【キャッシュレス社会の衝撃】杭州で進む顔認証社会。「顔パス」ペイメント? 顔認証ライフの始まり/中国

アリババの本社がある杭州。今後は、「顔パス」ペイメントの誕生だ。GlotechTrendsでも何度も取り上げている中国を代表する文化都市であるが、アリババ本社近くは、未来科技城と呼ばれ未来都市へと大変貌を遂げていた。

 

  • 車のナンバープレート認証から顔認証へ!もはや顔パスペイメント!

わずか数日前に杭州萧山空港のスマホ不要のスマートパーキングの開始を報告したばかりである。支払いの感覚なしで決済するという「無感支払」というコンセプトでのレポートを衝撃として行ったわけだが、さらなる衝撃を感じざるを得ない。杭州では次々とスマホを必要としない新技術が生まれていた。画像認識技術を用いた「顔パス」ペイメントである。

アリババは、これを「空付」というコンセプトで2014年から発表していたが、いよいよ実現の時を迎えたのだ。

参考記事: 無感支払とは?無人化駐車場で全自動清算のスマートパーキングが始まった  アリペイ|中国

 

alipay face recognition payment

☆杭州の未来生活祭で、86歳のおじいさんが画像を使った支払いの体験をしている写真。

 alipay face recognition payment

☆杭州の未来生活祭で、女性が薬局で顔認識のシステムで支払いをしている。

 

  • 杭州のホテルでは、画像認識チェックインが推し進められている。

中国では、「身分証」と呼ばれる全中国国民に配布されているIDカードが身分証明証として活用されている。新幹線に乗るとき、銀行での取引、ホテルのチェックインなどありとあらゆる場所で提示が求められる生活に必須のカードだ。

しかし、ホテルに宿泊する場面で大きな変化が起きている。それは、身分証の提示なく、顔の認証だけでチェックインできるというのである。

2016年9月に杭州でG20の会議が行われ、それと同じくして安全性を高めるために多くのホテルで、顔認証技術によりチェックインが普及し始めていた。昨年の時点ではまた顔認証はサブ的な役割で、身分証の提示は必須であった。しかし、現段階では、画像認識技術が格段に高まり、いくつかのホテルで身分証の提示なくとも顔だけでチェックインが可能となった。現在の認識率は99.8%だという。今後、ますます多くのホテルでこの顔パスチェックインが普及して行く予定だという。

face recognition technology in hotel

 

  • 会社の出勤管理、会議、大きなイベントへの入場者の把握にも顔による画像認証

いくつかの企業で既に顔認証での出勤管理も始まった。社員証をスキャンすることはもちろん、帳簿に出勤時間を記載することなどしない。出勤時にゲートでセンサーを1秒間、見るだけでセンサーが顔の画像を認識し、出勤を管理するという。退社の際も同様であり40人まで同時に認識が可能だという。

このシステムは、大規模の会議や、コンベンションなどのイベントにも応用されているという。例えば、お台場で開かれるようなイベントをイメージしてもらいたい。そこには、受付で順番待ちをしている人はもちろんのこと、対応するスタッフも大勢配備されている。膨大な時間とコストが費やされている。

杭州のイベントは、顔認証でたったの1秒で受付完了である。そこに配備されているスタッフも緊急時の対応スタッフに限定される。順番待ちなし、対応スタッフなしで大幅コスト削減、効率性は極めて高い。

face recognition technology conference

 

  • マンションの住民向けの生活用品レンタルも画像認証

杭州でマンションの住民向けに生活用品のレンタルを開始するという新しいビジネスが始まった。アパートの入り口付近で店舗を開設し、住民向けに、生活用品をレンタルするというものである。ベビーカーや、傘、自転車の空気入れなど、あらゆる日用品をレンタルするわけであるが、ここでも顔による画像認識で個人を特定するシステムが導入されているという。決済は、使用後にアリペイで行い、さらに芝麻信用(ジーマ信用)がスコアが600以上であれば、デポジットなしで借りられるという。概ね好評であり、多くのマンション管理組合から出店依頼があるという。

(芝麻信用について関心のある方は過去記事へ)

face recognition technology renting

参考記事:【キャッシュレス社会】芝麻信用(読み方はジーマ信用)とは?杭州では信用を使ってお金を節約できる!

 

  • 金融機関でもATMカード不要の顔パスでATM操作が始まった

中国農業銀行と浙江分行銀行の二つの銀行が、顔認証だけで銀行口座から預金したり、送金できるシステムを導入した。ATMカードを無くし、人々は身分証のID番号を入力し、そのあとでカメラ、センサーに向かって、顔の画像認識をして個人を特定する仕組みだ。現在のところ大きなトラブルもなく、顧客からも好評のようだ。

face recognition technology ATM withdraw cash

 

  • 公営施設の管理。バスケット場やテニス場、カラオケなどの施設も顔パス導入。

中国の公園などの設置されているバスケットボールコートもいくつかの場所で、入り口で顔による画像認証をする仕組みが出来上がっている。将来的には、スポーツジムやプールなども、顔による画像認識で入退場を管理するようになるだろうという。カラオケも画像認識だけで入場可能で、無人カラオケのような運用が始まっている。

face recognition technology basketball gym

杭州は、アリババの本拠地でもあり、杭州市は行政が強力にIT化、キャッシュレス社会化をサポートしている。画像認識を活用した「顔パス」ペイメントが、杭州では既に実証実験を超えて、実用化のフェーズへ突入している。社会がまた大きく変化しそうな予感である。