注目のEDTech(エデュテック)スタートアップ「VIPKID」の資金調達の受難!

中国最大の子供向けオンライン英語教育プラットフォームとして著名なEDTech(エデュテック)スタートアップであり、同時にユニコーンとして数えられる「VIPKID」がテンセント主導のもと10/8、Eラウンド資金調達を完了した。スタートアップの資金調達が大苦戦の中国において「VIPKID」もその例外でなく、当初5億ドル(540億円程度)だった調達目標も約1億5,000万ドル(160億円程度)に引き下げられたようだ。VIPKIDがこれほど苦戦するとは、中国スタートアップにとってまさに氷河期入りを実感させられる。

 

中国で爆発する英語教育市場!しかし、オンライン英語教育プラットフォームVIPKIDの苦戦は続く!

2018 China Online Youth English Education Market Research Report「原題:2018年中国収费類在線青少年英語教育市場研究報告」によれば、2018年の若年層のオンライン英語教育ユーザー数は570万人から1531.4万人となり2.7倍の驚異的な市場規模の拡大を示しているという。市場規模は今後も拡大傾向が続き、2019年には503億元規模(7800億円程度)の市場規模になるとも予想されている。

こうした環境下にも関わらず、子供向けオンライン英語教育プラットフォーム「VIPKID」の資金調達が順調に進まないのはどういうわけであろうか。

「VIPKID」は、テンセントの主導のもと、Eラウンドの資金調達を行なったが、VIPKIDの想定時価総額45億ドル程度(日本円で4900億円)の企業価値では当初の予定であった5億ドル(540億円程度)の資金調達は円滑に進まず、1億5,000万ドル程度(160億円程度)に引き下げた結果となった。EDTech(エデュテック)の雄とも言えるVIPKIDのスタートアップの資金調達がこれほど苦戦するとは、一体誰が予想しただろうか。

 

求められる英語教師の質の向上!北京では全外国人教師に教育資格保持を義務化!

つい先週のことであるが、中国滞在中に招かれたある中国人夫婦宅で、小学校4年生の息子がVIPKIDの英語会話を行なっている光景を目撃した。両親に尋ねると周りの同学年もみんな英語教育に熱心で、幼稚園や小学校低学年からオンライン英語教育プラットフォームを活用した英語教育をスタートするケースも多いのだという。

このように市場規模が拡大していることは間違いないのであるが、同時にユーザーが求める英語教育水準のレベル向上も高まっており、その点が収益黒字化の大きな障害となっているのだという。

例えば、北京などの一部の都市では、今年7月以降すべての外国人教師に教育資格を保持することを義務化し、運営企業は教育の証明書や教育実務経験などを公開することが求められるようになった。また、中国人学習者(とりわけ保護者)の間では、教師に北米出身のネイティブスピーカーを求める傾向が多く、第二言語として英語を話せるという先生を好まない傾向があるのだという。こうした理由から比較的コストの安い東南アジア諸国の英語話者の先生の人気が低下する傾向があるようで、こうした理由も、運営コストの上昇の大きな要因となっているのである。収益が増加しても慢性的な赤字から脱却できないという由々しき事態に直面しているのである。

既に2016年に同業としてNYSEに株式公開を果たした「China Online Education Group(51Talk)」の業績をみても、上場後に黒字化の目処が立たないという事態となっており、株価の下落傾向が鮮明となっている。

注目のEDTech(エデュテック)スタートアップ「VIPKID」がここからどう業績を挽回していくのか、注目していきたい。

 (画像:51Talkを運営するChina Online Education GroupのSecond Quarter 2019資料より抜粋)

 

(画像:51Talkを運営するChina Online Education Groupの株価チャート)
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