10/17に京東も「無人コンビニ」参入、主流のRFIDタグから「画像認証」+「重量認証」へのトレンドシフトの兆候か?

最近では無人配達で知名度が増している京東(ジンドン)が、無人コンビニ業界へ参入した。テクノロジー開発を担当するのは、完全無人配達事業を手掛けるテクノロジー中枢「京東X事業部」である。無人コンビニがまた一歩進化しそうな予感だ。

 

「京東無人コンビニ」10/17北京にある本社敷地内にオープン 

数ヶ月前は無人コンビニが開業したという話題だけで世間が賑わっていた。しかし、数ヶ月経過した現在では、既に無人コンビニ実現は当たり前で、話題の中心はどのようなテクノロジーで無人コンビニを実現したかへとシフトしている。テクノロジーの進化サイクルは本当に早くなった。

10/17日に開催された「好物祭発表会」で京東(JingDong, Nasdaq上場)は、無人コンビニである「京東無人コンビニ」と無人スーパーマーケットである「京東X無人超市」という二つのブランドで無人化小売業への参入を発表した。テクノロジー開発は完全無人物流センターやドローン無人配達の開発を手がけた京東グループのテクノロジーの中枢企業「京東X事業部」が担当するという。

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従来型のRFIDタグとAmazon GO型の画像認証+重量認証をミックス RFIDタグは1枚1角(1.7円)まで低下

現在無人コンビニは「BINGO BOX」や「WELL GO」と言ったRFIDタグを活用して、商品情報、価格情報を認識するのが主流である。ところが、このRFIDタグは、水漏れに弱い、金属に弱い、熱に弱い、コスト負担などの問題点が指摘されており、「Amazon GO」や「タオカフェ」や「Take GO」のようなRFID不要でセンサーで画像認証したり、重量認証することによって決済機能と関係づけるような未来型の無人コンビニへの期待が高まってきている。

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RFIDタグに関しては、価格こそ1枚1角(1.7円程度)までに廉価し数ヶ月前は、大歓迎で無人コンビニ業界が活用したが、水、金属、熱への対応が急がれている状況である。

 

「京東X事業部」の無人コンビニは、RFIDタグと画像認証、重量認証のミックスした未来へ進む過渡期的コンビニか?

商品SKUは280種類程度、広さは60平米程度というのが基本コンセプト。60平米の広さがあれば、現在中国でもっとも一般的に展開しているRFID型無人コンビニ「BINGO BOX」や「WELL GO」といった無人コンビニよりも大型である。センサーの探知能力の向上により一度に収容可能な人数も増加し店舗も大型化されたというわけである。

jingdong x supermarkt

初回に、”京東ME”という専用アプリをダウンロードし、顔認証を登録し京東PAY(京東が運営する電子決済)とリンクさせる必要がある。

jingdong unmanned convenient store

京東の手掛ける無人コンビニの基本コンセプトは、商品を陳列するスマートシェル、スマートセンサー、スマート決済、スマート広告ボードの4つのモデュールから構成される組立式コンビニである。オーナー、設置場所、投資額などに応じて必要な部分だけを無人化することも可能だという。

基本的なコンセプトとしては、顔認証で入店し、画像認証と重量認証の技術を活用しAmazon Goのような「入店して商品を選んで退店するだけ」という仕組みを実現している。しかし、画像認証や重量認証だけでは、まだ正確に商品や値段を把握できない部分に関しては、補足的にRFIDタグを活用して、ユーザーが選択した商品の確定及び決済のプロセスの精度を高めている。

双方のシステムを並行して活用しながら、画像認証や重量認証の技術が成熟するのを待ち、将来的にはRFIDタグのウェイトを低下していくという流れになると推測される。

1)スマート棚

スマートカメラ画像センサーが配置されユーザーが取り出した商品を特定する。同時に重さを測る重量センサーも設置されており、商品ごとに記録された重量を元にどの商品が取り出されたのかを特定する。双方のセンサーによるダブルチェック体制で、ユーザーが選択した商品の特定率を高める。smart shelf

 

2)スマート決済システム

ユーザーが決済を確定するポイントには、4つのカメラとセンサーが配置され、画像認識を通じて商品数や価格を確認することができる。また新品システムを導入するとコスト高になるため、従来活用していたレジを改造することでコストを新品導入の1割程度に低減できるという。RFIDタグを用いた商品の認識も可能。

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3) スマートカメラ

店内にスマートカメラを配備し、商品の陳列状態を随時確認して、運営者に店内の状況を報告する。スマートカメラを通じて、顧客の店内での動き、流れ方、手に取られやす商品情報などを分析し、ユーザーの行動や好みを年齢別、性別などを分析し、科学的に効率の良い商品陳列構成を導き出し、店の売上向上に貢献する。

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4) スマート広告

ユーザーが店内に入店した時点で、京東のAIシステムはビッグデータに紐づけられたそのユーザーの嗜好を把握しているため、広告ボードに効率の良い広告発信が可能となる。運営者側もスマート広告ボードに、商品の広告を提示することで、ブランド側から広告収入を獲得でき補助的な収益基盤を生み出す。

無人コンビニ業界の行方

Amazon Goのような「入店して商品を選んで持ち去るだけ」という無人コンビニはまだ実現していない。「タオカフェ」や「Take Go」という未来型の無人コンビニ競争の中に、京東が参入したことで、中国の無人コンビニ競争がまた激化することは間違いない。

少なくとも京東の参入により、従来のRFIDタグを主流とする「BINGO BOX」「WELL GO」と言った無人コンビニが、トレンド的には、古めかしいイメージになってしまうのは間違いなさそうである。

さて、未来のコンビニはどんな姿になるのだろうか?

画像認証がだんだん一般化する中で、肉まんや関東煮(おでん)という、個体ごとに形が秒妙に違う商品を如何に正確に認証することはできるのだろうか?実は、この分野にも研究を注いでいる企業が存在するようだ。次回はこのお話をお届けしたいと思う。