ニューリテール戦略に異変あり?盒馬鲜生(フーマーシェンション)が初となる店舗閉鎖を発表!

5/31、アリババが展開するニューリテール戦略の中核店舗である「盒馬鲜生(フーマーシェンション)」から初めての店舗閉鎖に関するニュースが公表された。「盒馬鲜生(フーマーシェンション)」は、店舗運営開始から3年で中国全土に150店舗を展開していただけに店舗閉鎖のニュースは意外な印象である。盒馬鲜生(フーマーシェンション)の店舗閉鎖が意味するものとは?

 

アリババの盒馬鲜生(フーマーシェンション)が初となる店舗閉鎖を公表!

4/30、盒馬鲜生(フーマーシェンション)の江蘇昆山新呉悦広場店が5月31日付けで閉鎖されるというニュースが発表された。同時に盒馬鲜生(フーマーシェンション)がRT-MART(大潤發=ダールンファ)と組んで共同展開していた盒小馬(フーマーポニー)の1つの店舗の閉鎖も公表されている。

これは、果たして特別理由による単発的な閉鎖なのか、あるいは盒馬鲜生(フーマーシェンション)が展開するニューリテールビジネスモデル展開に対するネガティブトレンドを示唆するものなのだろうか?盒馬鲜生(フーマーシェンション)の今後の動向を占う上で非常に気になるニュースであることは間違いない。

盒馬鲜生(フーマーシェンション)CEOである侯毅(ホウイー)は通常の店舗調整を強調!

盒馬鲜生(フーマーシェンション)CEOである侯毅(ホウイー)は、店舗閉鎖に関する質問に対し、「企業の健康体を維持し長距離走を走り抜くため、良い店舗と悪い店舗を調整する必要がある。」として、今回の店舗閉鎖は前向きなビジネスポートフォリオ構築によるものとの理由を強調している。

確かに盒馬鲜生(フーマーシェンション)は、2019年4月末時点で中国国内に149店舗を運営しており、5月1日にオープンした北京万優汇(ワンヨウフイ)が150番目の店舗となり、順調に拡大している。加えて、盒馬鲜生(フーマーシェンション)が通常の盒馬鲜生(フーマーシェンション)に加えて新しいレイアウトの新コンセプトの盒馬鲜生(フーマーシェンション)のビジネスモデルにも力を入れており、裾野の拡大も同時進行している。侯毅(ホウイー)の言葉を裏付けるようにビジネスは順調に拡大しており、心配することは何もないのかもしれない。

参考記事:

アリババがニューリテール戦略で次の一手!盒馬鲜生(フーマーションシェン)が新業態を発表!

 

敢えて、ニューリテール戦略に関するリスク要因を考察!収益性に疑問符?

当サイト(GloTechTrends)では、ニューリテール戦略の中核店舗である盒馬鲜生(フーマーシェンション)について数多くのニュースをお伝えしてきたつもりである。

そこで、敢えて盒馬鲜生(フーマーシェンション)のビジネスモデルに関するリスク要因をいくつか指摘しておきたい。

実は、盒馬鲜生(フーマーシェンション)は2017年7月というかなり早い段階でCEOである侯毅(ホウイー)が当初に開業した13店舗において黒字化できる目処がたったとコメントしていた。しかし、その後長い期間を経過したが、収益性に関するポジティブなニュースは依然として伝わってきていない点も気になる。

オンラインとオフラインを統合しようとするOMOのビジネスモデルは、ビジネスの効率性を高める点は間違いないが、それを実現するまでには、膨大な投資を必要とし、オペレーティングコストが上昇していることも間違いないのである。例えば、盒馬鲜生(フーマーシェンション)は、店舗から3Km以内のフリーデリバリーを実現するために、餓了麼(ウアラマ)を買収し自らのデリバリーチェーンを構築しているが、資本的には非常に重いビジネスモデルとなっている。新鮮な鮮魚、野菜、果物の販売を実現するサプライチェーン構築に関しても同様のことが言えそうだ。

参考記事:

アリババが食品デリバリーの餓了麼(ウアラマ)を買収協議、ニューリテール戦略のポテンシャルが拡大!?

さらに、盒馬鲜生(フーマーシェンション)でも中国特有のユーザー獲得のために大量のクーポンやプロモーションが乱発して展開されており、こうしたプロモーション(燃銭)連発のビジネスモデルが慢性的にキャッシュを必要とするコスト増の体質を作り上げている点も指摘しておきたい。

参考記事:

Luckin Coffee(瑞幸咖啡)のプロモーション(燃銭)を繰り返すビジネスモデルは継続できるのか?

 

米中貿易戦争の暗い影が中国の消費者の財布の紐を引き締めている!

極め付けは、昨年夏以降の米中貿易戦争激化を受け景気後退の不安が指摘されている点である。ご存知のとおり、盒馬鲜生(フーマーシェンション)は、ハンエンド層向けの店舗設計となっており、他のローカル店舗よりも輸入品などおしゃれな高価格な商品が比較的多い。ひとたび中国人消費者が景気悪化を意識し、財布の紐を固く閉めてしまうものなら、盒馬鲜生(フーマーシェンション)を活用せず、より廉価な商品を多数配置している近隣スーパーマーケットで代替買い物する可能性も否定できないのである。

いずれにせよ、当サイト(GloTechTrends)としては、ニューリテール戦略の行方を最後まで見守るつもりである。今後は、近未来型のOMO型のデジタライゼーションだけにフォーカスするのではなく、収益性なども踏まえビジネスサイドの視点を意識しながら皆様にニュースをお伝えするフェーズに入ったと言えそうだ。

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