中国の人工知能関連の最大手「iFLYTEK(科大訊飛)」で同時通訳技術の虚偽疑惑?

中国大手人工知能関連iFLYTEKの株価は昨年11月に47.45元の高値をつけたが、現在(10/17)は21.0元と低迷している。人工知能を活用した音声認証分野に強く中国版Siriとして注目を集める企業だ。その音声認証技術に疑惑の声が上がっている。

 

人工知能による同時通訳でなく、実は人為的な作業だった?

9/21に開催された2018年IEID会議(Innovation and Emerging Industries Developments 2018) での講演者スピーチにおいて、iFLYTEKが開発した人工知能を活用した音声認証技術による同時通訳が活用された。人工知能を活用し見事な同時通訳が会場の巨大スクリーンに映し出され、円滑な意思疎通がおこなわれ国際会議は見事に成功したかに見えた。

しかし、同時通訳に関与したスタッフによると実際に活用されたのは人為的に同時翻訳された中国語文章を人工知能が読み取り大型スクリーンに映し出していただけというのである。つまり、人工知能は既に人為的に翻訳された中国語を読み取りスクリーンに投影しただけにすぎず、これでは同時通訳とはほぼ関係の無い技術と指摘されても仕方がない。これが事実であるなら、iFLYTEKがアピールしてきた人工知能技術を活用した同時通訳技術に重大な疑念が生じることになりそうだ。

あまりに完璧すぎる同時通訳に端を発したこのニュースは、大きな疑惑を生み中国メディアでも今回の同時通訳は「虚偽」であると指摘されるに至った。9/25にはiFLYTEKは本件において積極的な詐欺はないと返答をしているものの人工知能を活用した音声認証技術の進化に期待を抱いていた人々をがっかりさせる結果となってしまった。

ちなみに、半年ほど前に別の会議に導入されたテンセントが提供する音声認証技術では、人工知能翻訳の失敗が続出し会場から失笑が巻き起こっている。だが、人工知能に関連する人ならば、音声認証がまだ発展途上技術であることは周知の事実であり、温かくその発展を見守る準備がある。iFLYTEKも実力を敢えて誇張する必要もなかったのかもしれない。

参考記事:テンセントの同時通訳

テンセントのAI同時通訳機が中国の最重要国際会議(ボアオ)に登場!暖かい失笑が会場を包む!

 

iFLYTEKの事業内容と株価動向について確認しておきたい

iFLYTEKは、1999年に劉慶峰氏が安徽省合肥に設立した企業である。CEOである劉慶峰氏は「将来は人工知能が水や電気のような生活インフラになるだろう」として、音声認識、画像認識、読解認識などディープラーニングを活用した人工知能の研究に取り組んでいた人物である。既に2008年に深セン証券市場に株式上場も果たしており、人工知能に対する期待の高まりと同時に、ますます注目度を高めている企業なのである。

昨年11月には、中国科学技术部(技術部)が公表した第1次次世代人工知能のプラットホーム発展計画において、医療(テンセント)、スマートシティ(アリババ)、自動運転(百度)のBATとともに、人工知能による音声認識分野のプラットフォーム分野を担当することを任されている。

参考記事:

中国科学技術部が次世代4大人工知能プラットフォーム発展計画を策定、その一翼を担うアイフライテック(科大訊飛/iFLYTEK)とは!

 

最近の人工知能関連株は人工知能バブル崩壊の兆し?

第1次次世代人工知能のプラットフォーム発展計画の発表を機に、iFLYTEKの株価は2017/11/22日には47.45元まで高騰したが、今年に入り低迷し現在(10/17)では21元と半分以下にまで下落している。

参考:IFLYTEK株価指数

実は、中国のテクノロジー関連株式の下落はiFLYTEKに限らず多くの企業で、同様の下落トレンドとなっており、指数を見ても既に市場崩壊(クラッシュ)の様相を呈している。年末から来年にかけてもう一波乱ありそうな様相だ。

参考:上海総合株価指数(ついに2500ポイント割れ)

かつて、2000年ごろを中心にアメリカを中心にして、世界中でインターネットバブル(Dot-Com.Bubble)という現象が起こった。インターネット関連を標榜するだけで、投資家から大量の資金が集まり、株式公開時には説明つかないほどのバリュエーションで公開価格が決定された。そのインターネットバブルも、長くは続かず最終的に悲劇的なクラッシュを巻き起こたことは記憶に新しい。もちろん、市場崩壊の中からAmazonやなどの本物企業が登場したのもまた真実である。

どうやら、中国の人工知能関連の熱狂は過ぎさってしまったようだ。人工知能を標榜するだけで注目される時代は終わり、これからは本当の実力が試されることになりそうだ。

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