中国科学技術部が次世代4大人工知能プラットホーム発展計画を策定、その一翼を担うアイフライテック(科大訊飛/iFLYTEK)とは!

11/15日中国科学技術部は、次世代の人工知能4大プラットホーム計画を発表した。医療分野のテンセント、スマートシティーのアリババ、自動運転の百度が担当するが音声認識の分野ではアイフライテックという企業が担うこととなった。アイフライテックの注目度が高まっている。

 

 第1次新世代人工知能のプラットホーム発展計画とは?

中国科学技术部(技術部)が11月15日に第1次次世代人工知能のプラットホーム発展計画と重大科学プロジェクトをスタートし、次世代AI発展計画推進弁公室を設立した。

人工知能の分野で、中国政府が主導する形で4つのプラットホームを定め、合わせて分野ごとにリード企業を中国政府が選定する戦略を取るという。

医療分野ではテンセント、スマートシティー分野ではアリババ、自動車の自動運転分野では百度といった具合に、BATが3つの分野を一つずつ分け合い。BATの三強に加えて、音声認識分野をアイフライテック(科大訊飛/iFLYTEK)が担当することとなった。

最も、こうした人工知能の重要分野のプラットホームの住み分けを中国政府が決定するのは表面的だという意見も多く疑問視する声も多い。結局のところ、アリババやテンセントは政府が分野を指定しようが全領域においてAI分野において研究を継続するであろうし、最終的には自由競争で進められていくだろうという見方が大変を占めている。中国における人工知能分野の住み分けは今後の展開を見守るしかない。

さて、今回はBATの三強に食いこみ、急速に注目度が高まっているアイフライテック(科大訊飛/iFLYTEK)という会社について考察してみたい。翻訳デバイスの分野で有名な企業なので名前を聞いたことがある人も多いだろう。

 

アイフライテック(科大訊飛/iFLYTEK)の概要

アイフライテックは、1999年に中国科学技術大の博士課程で学んでいた劉慶峰氏が設立した企業であり中国の安徽省合肥市を拠点としている。

CEOである劉慶峰氏は古くから「将来は人工知能が水や電気のような生活インフラになるだろう」として、音声認識、画像認識、読解認識などディープラーニングを活用した人工知能の研究に取り組んでいた。

既に2008年に深セン証券市場に株式上場果たしており、12月19日時点の時価総額は1兆4000億円ほどに達している。ここ数年の株価上昇を見ても急速に注目度を高めている企業であることがお分かりいただけるだろう。

アイフライテック(科大訊飛/iFLYTEK) Stock price

photo from:yahoo finance

日本では音声認識といえば、GoogleのSiriやアマソンのAlexaが有名であるが、中国では音声認識の分野では真っ先にアイフライテック(科大訊飛/iFLYTEK)があげられ、断トツの認識力を誇っている。

マサチューセッツ工科大学が選定する2017年グローバルスマート企業トップ50の中で、アリババやテンセントを抑えて6位としてランキングされるなど世界的な注目度も高め数多くの人工知能を活用した国際的なコンテストで優秀な成績をおさめている。

例えば、機械学習向けに整理されたデータを用いて音声合成の問題に取り組む「Blizzard Challenge」という国際的に権威のある音声認識コンテストでは、12年連続して優勝しており、2017年の大会も4.0ポイントという高スコアで優勝している。

また、文章の読解認識とその理解力の分野にも注力している。今年8月に中国で行われた医師国家試験で、ロボットが初めて国家試験の筆記試験を通過したことが話題となったが、そのロボットの根幹技術を提供していたのがこのアイフライテックなのである。読解認識と理解力の分野でも高度なテクノロジーを保有しており、600点満点中456点のスコアを残し合格した。通過ボーダーである360点を簡単にクリアし、その成績はトップ100人に入るほどの上位合格であった。

スタンフォード大学が主催している、人工知能分野での英語の認識力と理解力を試すSQuADにおいてもアイフライテックが、マイクロソフト、グーグル、IBMなどの企業を抑えて1位にランキングされることもしばしばあるという。このコンテストは、10万にも及ぶ文章形式の情報を機械に認識させ、その後人間が質問をする形式で、機械が正確にその質問に答えられるかどうかと競うコンテストである。(https://rajpurkar.github.io/SQuAD-explorer/)

いずれにせよ、アイフライテックは、ディープラーニングを活用した音声認識、情報認識、画像認識などの人工知能分野で、高度な認識率で広範囲に活躍している注目の企業なのである。

 

アイフライテックが保有するサービスとは?

少しだけアイフライテックが提供する商品、サービスを具体的にご紹介しておきたい。

1、企業向けでは、主に教育、医療、カスタマーサービスの分野で強みを発揮している

1)教育部門でのプラットホーム

既に1万を超える学校で、アイフライテックの教育プラットホームが活用され、1500万人の教師が、授業全体のプロセスを記録し、試験問題の作成や、生徒の理解力の進捗度合いの確認などに活用している。生徒の理解力を把握し、補修の必要な生徒の把握したり、適切な課題を課すなど効率的な教育の促進に活用できるという。

2)医療業界のアプリケーション:

医師を支援するための音声電子カルテ入力システムにより、医師は音声により言葉を話すだけで、電子カルテを作成することを実現している。医師の作業効率を大幅に改善しているという。また、画像認識を活用した医療画像診断システムは、乳癌、肺癌などの致命的な病気の発見に貢献している。94%の高度な確率で、早期の病気発見に貢献し、医師の医療補助の役割を十分に担っているという。

photo from: china daily

2、個人向けのサービスでは、高度な音声認識率による翻訳サービスが中心

1)音声認識による翻訳デバイス

2016年に発表された自動翻訳機械である「暁訳」(シャオイー)は、既に20万台を売上、のべ1億回にのぼる翻訳をサポートしている。特に英語、中国語、韓国語、日本語、スペイン語の五カ国では高度な水準の翻訳が可能である。また最近発売された翻唄(フォンベイ)は、子供が外国語のスピーキングを学習する機械として人気をはくしている。

photo from: iflytek

アプリを通じた音声認識による翻訳、

日本ではGoogle翻訳が有名であるが、アイフライテックもパソコンやスマホを活用した翻訳サービスを提供している。中国国内で5億人、アクティブユーザーは1億2000万人に達するという。

2)車(飞鱼(トビウオ)システム)、ユーザーとデバイスとの双方対話型システム

飞鱼(トビウオ)システムと呼ばれる車に乗車している人が車と人工知能を通じて双方向対話が楽しめるシステムは、既に400万人のアクティブユーザーが存在し、音声を通じて、音楽や空調の制御が可能だという。

以上のように、音声認識技術を中心に生活の様々なシーンにその人工知能テクノロジーが応用されており、今後のさらなるビジネス領域の拡大が期待されている魅力的な企業である。次世代4大人工知能プラットホーム発展計画をリードする4企業の中に選定され、今後アイフライテックの名前を聞く機会は増えていくことはほぼ間違いないだろう。

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