MobikeとOfoの競争で最終的に漁夫の利を得たのはHello Bike(哈啰出行)!ついにシェア自転車業界トップ企業へ!

中国のシェア自転車を巡る競争は最終章に突入。Mobikeは美団に買収され、Ofoは多数の訴訟を抱え買収企業すら不在の悲劇的状況である。漁夫の利を得たのはHello Bike(哈啰出行)である。ついにシェア自転車業界のトップに躍進だ!

9/17 Hello Bike(哈啰出行)CEO楊磊(ヤンレー)が業界No1を宣言!

中国の戦国策(燕策)の中にこんなお話がある。口をあけて日向ぼっこをしているハマグリの身を狙って鳥(シギ)がクチバシでハマグリを突っつく。するとハマグリは貝殻を閉じシギのクチバシを貝殻で挟み込んで離そうとしない。お互いに譲らない争いの最中に、静かに漁師がやって来て、ハマグリとシギをまんまと捕獲してしまうというのである。このお話が「漁夫の利」の語源である。そして、今回これと同じ構図が中国のシェア自転車業界で起きてしまったのである。

Photo from: Hellobike

9/17、 Hello Bike(哈啰出行)の創業者兼CEOである楊磊(ヤンレー)は、上海で演説を行いHello Bike(哈啰出行)のユーザー数は2億人を超え、デイリーでの使用回数は2000万回を超え、ついにシェア自転車業界トップに躍り出たと意気揚々に語ったのである。

同時に社名を哈啰単車から哈啰出行へと変更し、シェア自転車に特化したビジネスモデルから、広く移動手段に関連した業務に拡大するアピールも行なった。嘀嗒出行や高德地図と連携し広い意味での交通移動に関連するビジネス領域に事業範囲を拡大していくのだという。

シェア自転車業界2トップ、MobikeとOfoの現在?

さて、Hello Bikeの躍進のニュースの一方、気になるのがMobileとOfoの現状である。あれほど、勢いのあったシェア自転車の両雄に何が起きてしまったのであろうか。ここで少し「Mobike」と「Ofo」の現在について整理をしておきたい。Mobikeは今年の4月3日に美団に売却され、従前のMobikeの経営陣は総退陣している。美団への売却価格は27億USD(2850億円程度)にのぼり、既存株主には12億USDの現金交付と15億USDに及ぶ美団株交付(株式交換)が行われている。今年の4月と言えば中国経済も活況に沸いていた時期であり、Mobikeは非常に良い時期に売却に成功したのかもしれない。

Photo from: meituan prospectus

参考記事:衝撃!食品デリバリー最大手「美団(Meituan)」がシェアバイク最大手「Mobike」を買収!

Mobikeは美団に買収されるも、買収後の美団も苦戦?

Mobikeが企業売却する前に公表していたデータでは、全世界でのユーザー数2億人、自転車供給台数900万台、利用回数デイリー3000万回とされていた。しかし、この数字は、随分誇張されて公表された数字のようで、美団が買収後に公表した数字では、ユーザー数4819万人、供給台数710万台、デイリー利用回数810万回と、いずれの統計も大幅に下方修正された結果となっている。

Photo from: Meituan 

さらに、買収後に美団の担当者が推計した財務数値によれば、4月の買収時点で毎日1570万元(2億5000万円強)の赤字が経常的に発生していたという。

もともとシェア自転車はそれほど高度なテクノロジーを必要としておらず、マーケティング力と広告に依存する重いビジネスモデルであったことが明確になりつつある。シェア自転車を維持するメンテナンスコストも予想以上に重くのしかかり、ビジネスモデルとして単独黒字化する目処は今の時点で達成できていない。今となっては、美団はMobikeの高額買収を後悔しているのかもしれない。

Ofoはさらに悲劇的な状況。もはや買い手すら不在!

もう一方のシェア自転車大手のOfoは悲劇的である。Mobikeは美団への売却に成功したがOfoはエグジットを達成していない。過去にOfoに対して多数の買収提案が提示されたが、Ofoはその全てを拒否あるいは条件面で合意に至らず現在に至っているのである。

PHOTO FROM: OFo

つい2ヶ月前にも滴滴出行(DidiChuxing)によるOfo買収提案として15億USD(日本円で約1650億円規模)での提案が行われていたが、現時点で合意に至っていない。改めてスタートアップのエグジットの重要性を思い知らされる結果である。

参考記事:シェア自転車「Ofo」が滴滴出行(DidiChuxing)に買収される?Mobikeの半額!

そうこうしているうちに、ついに今月Ofoとアントフィナンシャルとの契約関係が終了し、アントフィナンシャルからの協力を得られなくなった。Ofoのシェア自転車を利用する際にデポジット免除のために利用されていたアントフィナンシャルの信用スコア(芝麻信用スコア)の提供もストップされてしまった。もはや、敢えてデポジットを支払ってまでOfoシェア自転車を利用しようとするものはそれほど多くないかもしれない。

加えて、現時点でいくつかのサプライヤーから未払い代金に対する訴訟が提起されているのも事実である。8/31には上海鳳凰自行車はOfoの未払代金に関して裁判所に訴訟提起し、その訴額は6815万元(日本円で11億円超)に達している。百世物流科技も、同様の訴訟を浙江地方裁判所に起訴されているとの報道がありかなり危機的な運営状況であると推察される。

ある中国投資家の企業価値推計では、Ofoの推定時価総額は既に10億USD(1140億円程度)を下回る水準との試算がなされているが、それでも誰も買い手が現れずOfoの企業価値の劣化が進んでいる悲劇的な状況なのである。

業界No1に躍り出たとされるHello Bike(哈啰出行)でさえも、シェア自転車のビジネスモデル単体で黒字化できているかは疑問の声が根強い。シェア自転車のビジネスモデルから最終的にどのような結論が導かれるか、もう暫く様子を見守る必要がありそうだ。

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