スマホ修理も無人化へ、「搞机社」が展開する無人「スマホATM」とは?中国人のスタートアップは「無人化」「キャッシュレス」は必須なの?

どうやら今の中国人起業家は、頭の中が「無人化」と「キャッシュレス」でいっぱいのようだ。搞机社の試みは「スマホATM」を設置して無人対応でスマホを数時間で修理するらしい。日本では流行らないかもしれないこの仕組みだが、今の中国人の起業家の思考を分析するにモッテコイかもしれない。

 

「搞机社」が狙うスマホ修理市場 スマホ15億台が溢れる中国市場

搞机社(GaoJishe)は2017年に設立されたばかりの上海ベースのスタートアップ企業である。実はまだ5人だけの小さな企業だ。彼らの挑戦は、彼らが「スマホATM」と呼んでいるものだが、スマホの修理を従来の店舗型でなく、無人店舗でワンストップセルフサービスで行なってしまおうという試みである。日本では、スマホが壊れた時の修理はオフィシャル店舗へ行くことが一般的であろう。しかし、中国ではスマホ修理でオフィシャルショップへ行くことは逆にレアケースである。なぜならオフィシャル店舗は修理代が高額な上に時間もかかり非効率と考えられている。だから、中国では非公式の携帯修理ビジネスが一大産業となっており、深センの電気街の華強北でもビルの一階はたいていスマホの修理屋さんが軒を並べている。これは深センの華強北に限った話でなく中国全土及び東南アジアでも全体的に言えることである。中国のスマホ市場は15億台規模に達している。その修理の数は計り知れないマーケットなのである。 

gaojishe mobile repair ATM

 

「搞机社」スマホのセルフサービス修理ボックス 「スマホATM」

さて、非公式なスマホの修理屋さんが中国にはたくさんあるがどの店を信じたらいいのだろうか?ビッグデータが価値を持つ現在においては、悪質な修理屋は虎視眈々とデータの抜き取りを狙っているかもしれない。携帯の中の純正パーツを抜き取って偽物と交換する悪質な業者も存在するだろう。だから、中国人は自分のスマホを修理している間は、修理プロセスを目前で監視したがる。

そこの目をつけたのが「搞机社」のビジネスである。他の非公式のスマホ修理店よりも「安く」「迅速」「安全」であることをアピールする戦略である。

ビジネスセンターやショッピングモールなど人の流れがある場所に、スマホの預入及び受渡を可能とする「スマホATM」(宅配ボックス的な機械)を配置する。

使用方法としては以下のような流れである。

  • ユーザーが自身の壊れたスマホのブランド、機種、故障状況などを入力する。
  • 自分のスマホを指定されたボックスに入れる。
  • 連絡を受けた宅配員が来てスマホを修理場所へ運ぶ。
  • 2−4時間でスマホの修理を完了して配達員が元のボックスに戻し、ユーザーに修理完了を知らせる。
  • キャッシュレス決済した後にスマホをボックスから取り出し動作確認。
  • 修理後、1年間の無料保証がもれなく付与される。

gaojishe mobile repair ATM service

なお、スマホを宅配員が取り出してから修理終了に至るプロセスは全て動画で確認できるようになっている。また、修理の間は300元(5000円程度)の返金可能な保証金を支払うことで、ユーザーは代替のスマホを無料で使用することもできる。

個人情報の漏洩に関しては保険会社と契約を結び、もし万が一修理を通じて個人情報が漏洩した場合には、保険会社を通じて損害が補償される仕組みとなっている。

 

最近の中国スタートアップ企業は「無人化」と「キャッシュレス決済」が当たり前!

スマホ修理まで無理して無人化しなくてもと思うぐらい最近の中国はなんでもかんでも無人化に取り組んでしまう。どうやら、最近の中国のスタートアップ企業は、「無人化」と「キャッシュレス決済」のコンセプトを導入するのが当たり前となっているようだ。むしろ導入しなければ、投資家に見向きもされないのかもしれない。

無人化とキャッシュレス化を軸とした新分野でのスタートアップは、投資家からの資金も呼び込みやすく起業家としては大変起業しやすい環境が整っているのである。

搞机社は、11月に上海に最初のスマホATMを設置し、その後は毎月5-10台のペースで設置台数を拡大していく計画だという。彼らの調査によれば、半径1キロの範囲で毎日70個の携帯修理のデマンドがあるという。スマホATMの1台の導入コストが約6万元(100万円程度)かかるという。試算では毎日3つのスマホを修理するだけでランニングコスト(月8000元)をカバーでき、毎日10台のスマホの修理が実現すれば70日で初期導入コストまで回収できるという。試算だけを見ていると非常に良いビジネスに思えるが、果たしてそんなにうまくいくのだろうか?今後上海でスマホATMが認知されていくのか大変興味深い。

(写真は公式HPより転載)