テスラの最大のライバルになるとも目される中国EVメーカー「NIO(蔚来汽车)」が、既にファイナンスアドバイザーを選定し年内のアメリカでの上場を目指しているようだ。ソフトバンクも公開時に2億USDほどの投資を検討しているという。NIOとは一体何者なのか!?
中国EVカーメーカーNIO(蔚来汽车) はわずか社歴4年の新興企業!
アメリカやドイツなどNIOの進出国では「NIO」の名称で注目を集めるこの企業であるが、中国では蔚来汽车(ウェイライチーチャー)と呼ばれている。2014年に上海にて設立されわずか4年の社歴しかないこの新興企業に急速に世界から注目が集まっている。
既にファイナンスアドバイザーとしてモルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、メリルリンチなどを含む有力投資銀行を指定し、アメリカで20億USD(2400円規模)となる資金調達を含めた株式公開準備が行われている。年内にも株式公開検討しており、IPO時の資金調達額規模ではアリババのアメリカ株式公開時に次ぐ第2位の中国企業となるとも噂される。
この企業に対して、ソフトバンクも興味を示しており、株式公開時にNIOの株式を取得する交渉が行われているという。その金額は2億USD(240億円程度)にのぼるという。ソフトバンクビジョン基金からの出資との報道があるが現段階ではソフトバンクからは正式なコメントはなされていない。
蔚来汽车(NIO)の資金調達ラウンドまとめ、株主はテンセント、百度、京東など
創業者である李斌(通称:ウィリアム・リー)は、スマートフォンのようなEVカーを製作することを開発目標として2014年にNIOを設立した。当初からテスラをライバル視し、斬新的な車のデザインと想像的アイデアで注目を集めた。
以下のリストは、蔚来汽车(NIO)の創立からの資金調達ラウンドを整理したものである。設立4年で、テンセント、百度、京東、レノボ、セコイアキャピタルなどそうそうたる企業からの資金調達に成功している。
蔚来汽车(NIO)がリリースする新型SUVであるES8は448000元(日本円で約760万円)
NIOがリリースするEVカーについてご紹介しておきたい。昨年12月に発表されたES8シリーズは、7人乗りのSUVタイプのEVカーである。補助金交付を考慮する前の価格は448000元(日本円で760万円程度)であり、他社の同社車と比較してかなりの割安感がある。
採用されたバッテリーには、充電方式の他に交換方式も採用しており、緊急時などは事前に用意しておいた交換用電池と入れ替えるだけで簡単に車を再び走らせることが可能な設計となっている。充電スペースの普及期にある現段階では、ユーザーにとって大変安心できる機能である。ES8は、昨年12月にコンセプトが発表され、2018年4月からの納品を見込んでいたが、現段階ではやや遅れているようである。しかし、中国政府のEVカー推進助成金の効果もあり受注は順調のようである。
NIOが参戦するフォーミュラE、電気自動車のF1グランプリ!?
フォーミュラE選手権(FIA Formula E Championship)というスポーツイベントをご存知だろうか。俗に電気自動車のF1と称され2014年9月から開催されている新しいモータースポーツである。日本からも佐藤琢磨や小林可夢偉と行った歴代F1ドライバーが参戦し俄かに注目を集めている。
日本企業からは日産が2018年末からの参戦を表明し、今年3月スイスでマシンデザインを公表した。今年12月から始まる第5シーズンの開幕戦(サウジアラビア戦)に照準を合わせて参戦に向けた準備が進められているという。
日産自動車が参戦するフォーミュラEに向けた車体デザイン発表
実は、このフォーミュラE選手権に古くから参戦しているのがNIOなのである。開催当初の2014年からチャイナ・レーシングとして参戦し、ネルソンピケJrをドライバーに擁してチャンピオンの座も獲得しているのである。2016年からチーム名をNEXTEV TCR NIOと変更し、車体の横に「NIO」のロゴをつけて快調に走るシーンが注目を集めている。
一部のF1関係者からは、フォーミュラEはモータースポーツの象徴であるエンジン音がなくモータースポーツとは言えないと手厳しい意見も集められている。しかし、EVカー時代がやってくることを大いに感じされてくれる未来志向のイベントであることは間違いない。
かつて、本田が1962年にF1参戦を検討し、誰もが無謀だと否定的な意見が集まる中で1964年からF1レースに実際に参戦し、本田が世界に羽ばたいていった起業家精神を彷彿とさせる。F1が本田の世界飛躍の第一歩となったことは間違いないだろう。果たしてNIOの飛躍はどこまで続くのだろうか。
さて、中国にはNIOの他にも数多くのEVメーカーが存在する。多くの中国スタートアップ企業が第2のテスラを目指し競争を繰り広げているお話は以前ご紹介した通りである。GloTechTrendsとしても今後の新しい自動車産業に大いに注目していく予定である。



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