東南アジアでシェア自転車ビジネスモデルが崩壊!モバイル決済普及にも貢献できず悲劇的結末!

中国の街では昨年と比較してシェア自転車の数が減少している。実は、東南アジアでもシェア自転車の稼働率の低さからビジネスモデル自体に疑問符が投げかけられている。東南アジアの最も有名なシェア自転車「OBike」でさえも、敢え無く倒産してしまった。

 

シンガポール発シェア自転車「OBike」倒産!マレーシアでも悲劇的状況!

東南アジア最大のシェア自転車企業として、9カ国でサービス開始していた「OBike」をご存知だろうか?シンガポールを拠点として、2017年2月に設立され、設立から半年後にBラウンドとして45ミリオンUSD(日本円で50億円程度)もの資金調達を成功した注目企業である。

シンガポールの郊外の風景(撮影GloTechTrends) 

資金調達を契機に、マレーシア、タイ、韓国、香港、ドイツ、オランダ、オーストラリアなど9カ国で海外事業展開を行い、一世風靡した勢いのある企業であった。しかし、この一年でシェア自転車のビジネスモデルに対する風向きが変わり、同時にシェア自転車を巡るシンガポール当局の行政指導強化の影響もあり、今年6月末に敢え無く倒産してしまった。昨年報告された稼働率に関する調査サポートによると、1日のうち30程度しか稼働していないというのだから、収益性に問題があるのは当然である。

「OBike」ユーザーへのデポジットは未だ返還されておらず、しかも9カ国で展開したローカル各国との連携も曖昧なままで、シンガポールではサービス停止したが、他の国では各国の支店からのアナウンスを待つ状況だという。オーストラリアは正式にサービス停止がアナウンスされたが、シンガポールの隣国マレーシアでは、正式なアナウンスもなく相変わらず誰も乗らない「OBike」のシェア自転車が街に溢れ、ただ老朽化するのを待つだけの悲劇の自転車となっている。

当サイトでは、「OBIKE」のマレーシア進出をいくつか記事にしているので、関心ある方は是非ご確認いただきたい。自転車文化の無い灼熱の東南アジアでシェア自転車は根付くかと期待したが、文化の壁を乗り越えることはできなかったようだ。

シェア自転車がマレーシアでも始まった!OBike(シンガポール企業)のKL進出 OBike/マレーシア

(続)シェア自転車がマレーシアでも始まった!OBIKE | シンガポール企業)

 

「OBIKE」は、シェア自転車企業として初めてICOを実行した企業

実は、このOBIKEはシェア自転車運営企業としてICO(Initial Coin Offering)を実行した企業としても有名である。今年1月にOdysseyプロジェクトとしてOCN(OBIKE専用トークン)を発行し、5000イーサリアムの資金調達を行った。1/25日にはOCNを6つの取引所に上場させた。資金調達額は当時のイーサリアム価格で1ETH=10万円程度とすると5億円程度を調達した計算になる。「OBIKE」のユーザーは、OCNトークンをシェア自転車に使用できるとされていたが、敢え無く「OBIKE」事態が運営を停止してしまい今後トークンはどのような扱いになるのだろうか。創業者であるエドワード・チャンは事業継続を模索中だというが多くを期待できそうもない。

昨年夏までは、シェア自転車企業にとって強気な期待が継続しており、資金調達も容易に進んだが、今年になって一気にシェア自転車のビジネスモデルに対して懐疑的な見方が広がっている。シンガポールマーケットでは、同時に黄色いシェア自転車で有名な中国企業Ofoもビジネス縮小を行っている点は注目に値する。

 

東南アジアのシェア自転車企業は、モバイル決済普及にも貢献できず!

元々、東南アジアは人々が自転車で移動するという文化が存在しない。日中、一般人が自転車で長時間移動するには危険な温度なのである。中国で普及したシェア自転車のビジネスモデルをコピーしてみたものの、そもそもユーザーのニーズ自体が存在しなかったようだ。

さて、東南アジアのシェア自転車競争は、東南アジアの人々に何を残してくれたのだろうか。中国のように、「Ofo」や「MoBike」シェア自転車の普及によって、アリペイやWeChatPayといったモバイル決済が普及し、社会的な変化が発生したのなら、シェア自転車が社会に貢献したというプラスの評価も得られるであろう。

だが、東南アジアのシェア自転車競争は、モバイル決済の普及にも貢献できず、誰も乗らないシェア自転車だけが無残に残骸として取り残されただけである。

シンガポールの郊外の風景(撮影GloTechTrends) 

中国で流行したシェア自転車のビジネスモデルをコピーして、市場拡大を期待したが、誰も何も得られなかったというのが東南アジアのシェア自転車競争の悲劇的な結論なのである。

Facebook
Twitter
Email
Print