アントフィナンシャルのインドネシア展開!3月21日EMTEKと共同でDANA(インドネシア版アリペイ)を正式オープン

3月21日アントフィナンシャルはインドネシア第2のメディア企業Emtekと共同で「DANA」(インドネシア版アリペイ)をリリースした。アリペイとそっくりなインターフェース!果たして中国フィンテックが今後東南アジアで認められ普及して行くのか?

インドネシアは世界4位のスマホユーザーを誇る魅力的市場

インドネシアはつい最近スマートフォンの月間アクティブユーザー数が1億人の大台を突破し、中国、インド、アメリカについで世界4位のスマホユーザー人口を誇る魅力的なスマホ市場に成長してきている。

参考データ:Chart By Tech in Asia /Data by Emarketer

また、インドネシア人は国民の気質としてソーシャルネットワークの活用を好むことがよく知られている。例えば、2018年1月時点のFacebookユーザー数の統計では、1位インド、2位アメリカについで、ブラジルとインドネシアが同率3位で並び1億3000万人のユーザー数を誇っている。人口のおよそ半分がFacebookを活用しているという驚異的な数字になる。同様にTwitterユーザー数も2017年ベースのユーザー数で世界第5位を誇ると報告されている。

出典元チャートとデータ:Statistaより

さて、こうした魅力的な市場において、アントフィナンシャルは早い段階で進出を決定し2017年4月にはパートナーとしてインドネシアのメディア企業である「EMTEK Group」を選定している。「EMTEK Group」とはもともとアリババとも提携関係にあるインドネシア第2位のメディア企業であり、相乗効果を狙いアントフィナンシャルも「EMTEK Group」と共同でアリペイを普及させる業務提携をしていた。当初の計画では、2017年度中にインドネシア版アリペイがリリースされると噂されていたが、はれて2018年3月21日に正式ローンチとなった。

アントフィナンシャルの海外進出。鍵を握るは電子決済ライセンス取得

今回アントフィナンシャルがどうやってインドネシアでの電子決済ライセンスを取得したのか少し触れておきたい。先日、アントフィナンシャル日本進出延期の話題が日本経済新聞で掲載されたが、外資企業が海外進出し独自に決済業務を行う際の、最大の難関はいかに外国資本の企業が電子決済業務のライセンスを取得するかである。とりわけ東南アジア諸国には、数多くの厳しい外国資本規制がある。

参考記事:アントフィナンシャルによる日本人向けアリペイ決済日本進出延期について

さて、今回のケースにおいてアントフィナンシャルがどうやってインドネシアで電子決済業務ライセンスを取得したのであろうか?どうやら、独自にEMTEKと共同で電子決済業務ライセンスを申請したのではなく、EMTEK単体で電子決済業務のライセンスを保有するPT Espay Debit Indonesia Koe(Espay)とDOKUというローカル企業を力技で買収し、その後共同会社にライセンスを移管するという形で電子決済ライセンスを取得したようである。

アントフィナンシャルが表に出ることはなく、一旦ローカルのインドネシア企業であるEMTEKがインドネシア企業を買収する形でライセンスを取得し、表面上はローカル企業同士の買収という形でライセンスを取得し、その後にアントフィナンシャルとEMTEK が共同で行う電子決済であるDANAへとライセンスが移管されたようである。いずれにせよ、インドネシアの金融当局のバックアップがなければなかなか困難なライセンス取得であろう。

アントフィナンシャルは、様々な国で事業展開してきた経験から外資企業がローカルでライセンスを取得することの困難さを重々承知していると言われている。ライセンス取得の問題はなるべくローカル企業に任せ、アントフィナンシャルはバックアップ支援だけという姿勢を出すことで現地のライセンス取得を速やかに行なっているものと推測される。

DANAのインターフェースは、まさに中国本家のアリペイそのもの!?

さて、ローンチしたばかりのDANAのウェブサイトを見てみるとインターフェースの作りとしては、まさにアントフィナンシャルが提供するアリペイとそっくりの作り込みになっている。スカイブルーを基調としたカラーリングまでそっくりである。

アントフィナンシャルが技術的なサポートに深く関与していることが容易に理解できる。現段階では、Eウォレットでの支払いや、公共料金の支払い、社会保険の支払いに対応しているという。「EMTEK Group」が大株主であるインドネシアのEコマースサイト「Bukalapak」やチケット予約プラットホーム「Tix」などをDANAのプラットホームに加えることによって、ユーザーの利便性を高めユーザー数を増大して行く計画だという。Eコマースやチケット販売などのライフスタイルアプリをDANAのプラットホームに盛り込み、相乗効果を狙う仕組みもまさに元祖中国アリペイのビジネスモデルそのままである。

Bukalapak   

インドネシアにおいてDANAのサービスがローンチしたことは、中国で成功したアリペイビジネスモデルが東南アジアで受け入れられるかどうかの重要な試金石となるだろう。DANAは名前こそアリペイと異なるが一心同体とみて良いだろう。

GltoechTrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、アントフィナンシャルのグローバル展開には最大の関心を持って今度の展開を見守っていくつもりである。