フェースリコグニション(顔認識)技術の最前線、ターミネーターの世界が既に現実にもとに!|megvii 

杭州のKFCでフェースリコグニション(顔認証)による注文システムが既に導入されたお話は以前取り上げた通り。鍵を握るフェースリコグニション(顔認証)では、北京に本社を構えるMegviiという企業がテクノロジーのバックボーンとなっていた。どうやら世界でダントツのフェースリコグニション(顔認証)技術を有しているようだ。

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  • CEOの印奇は、清華大学卒業のハーバード博士過程中退の秀才。Megviiを起業、いわゆる中国の「海亀(はいぐい)族」の典型だ。

megvii CEO YINQI

映画ターミネーターで、主人公が多くの群衆の中から顔認証で人物を瞬時に特定するシーンがある。このMegviiはそんなことを可能にしてしまう企業だ。顔認証の技術を手がける企業は世界中に多数存在するが、どうやらこの会社のテクノロジーが頭一つ抜け出た印象だ。

Megviiのテクノロジーに衝撃を受けたGlotechtrends(グローバルトレンド)としては、いち早くMegvii社についてレポートすることにしたい。

インターネット関係者なら誰もが知る北京郊外のIT新興企業地区中関村。この一角にMegvii社がオフィスを構える。最初に創業者である印奇(yinqi)の略歴について少し紹介したい。

2016年初頭にフォーブスが発表した30歳以下の世界リーダーランキングでテクノロジー部門で堂々の1位を獲得した現在28歳の清潔感あふれるハンサムな男である。

学歴は、高校2年の時に中国No1清華大学から飛び級での入学許可証を得た万人が認める天才である。もちろん入学試験免除、全学費免除の特別特待生入学だ。

卒業後、コロンビア大学で修士号を取得し、ハーバード博士課程に進学。ハーバード在籍2年でハーバードを中退し北京に戻り、清華大学時代の学友2人とともにMegviiを起業した。中国では、海外で優秀な学位を取得し中国に戻り活躍する人間たちを海帰(はいぐい)と呼んで、同じ発音の海亀をだぶらせ海亀(はいぐい族)という。印奇は、典型的な海亀族である。

 

  • Megviiは、顔認証技術のプラットホーム「Face++」を展開し、ディープラーニングを活用した人工知能テクノロジー企業

中国では、アリババの創業者ジャック・マーの代表的な思想の一つであるプラットホーム思想(「真の強者になりたければプラットホーム運営者となって、他者を幸福のためサポートしてあげなけらばならない。」)に触発され、誰もがプラットホームビジネスを行う傾向がある。

 

印奇が運営するMegviiも、その例にもれずフェースリコグニション(顔認証)、画像認証の分野でのプラットホームビジネスを展開する企業である。

Megviiには、現在数学オリンピックで金メダルを獲得した、いわゆる数学の天才たちが16名も在籍しトップレベルの技術開発力を持つ。

2011年10月に創業され、翌年2012年8月から顔認証のプラットホームである「 face++」のサービスを展開した。転機となったのは、 2015年3月にアリババとの提携を行い注目を集めたことにより業務が急成長を始める。

現在では、「Face++」のプラットホームから2000万以上のAPIを獲得し、全世界の5億台の端末からユーザーを獲得しているという。何らかの形で顔認証されたユーザー数は既に1億人を超え、6万人の開発者が登録され「Face++」のプラットホームと評価は、顔認証のテクノロジーでは、世界で圧倒的だという呼び声が日々高まっている。

 

  • フェースリコグニション(顔認証)技術を活用した事例

では、実際にどういったところでこの「Face++」の顔認証技術は活用されているのであろうか。

1)クラウドサービスの分野では、例えば滴滴出行のドライバーに対して、実乗客がサービスを利用した時に、実際に登録されている運転手が本当に運転しているかを顔認証で瞬時に照合できるという。乗客の安全性の確保に役立っているわけである。

2)Fintech分野では、アントフィナンシャルの他、中信銀行、平安銀行などの多くの金融機関が、ネットバンキングサービスを提供している。このための個人認証のための安全な手段として「Face++」が活用されている。

3) 防犯の分野では、中国の公安と協力し公共の安全対策をサポートしているという。現在、中国の20省で活用され犯罪者の確保にも利用されている。合わせて各企業の防犯システムにも応用されている。

face++ criminal face reconigtion

4)顔認証技術を活用して会議や展示会の参加者の把握などにも活用されている。

face++ face recongnition

大きなクライアントとしては、民間企業ではアリババ、アントフィナンシャル、中信集団、中国電信など大手も参加している。中国公安などの中国の行政機関などもこの技術を活用しているという。「Face++」のプラットホームに参加し、圧倒的な技術力で、顔認証の分野を席巻しますますマーケットシェアを拡大している。いずれせよ、アリペイと連携を行なっており普及は加速度的に進む可能性が高い。

 

  • アリババのジャック・マーとの出会いが印奇を変えた

アリババの創業者ジャック・マーは、かなり早い段階で顔認証の分野で異彩を放つ印奇に注目していたという。2015年3月にハノーバーで開かれたIT博覧会で、メルケル首相も参列する中で、アリババは将来はID不要、スマホ不要の顔認証による決済(「空付」)が可能となるだろうというスピーチを行なって皆を驚かせたわけであるが、実はこれもジャック・マーが印奇との面談の中で、この技術が近い将来に実現するであろう確信を既に有していたからだと言われている。

facial-recognition-alibaba Jack ma

Megviiは、現在は「Face++」というサービスで顔認証に特化しているが、合わせて画像認証技術でも競争力を有している。将来は、顔だけでなく、物を認証し特定するサービス「Imege++」も検討中である。

参考記事:杭州のKFCが世界初の顔認証キャッシュレス支払を導入。「顔パスペイメント」が普及していくのか?|杭州

印奇の最終的な目的は、カメラやセンサーといった顔や物を認証するだけでなく、人々の感情といった物まで感じ取ることが可能なサービスをイメージしているようである。これを彼らは「Video++」と呼んで、開発の最終目的にしているようであるが、この分野まで彼の話を理解をするのは大変難しく、ターミネーターの世界をも凌駕しており、現段階でなかなかイメージが湧きにくい。

Glotechtrend(グローバルテクノジートレンド)としては、今後も世間を驚かせるユニークなスタートアップ企業の情報をみなさまにお届けするつもりである。