の2者択一の中で、後者を選択するしかなかったというのが実情ではなかろうか。

今回の資金調達を巡っては、アリババ側に資金調達分野の相当な策士が画策していると思わざるを得ない。譲渡担保契約をどうして打ったのかという回答が今回のファイナンスで明確になったのである。アリババは諸葛亮孔明のような策士が描いたプランを実行し、見事にOfoを自陣に取り込むことに成功したのかもしれない。

アリペイや芝麻信用を普及させる生活ツールとなったシェア自転車

さて、もう一つ疑問が残る。アリババは既に業界第3位のHello Bikeにも出資し、それほどまでにOfoにこだわる必要はなかったのでないかと言う点である。

筆者なりに考えられる理由を列挙しておきたい。

1、 hello bikeは第3位であるが、MobikeとOfoの2大巨人が圧倒的なシェアを誇る。とりわけ中国の1級都市でのシェアはMobikeとOfoが大半をしめている。Hello bikeはまだまだテンセント陣営のMobikeに対抗するには力不足である。

2、アリペイでの決済や芝麻信用スコアを人々の習慣にしてしまうツールは他にない。シェア自転車は、アリペイを普及させるためのエントランスとしての魅力に満ちている。これに関しては、3月12日にOfoが面白いデータをリリースしている。Ofoがフリーデポジット制度(芝麻信用をベース)を開始したのが2017月3月でありこの2月でちょうど一年を経過した。この一年間でフリーデポジットを活用したユーザーは、既に3000万人ののぼり40万元のデポジットが支払いを免除されたとしている。芝麻信用はあらゆるシェアエコノミーにも活用されているが、全体では4150万人が活用しているにすぎずそのうち3000万人をシェア自転車のユーザーが占め圧倒的に目立っているのである。現段階では、アリペイを人々の習慣としてしまうシェア自転車、芝麻信用を普及させるツールとしてのシェア自転車は、アリババにとって重要なツールということになり、手放すには惜しい存在ということになる。

3、アリババが、Ofoに投資をしなければ、Ofoの企業体が倒産することを意味する。Ofoが倒産するということは、シェア自転車の2大巨人であるMobikeが漁夫の利を得て王者として君臨することを意味する。万が一、DidiとOfoの関係が好転したとしても、Didiが兼ねてから画策するMobikeとOfoの統合を実現することは必死である。アリババは、事実上Ofoをサポートするしか手立てがないという側面もあるのである。

Glotechtrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、もうしばらくシェア自転車を巡る派遣争いを見守っていきたい。三国志を彷彿とさせる策士同士の頭脳戦が、今まさに中国のスタートアップで繰り広げられているとも言える。現在進行形の生きた生々しい三国志が中国のスタートアップ業界で展開している。大変興味深い。