中国の高利回り金融商品に続々と問題発生!強制捜査が入るケースも発生!

最近、中国で高利回りをうたった金融商品プラットフォーム運営企業の問題が表面化している。経営者逮捕、強制捜査、資金ショートにより突如運営停止になるなど事態は深刻である。昨年の中国当局の規制強化によりこうした問題が次々と表面化してきた。氷山の一角なのかも知れない。

銭宝網(钱宝网)、雅堂金融、連璧金融など高利回り金融商品販売企業に問題あり?

このところ中国国内で経済統計が悪化し、投資や消費などの内需が弱含んでいる。国有企業の債務1兆元(17兆円)を株式化(デットエクイティスワップ)を行い、預金準備率を引き下げのニュースなど、中国マクロ経済動向の景色が半年前と変わってきたように思える。

さて、ここにきて中国で高利回りをうたい投資家から資金を集めていたプラットフォーム運営業者にも相次いで問題が発生している。中国では、2017年11月にP2Pレンディング事業者を対象に監督行政が強化されたのであるが、どうやら対象はP2Pレンディング業者に限らず、広範な範囲で金融監督が強化されているようだ。ここ数ヶ月で新たに問題となりつつあるのは、投資家に高利回りをうたい投資資金を集めていたプラットフォーム運営企業である。

参考記事:アメリカ上場の消費者金融系中国フィンテック企業に激震! 中国政府による新たな規制が導入。株価は全面的に大暴落!

金融商品プラットフォームに相次いで問題発生、強制調査へ発展!

ここ最近だけでも銭宝網、雅堂金融、連璧金融などが中国メディアに取り上げられ、その運営スキームに問題があるのではと問題視されている。

写真公安による捜査中

連璧金融(联璧金融)は、6月21日から彼らが運営する金融商品プラットフォームへのアクセスができなくなり、ユーザーから大量の投資資金返還依頼があるものの返済が行われていないという。中国メディア「毎日経済新聞」の報道によると、連璧金融の親会社となる上海聯璧電子科技(グループ)有限会社が公安当局からの査察を受ける事態にまで発展しているという。公安は、連璧金融の役員を含むスタッフを召喚し調査活動を行っているが会社資金や関連口座の凍結などの対応を行っており事件性を帯びている。中国では被害者30名以上、被害総額100万以上、元本保証約束をうたい資金を集めた場合などに該当すれば、捜査当局が強制捜査を行う権限があるのだという。

連璧金融が販売していた金融商品の一例をご紹介しておきたい。例えば投資家は399元で連璧金融が指定するルーター機器を購入する。すると、ルーター機器と同時にKコードと呼ばれる暗号コードが送られてくる、その暗号コードを活用してWEB上でユーザー登録すると1ヶ月後にルーター購入代金の399元(元本)と金利を加算した現金が返還されるという。リベートバックと言われる手法であり、投資家はあたかも高金利を享受できたような錯覚に陥るが、ルーター機器のコストを考えれば、無謀な投資運用スキームであることは一目瞭然である。公安当局からポンジ・スキーム的な手法ではないかとの疑惑がかけられているのである。

ルーター販売広告

銭宝網の未払い払戻金は300億元(日本円で5100億円)規模!

2017年12月26日、銭宝網の実質的な経営者で張小雷は、南京市の公安機関に自首した。2018年1月21日になされたCCTVの報道によれば、警察の暫定調査で銭宝網が高金利を標榜し投資家から集めた資金は300億元規模になりその大半が返済不能だという。2018年2月1日には、検察当局が張小雷を含め関係する人物12人を公衆の預金を詐取した罪で逮捕する事態に発展している。

銭宝網HP

銭宝網は、2012年に南京で設立された企業である。彼らが運営するサイトには、彼らが提示する簡単なミッションを遂行することで毎月4000-10000元の収入が得られることが標榜されている。簡単な商品アンケートに協力するなど誰でも手軽に行える軽作業である。ただし、最初にメンバー登録する時に10万元のデポジットを支払う必要がある。

スキームを聞いただけで予想通りの結末であるが、このデポジット合計300億元(5100億円)が返還されない事件に発展しているのである。

1月23日雅堂金融は突如、金融商品販売プラットフォームの清算を発表

今年1月23日、雅堂金融はプラットフォーム上で突然の事業の清算を発表した。清算の理由は当局の金融規制が厳格になったという一方的な理由であった。雅堂金融の親会社は、2012年に設立されたホームリビングに関するEコマースを行う企業である。中国メディアである「国際金融報」の報道によれば、雅堂金融は2016年5月までに金融商品販売プラットフォームにおいて95億元(1615億円程度)にのぼる金融商品を販売し、30万回に及ぶ取引がなされ、25000人の投資家を集めたという。しかし、その資金の貸出先はわずか2418人(法人)であり、関係者を優遇する自己金融だったとの疑惑を持たれている。中国の法律「インターネット貸出仲介業者の事業活動管理のための措置第10条」(网络借贷信息中介机构业务活动管理暂行办法10条)でも、自己ビジネスや関係者に対する貸し出しは禁止されているのである。

金融当局の規制強化と増加する金融商品販売プラットフォームのトラブル

以上のように、中国国内では金融商品販売のトラブルをめぐる話題がメディアを賑わせている。上記以外にも多くの問題が発生しており、水面下により多くの問題が潜んでいるのかもしれない。2017年には、銀行監督庁は合計で3452に及ぶ処罰を事業者に対して行い罰金総額は30億元規模にのぼるという。これは対前年比で10倍以上に増加している数字で中国史上最大の規模となっており明らかに異常値を形成している。

6月25日には、テンセントの経済史「一線」が報道したところによれば、2018年6月に19社のプラットフォームに問題があると指摘を受け、投資家がプラットフォームから資金を引き出すことが困難な状況が発生していると指摘している。

銀行・保険セクター監督当局のトップ 郭樹清氏の警告!

6/14 中国の新しい銀行・保険セクター監督当局のトップに就任した郭樹清氏が、上海市政府、中国人民銀行、中国銀監督管理委員会が共催して行われた第10回 陸家嘴フォーラムで興味深いコメントを残している。

郭樹清氏は、リスクとリターンの関係は金融関係者のみならず、全国民が認識すべきだという点を前提にして、「投資リターンが6%以上なら自問自答してください。8%以上なら危険。10%以上なら全額失うことを準備していください。」と語りかけている。

中国の金融監督当局のトップが国民に自己責任の原則を確認したことは注目に値する。現段階では、中国の高金利商品にまつわる問題が中国マクロ経済に影響を与えるとは考えられていない。だが、水面下に大きな問題が潜んでいる可能性があることを認識しておく必要がありそうだ。

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