ドローン最大手「DJI」株式公開前最後のファイナンスか?超強気の株式/債務の複合型ファイナンス!?

証券関係者の間ではDJIの株式公開は香港か深センAで2019年中に噂されている。今月末に最終ラウンドと推測される5-10億USD規模の資金調達を実行する見込みだ。100社ほどの機関投資家からの申込がありDJI未公開株争奪戦の様相だ。

 

 4月末を目処にPre-IPOラウンドを実施。既に100社程度の機関投資家が保証金支払い。

DJIからの正式な発表はなされていないが、関係者の話を総合するとDJIが5-10億USD(日本円で535億から1070億円)規模のPre-IPOラウンドの資金調達を実行中だという。当初5億USD規模とされたファイナンスは、徐々に金額が大きくなり最終的に10億USD規模になるのではないかと噂されている。既に100社程度の機関投資家が入札にあたり保証金を支払いその倍率は30倍程度となるとも言われている。

DJIは、誰もが知るドローン業界No1の企業である。CBinsightsのユニコーンリストでは15位にランクされ、その推定時価総額は10ビリオンUSD規模(日本円で1兆円)と試算されている。

しかし、DJIは既に2017年決算で8億ドル(830億円程度)の利益を計上したとも言われ財務体質にもすぐれており、今度のドローン市場の拡大が確実視される中で、10ビリオンの評価額は低すぎるというのがもっぱらの評判である。何れにせよ、今回のファイナンスが終了すれば、財務基盤も強化されその評価額が上方修正されるのはほぼ確実であろう。

 

株式と債務の複合型の資金調達を実行か!?

さて、今回の資金調達に話を戻すと、DJIにとって完全な売り手市場な強気の資金調達となる模様だ。既に100社程度の機関投資家からの申し込みが殺到し、その申込金額は当初DJIが計画していた資金調達額の30倍に及ぶという。改めてドローン最大手であるDJIに対する投資家の注目度の高さを確認できる。

その資金調達の手段であるが、新株発行を中心としたエクイティーファイナンスかと思いきや、新株発行とデッドを組み合わせた複合型の資金調達となるようだ。完全売り手市場の企業であるDJIだからこそ許される手法であるが、DJI株式の購入を取り付ける代わりに、新株の引受手は同時に所定の比率に応じてDJIに無担保無利子の貸付を行うことが義務として負荷されるのである。

種類株を活用し議決権の無い種類株の発行や、配当金を享受できない種類株が活用されるケースはよく見かけるが、無担保無利子融資を融合した資金調達というのは、なんとも強気で羨ましい話である。成長性が高く、黒字化も果たし、IPO間近と好条件が揃ったDJIだからこそ成せるファイナンス手法であろう。なお、一部の機関投資家は納得していないとも伝えられ、今後の紆余曲折も予想されるが、大方強気なDJIの思惑通りに進むのではないだろうか。Pre-IPOラウンドが確定したら続報をお届けしたいと思う。

さて、DJIは従前から2019年に香港市場に上場することが噂されているが、合わせて深センA株を活用した中国預託証券(CDR)の候補とも目されている。深センを代表する企業であるDJIが、香港と深センA株に同時上場しCDRを活用して中国本土でも取引されることは大変納得感がある。CDR導入によって、中国のユニコーンたちがどこの証券市場に上場するのかというテーマも今後の大変興味深いテーマである。

参考記事:深セン証券取引所がニューエコノミー企業の主戦場へ!?中国預託証券(CDR)の導入