第二のテスラを目指せ!中国で既に60社のスタートアップが新自動車産業に参入!背後に中国IT巨人の影

世界中で自動車産業の業界地図が塗り替わるかもしれない。2017年末時点で中国で既に60社に及ぶ新しい自動車製造のスタートアップが誕生し、電気自動車(EV)、コネクティッドカー、自動運転などの新分野で競争が激化している。巨額資金調達を実行し、驚異のスピードで開発を進めるその背後には、やはりアリババ、テンセントなどのIT巨人の存在があった。

中国の新しい自動車関連スタートアップ企業が既に60社。誰もが中国版イーロンマスクを目指す!

テスラが世界中で注目を集める中で、中国では、わずか数年で第2のテスラを目指し60社もの新自動車分野のスタートアップが誕生していた。

今回のレポートでは中国で最近設立された新自動車産業のスタートアップ企業を紹介したい。いずれもここ5年以内に設立された会社ではあるが、いずれの企業も既に巨額の資金調達に成功し、自社工場の建設計画を実行に移している企業も多い。

実は、こうした新興の自動車関連のスタートアップにも、アリババ、テンセントの2大IT巨人をはじめ、百度や京東といったIT大手の資本が注入されており、伝統的な自動車産業がIT産業と融合する新しい姿が中国で繰り広げられていると言える。

以下に、こうしたスタートアップの中でもとりわけポテンシャルが高く注目を集めている企業を6社ご紹介したい。数年後にこの中からテスラのように世界から注目を集める企業が誕生するのであろうか?

1、NIO 蔚来汽车

2014年11月設立の企業である。現在、中国で最も注目度の高い新自動車産業スタートアップ企業と言って良いだろう。

創業者かつ現CEOは李斌(li bing)。この企業のすごいところは、何と言ってもその共同創業者たちのネームバリューである。テンセントの馬化腾(ポニー・マー)、京東の劉強東(リュー・チャンドン)、小米の雷军(レイ・ジュン)など有名起業家が名を連ね、株主にはテンセント、京東、百度をはじめ、汽车之家(インターネットカーのプラットホーム運営企業)、雷军(小米ceo)、レノボなど、超豪華な顔ぶれとなっている。

資金調達の状況を見ても、2015年から2017年までの3年間で合計6回の資金調達を実行し累計で20億USD規模を調達している。中でも2017年11月8日のラウンドでは、10億USDの資金調達をテンセントから獲得し、その影響力を強めている。株主数はすでに56名(企業含む)に達し、テンセント、百度、京東、小米、レノボなどのIT企業が多く、将来的に自動車とIT企業が融合する可能性を大いに感じさせてくれる株主構成となっている。

NIO(蔚来汽车)のチームメンバーは、マサラティ、フォード、BMW、マツダなどの伝统的自動車産業出身者と、シスコ、マイクロソフト、モトローラなどテクノロジー企業出身者が融合するスタッフ構成となっており、既にスタッフ数は4000人を超えている。

既に2017年12月16日に最初の電気自動車であるSUVモデルの自動車(ES8)の販売を開始しており、価格は44.8万元。2+3+2の合計7シータの全長5Mを超える大型SUV電気自動車である。その充電機能は、わずか1時間だけの充電で完了し500キロの走行距離を実現するという。

製造プロセスにおいては、江淮汽车と自動車製造分野で提携し両社が共同して新工場における製造ラインへの投資を行う計画だという。

2、小鵬汽車 (xpeng motors シャオポン自動車)

創業者の一人は何小鹏。この自動車会社は中国の大都市において若者をターゲットとしたデザイン性の高い電気自動車、スマートカーを開発している。何小鹏は、かつてUCというネット企業を経営しておりアリババにその企業を売却した経歴を持つ。

チーム構成としては、広州汽車、BYD、フォードなどの伝統的自動車メーカーからの自動車キャリア組と、アリババ、テンセント、サムスン、華為(ファウェイ)などのテクノロジーキャリア組の混成チームとなっている。従業員数は1000名、うち7割を技術者が占める。かつてテスラで、自動運転技術の重要な役割を担っていた谷俊丽も2017年10月にテスラを退職しこの企業に参画している。

ファイナンス状況としては、2017年12月15日に第3ラウンドの資金調達に成功し、アリババからの資本参加に成功しアリババが10/03%の株式を保有する第4位の株主となり今後の事業加速が期待されている。

