Googleと京東の資本提携の狙いとは!狙いは東南アジアECマーケット!

Googleが京東に対して5.5億USDを出資し戦略的なパートナーシップが締結された。Eコマース分野ではアメリカにAmazon、中国にアリババというジャイアントが存在する。Googleがまず狙う市場は、Google Shoppingを活用し京東と共に、東南アジアEコマース市場の開拓?

 

Googleが投資する金額は5.5億ドル(600億円) 京東の時価総額1%以下!

まず最初に京東(ジンドン)の時価総額を押さえておきたい。6/18の終値43.38ドルを基準とすると時価総額は627億ドル程度(日本円で7兆円ほど)であり出資額は京東の株式比率では1%以下ということになる。Googleと京東の資本業務提携のニュースとしては、あまりにも規模が小さい印象である。発表された正式リリースを確認してもGoogleが27,106,948株(0.93%)の京東普通株式の新株発行を引受けるようである。もちろん、巨額の資本提携となれば、以前からGoogleの動向を警戒している中国当局から業務提携禁止の通達を受ける可能性があるため最初の業務提携としては妥当な数字なのかもしれない。何れにせよ、アメリカでアマゾンとEコマース分野で激突するにはあまりに弱い業務提携でありそこに狙いはなさそうである。

 

6月18日は京東の創業記念日、発表に込められた決意の大きさ

実は、Googleとの提携が発表された6月18日は、京東にとって創業記念日という特別な日でもある。毎年6月18日は「618商戦」と称され、京東主催のEコマースのお祭りが開催される日でもある。アリババの「独身の日」と並び中国2大オンラインショッピング祭りである。本日発表された2018年の「618商戦」の売上累計額は1275億元(2兆1675億円)に達し前年を大幅に更新し最高売上を記録したようだ。

京東が記念すべき6/18正午にGoogleとの提携を発表したことに京東の意気込みが感じられる。同日に発表された京東からのリリース文を確認しても、6月18日を新たなる記念日として京東の歴史の新たなる章が始まる(JDチーフ・ストラテジー・オフィサー:Jianwen Liao)とコメントされている。

 

創業記念日に発表されたGoogleとの提携の狙い

京東から発表されたリリース文書では「Googleとの提携を機に、東南アジア、米国、欧州を含む世界中の幅広い地域を対象として小売ソリューションの開発を含め様々な戦略的な取り組みを今後共同で展開する」と記載されている。

京東が保有するサプライチェーンテクノロジーとロジスティックス分野の強みを生かしながら、Googleが保有する検索機能と連動してく仕組み作りが模索されることになるであろう。

京東の決算数値を確認しておこう。直近の2018年Q1では純利益15億25元を確保したものの前期比33.1%増と従来から継続していた成長スピードにやや陰りが見えはじめている。もちろん立派な数字であるが、アリババが2018年Q1に61%増の数字を残し高成長を維持している点も京東に危機感を募らせている。京東が、アリババを意識しさらなる成長のために強力パートナーと手を組む必要があるのは理解できる。

 

Googleが狙うリテールビジネスへの参入Google Shopping

Googleは、3月にラスベガスで開催された「ShopTalk」において、Google Shopping を発表しGoogleプラットフォームから直接買い物が可能となる仕組みを発表しリテール分野進出に強い関心を示している。Amazon陣営を意識しWal-MartやCostcoなど反Amazon陣営を取りまとめアマゾン陣営した動きである。

Photo from: google

Googleが「Shopping Actions」リリースでオフラインに進出、米中でニューリテール分野が熱い!?

しかし、アメリカ国内では、オンラインショッピング分野においてAmazonの影響力はあまりに大きくGoogleとしても簡単に攻略できるものではない。また、GoogleはEU市場においても厄介な問題を抱え込んでいる。2017年に検索エンジンを利用して自社のショッピングサービスにユーザーを不正に誘導し「消費者による真の選択」を否定したとして過去最高額となる24億ユーロ(3000億円程度)もの制裁金支払い命令を受け、EU市場における事業展開の足枷となっている。EU市場においても、Google Shoppingを活用して検索誘導型ショッピング業務を展開するにはタイミングが悪すぎるである。

 

京東とGoogleの提携は東南アジアからスタート?

こうした状況を鑑みると両者が協力して事業展開する場所としては、東南アジアが最良な選択となりそうな予感である。京東は、既にタイで流通大手のセントラルグループと提携しJDセントラルという合弁会社を通じてECプラットフォーム構築計画を進めている。ベトナムにおいても、テンセントと共同でティキコーポレーションに出資し、Eコマースビジネスを展開しているところである。また、インドネシアでも2015年にPT JINGDONG INDONESIA PERTAMAという現地法人を設立し独自ブランドでEコマース事業を展開している。

実は、現在に至るまで東南アジアのEコマース市場において、完全な勝者が存在していない。アリババが買収したLAZADAも勢いを増しているもののまだ完全に市場を捉えきれていない。東南アジアには、アメリカにおけるアマゾン、中国におけるアリババのような存在もなく、十分に京東が勝利できる可能性がある。中華系の人々も多く京東が中国で培ったノウハウが導入しやすい素地がある点も特徴である。

加えて東南アジア諸国にはGoogle検索を日常的に活用する習慣がある。Googleが推し進めるGoogle Shoppingのモデルと京東がタッグを組むには最高の市場と言えるであろう。Googleからすれば、Google検索から得られる広告収入を確保しながら、京東と協力して初期投資を減らしながらEコマースのノウハウを獲得できる点は、まさに一石二鳥なのである。まずは1%程度を投資して相性を確認しながら次のステップに発展するか見極めると言ったところであろう。改めてリリース文書を読み返してみると、アメリカとEU市場の前に、東南アジア市場が最初に記載されているのである。

GloTechTrends(グロテックトレンド)としても、今後も両者の動向を見守りたい。

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