中国平安保険の副社長が世界第6位のフィンテック企業「Lufax(陸金所)」の上場示唆。推定時価総額2兆円規模の巨大ユニコーンが登場!?

11/21日香港経済日報で平安保険の副社長がKPMG2017年世界フィンテックランキング6位かつ中国ユニコーンランキング6位の「Lufax」(陸金所)について上場計画を語った。推定される時価総額2兆円超の規模の大型総合フィンテック企業が来年以降に上場することが濃厚である。

 

「Lufax」(陸金所)とは上海を拠点とする総合フィンテックサービスを展開する中国企業

Lufaxという企業をご存知だろうか。正式名称は「Shanghai Lujiazui International Financial Asset Exchange Co., Ltd」略して「Lufax」である。平安保険集団のグループ企業であり平安保険が43%の株式を保有している。先日発表された2017年度のKPMGの世界フィンテックランキングでも6位にランキングされる注目企業である。

参考記事:KPMGが「世界を牽引するフィンテックTOP100」を発表(2017年度版) トップ3を中国勢が独占!日本勢はマネーツリー株式会社が87位に唯一ランクイン

photo from:financial time

11月21日の香港経済日報は、中国平安保険の副社長兼最高経営情報管理部長である陳心颖のインタビュー記事を掲載し、Lufaxを中国平安保険集団から分離して単独上場させる計画を明らかにした。既にLufaxの時価総額を巡っては2兆円規模とも噂されており、上場後の株価の動向が楽しみである。親会社の副社長が上場計画に言及したことで上場期待がさらに加速することになりそうだ。ちなみに中国平安保険は香港市場に上場する中国の四大保険会社の一つである。

以下にLufaxについて少し考察しておきたい。

pingan stock chart中国平安保険:株価チャート(photo from: yahoo finance)

 

Lufaxは2011年にP2Pレンディングサービスから業務をスタート

Lufaxは2011年に設立されたフィンテック企業であるが、もともとのメインビジネスはP2Pを活用したレンディングプラットホームである。現在でもP2Pレンディングにおいて中国第2位の地位を占めているが、2016年3月に12.16億USD(1300億円超)に及ぶ巨額の資金調達に成功してから、Lufaxは総合フィンテック企業へと業態変更し業務を拡大している。

現在提供する主な金融商品は、流動性預金、定期預金、P2P、投資信託、保険など多岐に及び総合フィンテック企業となっている。

財務的な数値を簡単に確認しておきたい。

2016年度の財務諸表によれば(2016年12月末決算)通期の取引総額は1兆5351億元で前年同期比137.5%増となっている。1.06億元の純損失を計上しているものの2015年度の純損失251.88億元と比較すると好転していることが確認できる。

さらに、2017年度上期(1-6月)の中間決算では15.55億USDドルの純利益を達成し黒字化に成功したことが報告されている。同時に発表された2018年の利益予想でも純利益は35.44億USDドルに拡大すると予想され、市場ではLufaxが収益を生み出すビジネス段階に突入したと受け止められている。(*単位はUSDに変更)

また、2017年9月末におけるアクティブユーザー数は3236万人(昨年比14.02%増)であり、預かり総資産は4762億元規模(日本円で約8兆円)となっている。

 

Lufaxはユーザー本位の長期的かつ安定性を重視した金融商品を提供する

Lufaxの主力商品の年間利回りは7%前後であるという。実は7%という運用利回りは中国の競合する金融機関と比較すると注目に値するべき数字ではない。むしろ業界の平均値を下回っているとも言えるが、これはLufaxが徹底的にリスクコントロールを重要視し他社と比較して安全性を重視した商品設計をしているからだと言われている。

このところアメリカに上場した中国フィンテック消費者金融企業を中心にP2Pレンディング業者(消費者金融)に対して風当たりが強まっているが、Lufaxは中国政府の規制強化の流れにいち早く対応して11月22日から公式HPでユーザーの金利負担の少ない新しいP2P商品の提供を開始している。ユーザーが1万元を借りた場合に1日に発生する金利は2.5元であり、最大50万元まで融資するという。年利換算9%でローンできるとしており、中国の消費者金融の上限金利である年間36%を随分下回る商品設計を実現している。もちろん、複利計算や金利以外の手数料や繰り上げ返済時の違約金条項など留意するべき点はあるが、従来のP2Pレンディング商品と比較して低金利でレンディングを行える仕組みを提供するようである。

参考記事:アメリカ上場の消費者金融系中国フィンテック企業に激震! 中国政府による新たな規制が導入。株価は全面的に大暴落!

 

2017年7月シンガポールでも金融業ライセンスを取得しアジア展開を加速!

2017年1月にシンガポールで子会社である陸国際(ルーゴーチー)を設立し、シンガポールでの金融業ライセンスを申請していたが、2017年7月17日に正式にシンガポール金融管理局(MAS)から金融業ライセンスが発行されている。Lufaxは既にシンガポールで金融業の展開を行なっている。

シンガポールの金融機関は、富裕層向けのサービスを提供する銀行が多いが、その多くは預入資産により提供されるサービスが異なることが多い。シンガポールでは富裕層が優遇される金融システムになっている。

Luafxは、そこに目をつけシンガポールで従来は優良顧客とされてこなかった1万USDから数十万USD程度の顧客層をターゲットとして、オンラインプラットホームを通じて金融のフルサービスを展開している。

口座開設などの手続き的な問題も、遠隔地のユーザーに対してオンラインでの顔認証やID確認手続きを提供して、オンラインで口座管理できる仕組みを提供している。今後は、中国国内だけでなくアジアを重要戦略地域と捉え業務を拡大していくようである。

以上のように、Lufaxはプラットホームを通じて幅広い総合的フィンテックサービスを展開する企業である。P2Pレンディングから業務をスタートし、業務を拡大し総合フィンテック企業として成長するプロセスは大変興味深い事例といえるだろう。