6/11 中国で一般投資家向けの総額5兆円超のユニコーンファンドが登場! CDRの買い支え?

6月11日中国で同時に6本のユニコーンファンドが設立され発売開始した。ユニコーンファンドとは、ユニコーンに代表される将来有望な未公開企業に投資するファンドである。しかし、目論見書を眺めると、投資対象にCDRも含まれている。中国回帰するCDR株式を買い支えるのが本当の狙いか?

 

いよいよ個人投資家のマネーがスタートアップ投資分野へ大規模流入!

数ある投資の中でも、最もハイリスクな投資分野の一つと言えるのがスタートアップ企業に対する投資である。ベンチャーキャピタルや成功体験の経営者層など専門的な見識を有した一部の層だけが参加できるクローズドな世界と言える。

表向きには驚異的な利回りを提供しているように見え華やかな世界であるが、成功の裏に多くの失敗事例が存在し、成功する事例などはほんの一握りの厳しい世界である。極めてリスクが高い投資であることは言うまでもない。

そんなスタートアップ企業への投資領域において、中国で6/11一般投資家向けに6本のファンドが同時に販売開始となった。名称を「ユニコーンファンド」と称し、未公開企業に投資し株式公開時のキャピタルゲイン獲得を目指そうとするハイリスク商品である。

ファンド運営企業には「华夏(華夏)」「汇添富」「易方达」「招商」「嘉实」「南方」の6つ企業が名を連ね、募集額は各ファンドが500億元規模(約8600億円)という極めて大きなサイズである。満額募集できた場合の6本の募集総額は3000億元(5兆2000億円)規模に及ぶのである。1元から購入可能であり購入上限金額は50万元、オープンエンド型でありユーザーは市場で売却することも可能だという。6/11日から15日の5日間で個人投資家向けの販売を優先し、売れ残りの募集枠を機関投資家向けに販売するスケジュールであり、表向きは通常スタートアップ投資の機会に恵まれない一般投資家にもスタートアップ投資の恩恵を与えようという狙いのようだ。中国メディアの報道によると、6/11日の発売初日だけで個人投資家から300億元分の注文が殺到しているという。

アントフィナンシャルのアリペイ(アント財富)からボタン一つで購入可能!

販売チャネルは銀行や証券会社などを含め多く用意されているが、以下に写真を掲載するように、アントフィナンシャルが運営するアント財富のページでも簡単に購入できる。目立つように募集広告が掲載され一般投資家はボタン一つで気軽に購入できてしまう。募集締め切り日までの残り時間がカウンター形式で表示され、購入しなければ乗り遅れてしまうような錯覚に陥ってしまうから不思議な感覚である。一応リスクに関しては、ミドル-ハイリスクの商品であるとの記載はちゃんとなされている。

投資対象はユニコーン企業などの未公開企業だけでなく実は中国預託証券「CDR」を含む!

今回発売となるユニコーンファンドの目論見書を見てみると、ネーミングとは裏腹に投資対象商品には、キャピタルゲインを目指す未公開企業とともに、中国預託証券(CDR)が掲載されている。現在、中国ではアメリカなど海外で上場している優良企業に対して、中国本土の証券市場へCDRのスキームを活用して重複上場し、中国国内で株式を売買できるようなスキーム作りが行われている。このユニコーンファンドは、こうした故郷帰りをする企業の株式を購入するための資金としても活用されるのである。中国政府としては、満を辞してスタートさせるCDRが失敗することは許されない。ユニコーンファンドがCDRの購入資金として市場を活性化させていくという狙いがあるものと思われる。

参考記事:深セン証券取引所がニューエコノミー企業の主戦場へ!?中国預託証券(CDR)の導入

驚異の成長を遂げる寧徳時代(CATL)深セン創業板に上場へ、その源流には日本企業「TDK」の存在!?

 

中国スタートアップの宴はまだまだ続くのか?それとも終焉の始まりか?

ここ数ヶ月を見回して見ても、連日中国での大型IPOのニュースが報道されている。スマホメーカーの小米(シャオミ〜)の株式上場の報道しかり、6月11日に深セン市場に上場したバッテリーメーカーのCATLは値幅制限いっぱいの44%高を演じ活況を呈している。

しかし、スタートアップ投資に一般人の資金を大規模に巻き込んで本当に良いのであろうか?アリペイのプラットフォームにおいて一般人が先を競うようにハイリスクとされるスタートアップ投資に参加している光景は、やや異様な光景のようにも思える。

GloTechTrendsとしては、今回発売される6本のユニコーンファンドの行く末を、今後3年間にわたってご報告して行くことにしたい。果たして中国企業のユニコーンをめぐるバラ色のストーリーは今後も継続するのだろうか。永久的に続く好景気は存在しない。注意深く見守る必要があるステージに突入しつつあるのかもしれない。

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