2016年9月に最初のEVカーを発表し、2017年10月12日から「小鹏identy x」1.0の発売を開始している。小型の電気自動車SUVであり、自動停車機能、音声認識機能、リモートコントロールなどの機能を搭載し、インターネットカーとしての未来に期待させるものとなっている。現在、アメリカのラスベガスで開催されているCES 2018において、グレードアップ版となる「小鹏2.0」が発表され、360度のパノラマカメラが搭載された車が今年の春から発売されることが発表されている。

現在では、まだ一般ユーザーにはそれほど認知度がないが、車好きの間で一定の評価を得ているという。

3、威马汽车( WELTMEISTER)  

威马汽车(ウェルトマイスター社)の創業者は沈晖(SHENHUI)。設立は2012年5月である。

現在のスタッフは600人。7割が伝統的な自動車産業からの転職組、3割がIT産業からの移籍組という構成となっている。創業者の沈阳は、ボルボ中国の副社長や吉利汽車で副社長を勤めた人物である。

ファイナンスの状況としては、2017年12月5日に百度から10億USDに及ぶ資金調達に成功し百度のサポートを強めている。さらに、それに続く12月22日の資金調達ではさらにテンセントからの資金調達にも成功し資金調達の総額は120億元を超える規模となっている。IT巨人たちのサポートを得て大きく飛躍しそうな予感が漂っている企業である。

2017年12年11日には、電気自動車である「EX5」を発売し販売価格は20万元。2018年後半には、本格的な量産体制を構築できるも見通しだという。巨額な資金調達を背景に、浙江省の温州に105億元規模の工場へ設備投資を行うことを決定し自社製造で年間10万台の製造目標を掲げている。

4、奇点汽車

有名IT企業である360の副社長であった沈海寅(SHENHAIYIN)が2015年5月に設立し、電気自動車分野に注力している。

2017年4月に最初の中大型SUV電気自動車となる「IS6」を発表。走行距離は400キロ、価格は20-30万元程度で2018年中に販売開始となる見込みである。既に中国の安徽省にて80億元の設備投資を行い年間20万台の製造を計画している。

5、车和家(車と家)

chehejia SEV  is6

設立は2015年7月。累計資金調達額は25億元に達している。低速走行での電気自動車であり走行距離も100キロと短い。主に大都市での20キロ以内の小さな走行距離に特化したタイプのスマート電気自動車である。

6、拜腾汽车(Byton) 

設立は2016年。FMC傘下の企業である。創業者はドイツ人のCarsten Breitfeld(中国表記;毕福康)、かつてBMWで、エンジニア部門の副社長を経験した人物である。

チーム構成は、伝統的な自動車産業から半数、残りの半数はインターケット企業からの参画となっている。テスラから、サプライチェーンのStephen Ivsan、製造担当のMark Duchesne、開発担当のPaul Thomasなどの主要な役割を担うスタッフも参画している。

ファイナンスの状況としては、2017年9月にBラウンドにて2、4億USD規模の資金調達に成功し、累積の資金調達額としては3億USD規模の資金を集めている。2018年のCESでも新しい中大型のSUVコンセプトカーを発表し、2019年から市場での販売が開始させる予定だという。販売予定価格は30-40万元。

製造ラインでは、2017年9月8日から110.7億元を投資し自社製造が可能となる南京工場に着手。2019年には年間30万台を製造する見込みだという。

まとめ新しい自動車産業には、アリババ、テンセント、百度など巨大IT企業の影がちらつく

中国の巨大IT企業が自動車産業に強い関心を示している話は有名である。

アリババは、AliOSという独自の車のオペレーティングシステムの開発に多額の資金を投入している。百度も社命をかけて、自動運転のアポロ計画を実行している。テンセントも既にアメリカのテスラに巨額の投資を行い第5位の株主なるなど、ここ最近自動車産業へ強い関心を示している。

いずれにせよ、中国の巨大IT企業がこぞって新しい自動車産業に強い関心を示し、新しい自動車産業において、どこが覇権を握るかの戦いはもうすでに始まっていると言えるだろう。

今回ご紹介した企業のうちでも、1番目にご紹介したNIO/蔚来汽车には、テンセントを筆頭に百度も出資し、2番の小鵬汽車 (シャオポン自動車)にはアリババが出資している。3番の威马汽车( WELTMEISTER)  にも、百度とテンセントが出資をしており、いずれも新しい自動車産業の背後に中国の巨大IT企業の影響力がちらついている。

GltoechTrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、今後新しい自動車産業により注目していく予定である。

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