インドネシアのユニコーン「Traveloka(トラベロカ)」とマレーシアのAirAsia(エアーアジア)が旅行プラットフォーム分野で激突?

4/12、インドネシアのユニコーンであるTraveloka(トラベロカ)は、シンガポール政府投資公社(GIC)をリードキャピタルとして4億2000万ドル(日本円で470億円程度)の資金調達に成功し、インドネシア証券取引所(IDX)への株式公開が現実味を帯びてきた。その一方で、マレーシアのエアーアジアは、Traveloka(トラベロカ)との業務提携を解消し、自らOTA(Online Travel Agent)市場に参入し、競争激化である。

 

Traveloka(トラベロカ)は、東南アジア最大の宿泊予約サイトを運営!

Traveloka(トラベロカ)は、2012年にインドネシアのジャカルタで設立された東南アジア最大のOTA(Online Travel Agent)である。楽天トラベルのようなインターネット上の旅行代理店を運営し、GO-JEK(ゴジェック)、Tokopedia(トコペディア)、Bukalapak(ブカラパック)とともに、インドネシアに存在する4つのユニコーン企業の一角に数え上げられる。

参考記事:インドネシアのユニコーン

CBInsightが最新ユニコーンリスト(2019)を発表!米中貿易戦争の中で中国のユニコーンシェア率は減少へ!

Traveloka(トラベロカ)は、2012年にアメリカ帰りの三人のインドネシア人によって共同創設された。CEOであるFerry Unardi (フェリーウナルダイ)は、Facebookのマークザッカーバーグ、Microsoftのビルゲイツなどと同様にハーバード大学中退という異色の経歴を有する。優秀な起業家に、名門校を中退する人物が多いという法則は、今や世界中で当てはまる法則なのかもしれない。

現在、Traveloka(トラベロカ)は、本国であるインドネシアの他に、タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポール、フィリピンなど、東南アジア6カ国に進出しており、総合的なオンライン旅行サービスを提供している。2019年2月には7カ国目として初の東南アジア以外の地区となるオーストラリアにも進出を果たしている。

研究開発(R&D)センターとしては、シンガポールのメイン研究所に続き、2019年1月にインドのバンガロールに新研究開発施設を開設し、グローバル企業として、優秀なエンジニア獲得にも成功している企業である。

 

Traveloka(トラベロカ)が、提携先であるマレーシアのAirAsia(エアーアジア)と提携解消!

さて、東南アジア市場において圧倒的な人気を誇るTraveloka(トラベロカ)であるが、3/4に気になるニュースを発表した。

Traveloka(トラベロカ)の重要な提携航空会社の一つであるAirAsia(エアーアジア)と提携関係を解消したのである。AirAsia(エアーアジア)と言えば、LCC市場を東南アジアに拡大した有名航空会社であり、今も東南アジアの旅行産業に強大な影響力を有している。CEOであるトニー・フェルナンデスの知名度も高く、2016年にはEY(アーンスト&ヤング)が選定する「アジアの最優秀起業家賞」を受賞するほどの人物である。

解消の理由は、AirAsia(エアーアジア)側がTraveloka(トラベロカ)が提供するサービスに対して不満を持っていたとされ、AirAsia(エアーアジア)が公表したリリースによれば、Traveloka(トラベロカ)のサイトで、エアアジアの航空券が表示されない現象が短期間で2度発生していたという。AirAsia(エアーアジア)側は、AirAsia(エアーアジア)の航空券に対して問い合わせたユーザーに対して、AirAsia(エアーアジア)以外の他社の航空券を斡旋する事実も確認できたとしている。

実は、AirAsia(エアーアジア)は、兼ねてより東南アジア市場における、OTA(宿泊予約サイト)事業に強い関心をもっており、今回のTraveloka(トラベロカ)との提携解消の真意としては、自社ベースでのOTA(宿泊予約サイト)に取り組むようである。

 

AirAsia(エアーアジア)もOTA(宿泊予約サイト)業務に本格的に参入か?

4/3、AirAsia(エアーアジア)は、解消からわずか1ヶ月程度で独自のOTA(宿泊予約サイト)を既にオープンさせている。AirAsiaグループのCEOであるトニー・フェルナンデスは、自身のTwitterで、「AirAsia(エアーアジア)は長年にわたりLCCを運営してきた実績により、その蓄積されたリソースと顧客データは、決してTraveloka(トラベロカ)や他のASEAN諸国のOTAプラットフォームよりも可能性がある。」とつぶやいている。

さて、AirAsia(エアーアジア)とTraveloka(トラベロカ)時価総額を比較して見たい。

AirAsia(エアーアジア)は、既にBrusa市場(マレーシア)に上場されており、現在(4/15)の時価総額は、83.22億リンギット(日本円で2270億円)となっている。それに対し、Traveloka(トラベロカ)は、まだ非上場であるがその評価額は、40億USD(日本円で約4500億円)とされ、Traveloka(トラベロカ)がAirAsia(エアーアジア)の2倍程度の時価総額として評価されていることとなる。

AirAsia(エアーアジア)からすれば、東南アジア市場において数多くの飛行機を保有し、長い歳月を費やし人々に旅行を身近なものにしたという実績と自負がある。この状況は、AirAsia(エアーアジア)のCEOであるトニー・フェルナンデスにとっても決して満足できるものではなく、AirAsia(エアーアジア)がTraveloka(トラベロカ)が得意とするOTA事業に参入することは、ごく自然な流れなのかもしれない。

AirAsia(エアーアジア)は、既に旅行産業に関連する大量のデータを保有しており、もしデータ・駆動型のビジネスモデルを採用すれば、独自の新しいビジネスモデルを生み出すポテンシャルを有している。トニー・フェルナンデスは、AirAsia(エアーアジア)の自社サイトでAirAsia(エアーアジア)以外の航空券も販売することを既に示唆しており、AirAsia(エアーアジア)が、どのような新しいビジネスモデルを展開するのか非常に興味深いテーマとなりそうである。

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