Didi Chuxing(滴滴出行)が100億元(1700億円)のファイナンスを実行しフードデリバリー業界に参入!

中国のライドシェア最大手Didi Chuxing(滴滴出行)が4月1日からフードデリバリー業界に新規参入。2017年末にフードデリバリー最大手の美団がライドシェア業界への参入を表明していたが、見事に華麗なクロスカウンターが返された。

 

Didi Chuxing(滴滴出行)が4月1日から無錫でフードデリバリーサービス開始

3月17日に上海証券取引所の社債情報プラットフォームにDidi Chuxing(滴滴出行)が発行するABS証券が登録されていることが明らかとなった。中信証券を引受人として100億元規模(約1700億円)をABS=資産担保証券(Asset Backed Security)が発行されるようだ。このところの中国のスタートアップ企業の資金調達手法が柔軟になってきているが、Didi Chuxing(滴滴出行)の売掛債権を原資産としてABSが発行されそうな気配である。面白い調達手法がどんどん展開されスタートアップ企業の資金調達がどんどん柔軟化しているようだ。

上海証券取引所のウェブサイトより

さて、Didi Chuxing(滴滴出行)新しく調達する資金を活用しフードデリバリー業界に参入するようだ。当初は無錫からスタートし、その後南京、長沙、福州、済南、寧波、温州、アモイ、成都など合計9都市へ拡大して行く計画だという。当初は、一級都市でなく二球都市からサービスを展開するのは、当初はフードデリバリー業界の2大巨人である美団(meituan) と餓了嗎(ウアラマ)との正面衝突回避を意識したものだと思われる。

DidiChuxingのフードドライバー求人広告

参考記事:アリババが食品デリバリーの餓了麼(ウアラマ)を買収協議、ニューリテール戦略のポテンシャルが拡大!?

実は、中国のフードデリバリー業界では、美団(meituan) と餓了嗎(ウアラマ)の2大企業も含めて現在利益が上がっている企業は存在しない。業界No1である美団CEOの発言でも、黒字化までまだ1−2年という長い目でビジネスプランを練っているようである。Didi Chuxing(滴滴出行)がフードデリバリー業界へ参入したことで、ますますプロモーションが激化し、体力勝負の様相を呈して行くことは間違いなく、更なる業界再編は必死であろう。

 

このところの中国インターネット業界は業界の垣根が極めて低い

実は、このニュースに先立って2017年末にフードデリバリー業界No1の美団(meituan)が、Meituan Dache(美団打車)のブランドでライドシェア業界に参入することを正式に表明している。当初の予定では、今年の1月にも北京でサービスを開始すると言われていたが、最近では北京、上海、成都、杭州、温州、福州、アモイなどの都市に切り替え近々オンラインでのアプリをローンチすると伝えられている。

Meituan Dache(美団打車)のアプリケーション

フードデリバリーとライドシェアに関しては、基本的な技術的な仕組みは似通っているため相互に新規参入することは納得感のある話であるが、美団(meituan)は意気揚々とライドシェアに参入したところ、とんでもないカウンターパンチが浴びせられた格好となった。ネット業界において、ますます業界の垣根は低くなりそうな気配である。

 

Didi Chuxing(滴滴出行)の総裁柳青(Liu Qing)に注目が集まる

良い機会なのでDidi Chuxing(滴滴出行)について少しだけまとめておきたい。

参考記事:CBInsightのユニコーンランキンでは、Uberに続き堂々の2位にランキングされている企業であり、ファイナンス以前のバリュエーションで56ビリオンUSDと評価されている。

Didi Chuxing(滴滴出行)2012年に会社設立された新しい企業であるが、2014年には既にユニコーン入りを果たし、ファイナンスラウンドは10回以上を数え合計200億USD以上の資金を集めている。

実は、この企業の総裁という地位を務める

「柳青(Liu Qing)」という人物がBATに次ぐ次世代の中国を代表する経営者として俄かに注目を集めている。柳青は、1978年生まれの女性であり、北京大学卒業後にアメリカに渡りハーバード大学でコンピューターサイエンスを学んでいる。卒業後には投資銀行の雄ゴールドマンサックス証券に勤務し合計12年間の在籍で最年少MD(Managing Director)まで上り詰めたいう強烈な経歴を保有している。父親はレノボの創始者である柳伝志というから家柄までもが申し分ない。

柳青氏は、Didi Chuxing(滴滴出行)の将来像として、ユーザーと全ての交通ツールをコネクトするプラットホームを構築することを目指しているというから今回のフードデリバリー業界進出も一つの通過点にすぎないのかもしれない。また、新エネルギーカーに強い関心を持っており、BYDなど12の自動車製造業と連携し新しい車のプラットホームに強い意欲を燃やしている。今後注目度が高くなることが必須の経営者である。