中国ライドシェア最大手の滴滴出行(DidiChuxing)のHitch(順風車)サービスでまたレイプ殺人!

8/24 温州にて、またしても滴滴出行(DidiChuxing)のドライバーによる女性乗客のレイプ殺人事件が発生した。殺人に利用されたのはHitch(順風車)というサービスだ。実は5月にも河南省鄭州で起きたレイプ殺人事件にもこのサービスが利用されている。滴滴出行(DidiChuxing)の安全性に対する信頼が揺らいでいる。

8/24滴滴出行(DidiChuxing)のドライバーがレイプ殺人事件!

8/24 温州で20歳の若い女性が乗車した滴滴出行(DidiChuxing)で、ドライバーによるレイプ殺人事件が発生した。

今回の事件で、ドライバーが悪用したサービスが、Hitch(順風車)と呼ばれるサービスである。実は、つい3ヶ月半前の5月5日にもHitch(順風車)が悪用され河南省鄭州で空港から乗車した女性フライトアテンダントがレイプされた上に殺害される事件が発生したばかりである。今回の事件を受け、8/27には滴滴出行(DidiChuxing)のHitch(順風車)部門の統括責任者である黄洁莉、および顧客サービス部門の黄金红副統括責任者が解雇され、Hitch(順風車)のサービスも閉鎖された。

写真:オフィシャルサイトより

Hitch(順風車)とは、滴滴出行(DidiChuxing)が、提供する手軽なドライバー登録の仕組みで、Hitch(順風車)はサラリーマンの副業的な形で、好きな時に乗客を選びながらサービス提供できる。専業でないプロドライバーでないため、サービス価格も割安に設定されている。この仕組みは、ソーシャル的な要素を含み、ドライバーと乗客がチャット形式でソーシャルコミュニケーションできるのである。ドライバーは、性別や年齢を事前に把握し、乗客をイメージした上で、ピックアップするかを選択できるのである。

5月に起きた鄭州での殺害事件を受けて、Hitch(順風車)のサービスは暫定的に停止されていたのであるがいつの間にか復活し、今回同じ悲劇が繰り返されたことになる。しかも、犯人のドライバーは、前日にも性犯罪の未遂事件を引き起こし、飛び降りた女性客が滴滴出行(DidiChuxing)にクレームを行なっていたという。犯人は、犯行するのを前提として、若い女性客を物色していた可能性が極めて高い。犯人であるドライバーは現在中国で表面化しているP2Pレンディングプラットフォームへの投資で多額の損失を被り精神状態が不安定だったとも言われている。P2Pレンディングの問題が他の分野にも波及して来ているのかもしれない。

写真:オフィシャルサイトより

参考記事:中国フィンテックの雄「P2Pレンディング」の悲劇的な結末?「金かえせ!」デモ続出!

滴滴出行(DidiChuxing)に対する揺らぐ信頼!

このところ、滴滴出行(DidiChuxing)に対するユーザーの不満が高まってきているように感じる。当サイトとしても、8/21日にユーザーの滴滴出行(DidiChuxing)対する不満の高まりを記事にしたばかりである。

参考記事:中国の滴滴出行(DidiChuxing)がなかなか捕まらない!急増する「ライドシェア難民」!

滴滴出行(DidiChuxing)に対するユーザーの不安は以下の点である。

1、 偽造登録ドライバーの存在、継続的なドライバーチェック体制の欠如

今回の事件を受けて、滴滴出行(DidiChuxing)は法律で定められた3倍の人身障害事故の賠償金基準を新しく設定するという。だが、問題となっているのは生命の安全であり、賠償金を支払えば解決する問題でもなさそうだ。

信頼が揺らいでいる大きな原因は、ドライバーの登録状況を滴滴出行(DidiChuxing)が常時監督していないという点にある。8月に温州で引き起こされた事件に関しては、ドライバーは登録時には実名登録し、車のナンバーも真正のナンバーが登録され、ドライバーの顔認証も行なわれていたという。しかし、ドライバーがサービスを継続する過程で、いつの間にか偽造ナンバーに変更されていたという。つまり、事件を引き起こした時は、違法状態であったことになる。5月に鄭州で引き起こされた事件では、犯人は父親が登録した車を運行しており、他人名義で業務を行なっていたことになり、これも違法状態である。滴滴出行(DidiChuxing)としては、乗客の安全を確保するために継続的にドライバーの違法状態を監督する必要があるが、現状では管理監督体制が不十分と言わざるを得ない。

2、滴滴出行(DidiChuxing)のコールセンターはアウトソーシング

現在多くの企業がコールセンターをアウトソーシングしている。滴滴出行(DidiChuxing)も然りであり。コールセンターのアウトソーシングの仕組みは、企業運営する上では大変便利でコスト削減にも効果的であるが、確実にサービスレベルの低下を引き起こしている。今回の事件でも、犯人のドライバーは前日にもレイプ未遂事件を引き起こしており、車から危険を察知して飛び降りた被害者はコールセンターにクレームも行なっている。コールセンター内で迅速にクレーム対応し、ドライバーに対して一定の措置を講じていれば防げた事件と言えるだろう。

3、 滴滴出行(DidiChuxing)は既にマーケットシェア90%の独占状態

滴滴出行(DidiChuxing)は、滴滴快的が2016年8月にUberの中国事業を合併し出来た巨大企業である。現在では中国400都市をカバーし、4億人以上のユーザーを保有しライドシェア市場の90%を独占している。両者の合併にあたり中国商務省は、反トラスト法に該当する可能性があるとして、調査を行っていると言われているが、合併後から現在までの2年間に渡り継続調査中の状態であり商務省からの結論はまだ公表されていない。滴滴出行(DidiChuxing)による市場独占のデメリットが見えはじめ、今後の滴滴出行(DidiChuxing)の動向によっては、反トラスト法に該当することも十分にありえるのである。

中国デジタラーゼーションの発展と新しい社会問題の発生!

中国デジタライゼーションの発展は、中国の人々の生活を便利で快適なものにしていることは間違いない。中国で生活していると日々新しいサービスが誕生し、人々のライフスタイルが変化していることを感じる。

だがその一方で、中国で新しい社会問題が発生しているのも事実である。P2Pのビジネスモデルの破綻などはその顕著な事例である。

中国で展開される新しいビジネスモデルは、とにかくその成長スピードが重要視される。ユーザーを獲得するために、最初に膨大なプロモーションコストが投入される。成長スピードが早いが故に、その成長の過程で、人々の安全、プライバシー、財産の健全性といった多くの問題点が置き去りにされているのも事実である。今後、こうした問題をどうやって解決していくのか非常に興味深いところである。

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