【無人化の衝撃】ソフトバンクやDeNAが業務提携。無人バス仏の「Navya」と「Easymile」

印象的には、無人バス運転は、一般の自動運転車よりも技術的な障害は少ないように思える。決められたルートを走行するため、AIによるディープラーニング的な学習効果が抜群の威力を発揮しそうだ。

  • 無人バスの分野はフランスのスタートアップ2社「Navya」と「Easymile」が世界を牽引。

自動車の自動運転の分野では、GoogleやUberといった巨大資本を有する世界の強豪たちが、日々技術革新を遂げながら戦っている。それと同じくして、無人バスの分野も発展を遂げており、既に、アメリカ、フランス、オランダ、シンガポール、日本、ギリシャなど多くの国で、既に無人バスが道路(実験を含め)を走っている。

無人バス運転への取り組みは、ヨーロッパが一番早い。その中でもとりわけフランスの企業が最も情熱を持ってこの分野に取り組んでいる。ギリシャ、イギリス、日本、多くのバス会社が、フランス製のバスを活用している。今日は、無人バスの分野で有名な2つのフランスのスタートアップ企業を取り上げる。「Navya」と「Easymile」である。

 

  • 「Navya」は、日本ではソフトバンクをパートナーとして無人バスの運営を開始。

Navyaは、2014年に設立されたフランスのスタートアップ企業である。

フランスの大手運輸グループKeolisや、車部品メーカーValeoなどから

3400万USD(日本円で31億円)の資金調達をしている。 

Navyaを代表する無人バスは「ARMA」というブランドであり、現在このバスが、フランスの7つの街で、指定エリア内を走行している。2017年1月、ラスベガスでも走行を開始し、わずか460Mだけの走行距離であるが、無難に走行した。現在では、世界の5大陸において、合計45台のの無人バスが、走行しており、既に17万人の乗客を載せている。

日本でも、ソフトバンクをパートナーとして、2017年7月17日から23日までプリンス芝公園(東京都港区)で実証実験を行なわれていた。

navya arma unmanned bus japanphoto from:softbank group

15人乗りの小型のマイクロバスタイプであり、ハンドルはない。GPSによって位置を測位し、レーダーやカメラを用いて障害物を検知しながら事前に登録されたルートを走行する。車内にデジタル画面が設置されており、乗客はタッチパネルにタッチすることにより乗降りを伝達もできるようである。

完成形としては、車内に運転を制御する人員は配置されず、完全無人を実現するが、緊急の場合にはボタンを押すとセンターに駐在している職員と話ができるようになっている。緊急停止ボタンも設置されるなど安全面も考慮されている。

スピードは、設計上は時速45キロとされているが、各国における実証実験では、かなり遅く時速10キロ程度と設定されているようである。

 

  •  「Easymile」は、2016年7月から日本でDeNAと業務提携 イオンモール、田沢湖、金沢動物園などで既に走行。

DENA Easymilephoto from:robotstart

Easymileは、2014年に設立されたスタートアップであるがF1にも参戦していた自動車メーカーのリジェ(Ligier)が出資し、技術面でのサポートも行っている。

Easymile社を代表する無人バスは、「EZ10」というブランドであり現在多くの国からの受注を受け順調な滑り出しであるという。

こちらも、小型のマイクロバス形式で、最大12名(うち立ち乗り6名)という仕様だ。GPSによって場所を特定し、センサーで障害物を察知するという仕組みは、Navyaと同様である。

日本では、2016年7月にDeNAを業務提携を行い、翌8月に日本初の無人バスとしてイオンが管理している豊砂公園の敷地内において、イオンモール幕張新都心へ来客するお客さん向けに実証実験を行なった。その後も、DeNAと共同で、「Robot Shuttle」のブランドで、秋田県、田沢湖周辺や神奈川の金沢動物園内で実証実験を兼ねた試乗会が行われている。

 

  • 無人バスの実用化に向けて

現段階での無人バスは、 我々のイメージするようなレベルではなく、正直に話をすれば、未来の乗り物としての可能性を我々に示すエンターテイメント的な色合いが強い。

「Navya」と「Easymile」のフランス勢2社が世界を牽引している訳であるが、我々が実際の生活の中で使用できるレベルには到達していない。実用化されるまでは、まだまだ多くの問題を孕んでいる。

現段階では、「Navya」は、かなり広範な場所でしか停車できず、 「essymille」は、障害物のない広い道だけを走行し、複雑な道は走行できない。障害物を置くと緊急停止し立ち乗りしている乗客は転びそうになってしまったという実験報告もある。この両社への注文の多くが、公園や小さなエンターテイメント的な場所からの注文であり、バス会社からの発注はまだまだ少ないという点も納得感がある。

価格に関してであるが、販売とレンタルの両方のビジネスを行なっている。販売価格は1台22万〜24万ユーロ(日本円で2850万から3120万円程度)。レンタルのケースは9500ユーロ/月という。現時点では、レンタルでのニーズが多いようだ。

無人バスとして実用化されるまでには、まだまだ多くの問題を解決していく必要があるようだ。今後も注目していく分野であることには間違いない。