2018年は小売のあり方が大きく変わる一年に!?京東が「7Fresh」を北京に開業しニューリテール(新しい小売)に参入!

1月4日、京東がニューリテール戦略を展開する「7Fresh」を北京に正式オープン。これで、アリババ、テンセント、京東がニューリテール戦略分野で激突することになった。2018年はニューリテール戦略の爆発的普及で小売業の根本が大きく変わる!?

ニューリテール分野での競争激化、アリババ、テンセントに加え、京東も参入!

2017年は、アリババの「盒馬生」(ファーマーションシェン)の大成功に象徴されるように「ニューリテール戦略」(新しい小売)のコンセプトが注目された一年となった。2017年は、ニューリテール(新しい小売)元年と位置付けて良いだろう。

さて、年が変わった2018年であるが早速京東がニューリテール分野への進出を発表し幕を開けた。京東は、北京に生鮮食品を中心としたO2O型店舗である「7Fresh」を開業し今後も出店を加速するという。12/13日にテンセントが永辉超市の株式を取得しニューリテール参入を表明したニュースと合わせて、今回の京東の参入によりアリババ、テンセントなどの中国IT巨人達が続々とニューリテール分野で競争を激化することが決定的となった。

【参考記事】:ニューリテール分野(新しい小売)でもテンセントとアリババの激突!?テンセントも小売業界大手の永辉超市の株式取得へ

1月4日、京東が「7Fresh」ニューリテール戦略(新しい小売)の第一号店を北京にオープン

京東が運営するニューリテール店舗である「7Fresh」の一号店は、北京に開業し延べ床面積は4000平米を超える規模となった。アリババのニューリテール戦略店舗である「盒馬生」(ファーマーションシェン)と類似したコンセプトを導入し、O2Oを前面に打ち出した戦略である。また、店舗の半径3キロ以内のエリアであれば、早ければ30分以内に配送が可能という点も類似している。オンラインとオフラインの境界を限りなく低くするという戦略は、京東の内部では无界零售(無界小売)と名付けられ、オンラインとオフラインの境界の無い小売という意味を表している。

新鮮な食品を販売することを売りにする7Fresh一号店では、日本でも馴染みのマグロ解体ショーや、板前さんがその場で寿司を握ったりするなどして人々の人気を博しているという。

昨年の12/29日から6日間に渡り行われた「7Fresh」のテスト運営のデータ(京東公表)によれば、最初の3日間で平均来客数は一万人/日を記録、平米あたり売上は伝統的なスーパーマーケットと比較して5倍を記録したという。開業にあたり、店舗近隣の住民属性を京東が保有するビッグデータにより徹底的に分析し、しかも倉庫を保有せず効率的なサプライチェーンにより必要商品だけ棚に効率的に陳列するシステムを採用している。ビッグデータによる住民属性の解析戦略は、アリババの「盒馬生」(ファーマーションシェン)のビジネスモデルを徹底的に研究した成果とも言えるが、結果として棚に陳列された商品在庫回転日数は平均4日間という驚異的な効率性を記録しているという。

京東は、今後の3から5年間でニューリテール戦略の中核店舗とする「7Fresh」を全国で1000店運営する予定だという。

「7Fresh」が試みるスーパーのスマート化

京東が展開する「7Fresh」は、アリババが運営する「盒馬生」(ファーマーションシェン)のコンセプトと類似している部分が多いが、いくつかの点で、店舗のスマート化という点で面白い試みが行われている。以下に特徴的な新しい試みを記載しておきたい。

1、スマートショッピングカート

ユーザーは7Freshの店舗を活用するにあたり、最初に専用アプリをダウンロードすることになる。このアプリを活用して、店内のショッピングカートのQRコードをスキャンすると、そのカートが自動的にユーザーをフォローする自動運転の買い物カゴとなる。物流のハイテク化に優位性のある京東らしい取り組みであると言えよう。

ユーザーはショッピングカートを手で押す必要はなく、スマート化されたショッピングカートがユーザーをフォローする仕組みである。もちろん、人に接触しそうになれば、自動的に停止するという優れものである。買い物が終了し決済の段階では、ショッピングカートだけが支払いの列に並び、ユーザーは30分後にサービスカウンターで商品を受け取ることが出来る。もちろん、宅配を選択すれば店舗側が自宅までデリバリーしてくれることも可能だという。

2、スマートミラー

現段階では、一部の商品に導入され実験的に運用されている機能であるが、スマートミラーがその商品の流通情報や商品の詳細な説明を映し出してくれる。例えば、陳列されたフルーツのQRコードをスキャンすると、スマートミラーによって、そのフルーツの原産地、生産業者からの流通プロセスや、糖度などの商品詳細表示を行ってくれるという。

3、ペイメント

支払いでは、現金に加え、WeChatPay、クレジットカードなど多岐にわたる決済をサポートしている。顔認証による自払登録も可能である。

ニューリテール戦略による小売業における大革命の可能性

ニューリテール戦略というコンセプトが誕生してから一年が経過しようとしている。

1年という非常に短い期間であるが、ニューリテール戦略のインパクトの大きさが世間に認知されつつある。

伝統的に小売業において、商品、場所、お客さんが重要な3大要素だと言われている。従来の伝統的な小売業のあり方というのは、商品→場所→お客さんというフローでビジネスが行われていた。つまり、最初に売り手が商品を生産、製造、開発し、次に販売するスペースにその商品を配置する、そしてお客さんがその場所に集まるという流れである。オフラインの世界からオンラインの世界へと変化したEコマース革命においても、基本的にこの流れは変わることはなかった。

しかし、ニューリテール戦略の誕生で、この順序が変わろうとしているのである。

ニューリテールの世界では、最初にお客さんのニーズを徹底的にビッグデータで解析するところからスタートする。そのニーズにあった商品のみが選択され、選択された商品が必要な数だけ店舗に配置される結果、極めて効率的な店舗運営が可能となるのである。最初に、お客さんのニーズが徹底的に分析されることで、より細かいカスタマイズに対応できる仕組みが構築されつつあるのである。すなわち、お客さん→商品→場所というフローであり、大量生産で均一的な商品を供給するのではなく、よりお客さんの意向に即した細かなカスタマイズを行う生産体制も求められることとなる。

ニューリテール戦略の存在感が日増しに高まっている理由は、伝統的な小売業のフローのあり方が大きく変わる可能性をだんだん人々が理解してきたからに他ならない。だからこそ、アリババ、テンセント、京東という中国IT企業の巨人達がこぞってこの分野に参入しているのである。

GltoechTrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、小売のあり方を大きく変える可能性を秘めたニューリテール戦略の新しい展開を今後も注目し追いかけていくつもりである。