アントフィナンシャル本社近くに杭州ブロックチェーン産業パークが開業! 

ICO禁止報道により今だ中国がブロックチェーンに否定的だと誤解している方も多い。実は中国は2016年から国策としてブロックチェーン技術革新に取り組んでいる。特に杭州はブロックチェーン先端都市を目指し関連分野の起業が盛んである。

 

ブロックチェーン関連スタートアップは北京が14社でトップ、2位は10社の杭州が続く

最近、中国メディアで「北上深杭」という言葉が使われることが増えてきたが、人工知能やブロックチェーン分野はその最たる分野である。「北上深杭」とは北京、上海、深セン、杭州の頭の漢字一文字を並べた四字熟語であり、従来の「北上深広」をもじり新しい4大都市を表す言葉である。広州は、貿易業や製造業といった伝統的な産業で揺るぎない大都市ではあるがテクノロジーの先端分野では影が薄くなりつつあるという意味も込められている。

中国の著名なブロックチェーンメディアである巴比特(8btc)によれば、ブロックチェーン関係のスタートアップ企業数合計(公的機関除く)は、相変わらず北京が14社でトップを占めたが、第2位に杭州が続きその数は10社となった。上海の8社および深センの5社を上回り杭州が堂々の2位となった形である。

杭州で人工知能やブロックチェーンなどのテクノロジー研究が進む背景としては、何と言ってもアリババやアントフィナンシャルの存在が大きい。目と鼻の先ですぐにアリババグループと共同開発が出来る環境はスタートアップ企業にとって何物にも捨てがたい。

中国は2016年以来、国策としてブロックチェーン技術に注力してきているが、その中でも杭州市はブロックチェーンに注目し、積極的に国際的な重要会議でブロックチェーンのテーマを取り上げてきている。2016年に開催された杭州G20サミットでもブロックチェーン関連のテーマを金融政策の重要トピックとして議題に加え、翌年2017年4月にはグローバルブロックチェーンサミット(the Global Blockchain Finance Summit 2017 )を杭州市で開催することに成功している。これらの取り組みを見ても、杭州市が行政をあげてブロックチェーン分野に取り組んでいることがよくわかる。行政とアリババやアントフィナンシャルが一体となってスタートアップの発展を後押ししているのである。

 

アントフィアンシャルの杭州拠点の近くにブロックチェーン産業パークがオープン

さらに、杭州では2017年9月にブロックチェーン関係のスタートアップ企業が集積する「ブロックチェーン産業パーク」が開業している。

杭州の中心部にある世界遺産「西湖」の北端から西溪路(XixiLu)を西に進む。西溪路(XixiLu)は、中国の名門大学である浙江大学の理系キャンパスとなる玉泉校区からアントフィナンシャル本社を通過しアリババへ本社方面へと進む杭州でも今最も開発が盛んな道路の一つである。アントフィナンシャル本社を通過し車で10分ほど進むと、右手にブロックチェーン産業パークが見えてくる。アントフィナンシャル本社とアリババ本社一帯の未来科技城の中間に位置するこのあたりで、杭州政府がサポートする形でブロックチェーン産業パークが開業しブロックチェーン関連のスタートアップ企業を集めている。アリババ本社とアントフィナンシャル本社の中間に位置する抜群のロケーションで、ブロックチェーン関連企業と共同開発、実験を行うのに最適な場所である。

現在のアントフィナンシャル本社

参考記事:アリババ城下町「未来科技城」が未来都市へと変貌中!杭州のドリームタウン(夢想小鎮)一角にはスタートアップが集結!

 

アントフィナンシャル本社の建て替えは三菱地所が落札

少し話題は変わるが、アントフィナンシャル本社の建て替えは日本の三菱地所が落札に成功している。アントフィナンシャル本社は、今でも十分に立派ではあるが現在の建物規模では十分な社員を収容できないという。2014年に行われた欧米勢も交えた5社による国際コンペを三菱地所が勝ち抜いて現在建設が進められている。三菱地所から発表されたリリースによれば、2019年10月の新本社が竣工し、8000人収容、敷地面積約 88,500 ㎡に及ぶ超巨大プロジェクトだという。新しい本社もやはり西溪路(XixiLu)に位置する。

新しいアントフィナンシャル本社(三菱地所発表資料)

西溪路(XixiLu)は、つい5年ほど前まではよくある中国の寂れた通りであったが、最近は道路の幅も拡張され近隣の建物の建て替えが進められている。アントフィナンシャル本社の竣工に合わせて、綺麗で賑やかな通りになることは間違いないだろう。

(詳細:三菱地所からのリリース資料)

 

アントフィナンシャルが目指すブロックチェーンの実用化

2月に行われた中国FTのインタビュ記事の中で、アントフィナンシャルのテクノロジー研究所の副社長である蒋国飞(Guofei Jiang)氏が以下のようにコメントしている。「ブロックチェーンがICOというイメージが先行してしまったことが、ブロックチェーン技術において2017年に起きた最大の誤りであった。ブロックチェーンは神様でもなく悪魔でもなく、今後はブロックチェーンが実際に「実現できる事」「実現できない事」をより明確に区別していく必要がある」と語っている。

アリババとアントフィナンシャルは、2016年以降ブロックチェーンを活用した寄付プラットホーム、電子メール公証、食品のトレーサビリティーなどのブロックチェーン技術を活用した実用化を開始しているが、今後はさらに興味深い実用化への取り組みが発表されていくであろう。

参考記事:アントフィナンシャルのブロックチェーンへの取り組み

Glotechtrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、今後はICOや仮想通貨とは違った角度から新しいブロックチェーンの実用化に向けた取り組みについて皆様にお届けしていくつもりである。