拡大するニューリテール戦略「盒馬鲜生」(ファーマーションシェン)が夜10時以降アダルト製品デリバリー!

アリババのニューリテール戦略の進化が止まらない。3月19日からアダルト製品を販売する「盒尔蒙(モルモン)」がスタート。大人のおもちゃを中心に700種類もの製品を30分以内デリバリー。秘密包装、広告非表示、履歴削除などでニーズに対応。

「盒馬鲜生」(ファーマーションシェン)が目指すOMO(オンラインマージャーオフライン)がさらに拡大

「盒馬鲜生」(ファーマーションシェン)とは、アリババが展開するニューリテール戦略を代表する店舗である。2017年の開業以来爆発的な店舗展開を進め既に30店舗を超える。OMO(オンラインとオフラインの統合)を推し進める実店舗として世界の注目を集めるようになってきている。

参考記事:【アリババニューリテール戦略の全貌】第3回:盒馬鲜生(ファーマーションシェン)は4つの複合体O2Oスーパーマーケット|アリババ

最近では、デリバリー体制を24時間体制にアップグレードさせたり店舗運営のロボット化をさらに進めるなど、あらゆる方向での進化が期待される。オンラインとオフラインの統合が加速していることを体感できる店舗である。

参考記事:「盒馬鲜生」(ファーマーションシェン)がまた進化!上海で完全ロボット化店舗、及び24時間デリバリー体制を構築へ!?

3/19日夜10時アダルト製品販売の「盒尔蒙(ホルモン)」が開始

盒尔蒙(ホルモン=he er meng)とは、中国語のホルモンを意味する荷尔蒙と「盒馬鲜生」(ファーマーションシェン)の「盒(he)」をもじった造語だと思われる。アダルト製品販売に特化した「盒馬鲜生」(ファーマーションシェン)の新サービスの名前である。

3月19日夜10時にこのサービスへの入り口となるアイコン盒尔蒙(ホルモン)が「盒馬鲜生」(ファーマーションシェン)アプリのトップページに登場することになった。盒尔蒙(ホルモン)は昼間は見られない深夜の時間帯だけ登場する特殊なアイコンということになる。まずは、上海の一部の店舗で開始し4月末には杭州、北京の店舗でも同じサービスが展開される予定だという。

実は「盒馬鲜生」(ファーマーションシェン)は2017年末から「SOSサービス」と称して、上海の一部の店舗を活用して運営時間を2時間延長し深夜の消費者ニーズのテストを行っていた。そのテスト結果から深夜の時間帯にアダルト製品に関する爆発的かつ緊急ニーズが確認され、今回のサービス開始に至ったようである。「盒馬鲜生」(ファーマーションシェン)CEOである侯毅(ホウイー)は、夜間の需要として夜食などの食料品、女性の生理用品、子供の風邪薬などが多く含まれたが、突出して多かったのがアダルト製品関連の商材だとコメントしている。

アダルト製品販売のハードルをクリア 秘密包装、関連広告非表示、購入履歴削除

アダルト製品を一般のスーパーマーケットとも言える「盒馬鲜生」(ファーマーションシェン)のチャネルで販売するには数多くの工夫をしなければならない。

第一に、商品の秘匿性である。これに関しては、包装される時点でアダルト製品とわからない包装を展開し受取人が本人以外であってもそれに気づかないような工夫がなされているという。配達人ですら製品の中身を知ることができないという。

第二に、広告の表示である。ネット広告ではユーザーの購入データを参考に広告が表示されるのが当たり前であるが、このサービスを使用しても一般の広告表示にそのデータは活用されず、購入履歴に連動せず検索履歴にも連動しない形になっている。

第三に、購入履歴の削除である。第三者が購入履歴を確認できないよう購入履歴を表示されないような仕組みになっている。ただし、商品のクレームなどの対応するために、購入履歴が見たければ確認することも可能であるようだ。

さて、「盒馬鲜生」(ファーマーションシェン)のテストデータを見ている面白い結果がいくつか確認できる。大人のおもちゃを購入する年齢層は、若い人たちではなく40-49といった40代がもっとも多いようだ。若い年齢層は、1枚30元もするような高級なコンドームなどを購入する割合が高いという。

いずれにせよ「盒馬鲜生」(ファーマーションシェン)が展開する30分以内のデリバリーシステムは、意外なところで大きなマーケットを開拓することに成功した。必要かつ緊急性を要するアダルト製品とニューリテール戦略が意外なところで、相性良くマッチングされたのである。今後、ニューリテール戦略と相性の良いビジネスがさらに登場することは間違いないだろう。ニューリテール戦略の持つ大きなポテンシャルを改めて感じることが出来る事例である。

GlotechTrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、今度も引き続きニューリテール戦略の先端事例を追いかけ、読者の皆様に面白い情報をお届けするつもりである。