「MobilePay」で完全なるキャッシュレス社会へ向かうデンマーク、紙幣の国内製造すら停止|北欧諸国

デンマーク中央銀行は2017年1月1日造幣局の閉鎖を決定し国内でのコイン紙幣の造幣を停止した。現在はコインを外国で少量だけ委託製造しているが、紙片については印刷していないと言う。北欧諸国でもキャッシュレス社会化の加速が止まらない。

 

  • デンマークでの現金決済比率は10%以下スウェーデンは2%

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デンマークの首都コペンハーゲンでは、伝統的な現金支払がすっかり影を潜めキャッシュレスの支払に置き換えられている。デンマーク人は、キャッシュレス社会の利便性を楽しんでいるようだ。デンマーク人なら誰もが知っている有名な広告がある。少年がキックスクーターに乗ってコンビニに買い物に行ってジュースを購入するCMだ。ジュースを購入してそれを飲むまでのプロセスにおいて、少年はキックスクーターから降りることなくキャッシュレス支払いで完了する。

デンマーク人は、もともとDankort(ダンコート)と呼ばれるデジットカードに紐つけられたキャッシュレス決済のシステムが普及しており、カード支払いに慣れておりキャッシュレス社会の土台があった。それに加えて2013年にDanske Bankが携帯を活用したクレジットカードに紐つけられた「MobilePay」と言うサービスを開始して、キャッシュレス社会化が一気に加速した。現在、デンマークでは「Mobile Pay」と言う携帯を活用したキャッシュレス決済が主流になっている。

mobilepay cashless

デンマークは、キャッシュレス社会の先進国として法整備にも力を入れており、2015年5月政府がキャッシュレス社会化に関する指針を作り上げた。それに伴い2016年から郵便局、病院、歯科医、マッサージ店など、公共サービスや健康への影響と直結するような場所以外、例えば小売店などに現金での支払を拒否する権利を付与しキャッシュレス社会化への促進を国をあげて取り組んでいる。

法整備の充実もあり、現在では現金での支払比率は10%以下にまで下落していると言う。

 

 

  • 北欧ではキャッシュレス決済が主流なトレンド キャッシュレス先進国 スウェーデン、デンマーク

デンマークと同じように、その隣のスウェーデンでもキャッシュレス社会化が加速している。現金での支払い率は、デンマークを下回りわずか2%だと言うから驚愕である。スウェーデンの中央銀行の統計によると、スウェーデン10大銀行の全国1400の支店網でも2016年までにそのうちの852箇所において現金決済を全面的に停止したと言う。現金支払比率は、2020年までにはさらに0.5%程度まで低下する見込みだと言う。公共サービス機関においても現金での支払を拒否できる権利があると言うからデンマークの上をいく徹底ぶりである。

北欧の人々は、もともと教育水準が高い上に社会の成熟度も高く、人々の信頼関係が世界のトップクラスである。それに加えて新しい取り組みにも国として寛容であることがキャッシュレス化が進んでいる大きな理由であると考えられる。企業会計の分野においても、キャッシュレス社会化が促進したことによって、会計士の手間が大きく減少したと言う。

 

  • デンマークの「MobilePay」とアリペイの違い

最後に、本サイトで取り上げているアリペイやWeChatpayとの仕組みの違いについて少し言及しておきたい。デンマークの「MobilePay」と中国のアリペイとは、キャッシュレス社会を促進すると言う意味では類似しているが、その決済の仕組みが少し異なる。「MobilePay」は、クレジットカードやデビットカードに紐つけて使用する仕組みであるが、中国のアリペイは、クレジットカードやデジットカードを間に介在させなくても銀行口座と直結して活用できる。現段階では、その細かい違いをあえて指摘することはないのかもしれないが頭の片隅に置いておきたい問題である。

 

glotechtrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、今後も引き続き世界各国のキャッシュレス社会のトレンドを追いかけていきたい。