BAT 3社が自動運転分野で激突!4/12中国で公道テスト運転の指針発表

中国自動運転では百度アポロ計画が注目を集め優位とされてきたが、ここに来てテンセントとアリババも巻き返しに躍起である。4/12日中国運輸省が公道テストに関する指針を発表し今後の開発が加速しそうだ。BAT3社の現在の動向も確認しておきたい。

 

4月12日中国運輸省が自動運転に関する公道テストの指針を発表

4月12日、中国の工業情報化省、公安省、運輸省の3省が連携し自動運転に関する公道テストの指針「原題:智能网联汽车道路测试管理规范」を公表した。これで中国の全都市で自動運転公道テストが可能となり、今後自動運転の実用化へ向けて開発が加速することとなるだろう。

さて、今回発表された指針の中身をポイントだけ確認しておきたい。

1、どのような車が公道でテスト運転可能となるのか?

新車、遠隔モニタリング可能、運行記録可能、事前にクローズドな環境で走行テストを十分に行っていること。

2、自動運転レベルにかかわらず必ず人が同乗すること。同乗するドライバーは3年以上の運転経験、無事故無違反が条件。

3、事故が発生した場合は、同乗のドライバーの責任となること。

もちろん、まだ全ての公道でテスト運転が可能ではなく、管轄する行政の裁量で自動運転テスト走行が許可される区画が決定されることになる。

 

4月16日アリババが初めてとなる公道での自動運転テストを開始

こうした公道での自動運転テストの明確なルール化を受けて、4月16日に早くもアリババの自動運転チームが公道でのテスト運転をスタートさせた。アリババは、自動運転分野ではBATの中で最も後発となるが、既に研究室内での実験が進みレベル4の自動運転技術を実現していたようだ。最近では50人規模で自動運転分野の技術者採用を行っており、アリババが自動運転分野に本腰を入れてきたとの噂が囁かれている。

Photo from:雷锋网

アリババの自動運転プロジェクトを牽引するのは、AILab(アリババ研究室)のチーフサイエンティストである王剛(Wang Gang)である。彼は2017年3月にアリババAIlabに参画したばかりであるが、アリババ参画以前はシンガポールの名門大学である南陽工科大学の教授であり、自動車の自動運転をサポートする技術の研究に勤しんでいた著名人である。関係者によれば、アリババ自動運転プロジェクトは、2017年にアリババが設立したDAMOアカデミー(达摩院)の最初のプロジェクトになるという。DAMOアカデミーは世界7箇所に拠点を置き、今後3年間で1000億元規模の投資を行うという研究所である。優秀な研究員と巨額な投資に支えられ、自動運転分野の開発が一気に進むことになるかもしれない。

参考記事:2017雲栖大会シリーズ(1):アリババがDAMOアカデミー (达摩院)と言う研究機関を世界7カ所で設立、3年間で1000億元を投資。

 

AI画像認証企業への投資、ETブレイン計画などが自動運転分野と連携

アリババが人工知能を活用した画像認証企業に積極的な投資を行っていることは以前お伝えした通りである。日本の本田技研と自動運転分野で提携しているセンスタイム(Sensetime)やMegviiに積極的に投資を行い、画像認証技術を自動運転分野にも応用しようとしている。

さらに、アリババが注力するスマートシティ計画(ETブレイン)で活用される歩行者の認証技術は、自動運転分野にも応用し活用できるという。またアリババが2014年に買収し現在は中国No1の地図提供企業となった高徳(Gaode)の地図技術も自動運転分野と相性が良いという。自動運転という分野でアリババが従来行ってきた複数の事業が融合し意外な結果を生み出そうとしているのである。

参考記事:センスタイム(Sensetime)がアリババなどから6億UDS調達! AI画像認証分野で最大ユニコーンへ!

もう交通警察はいらない?杭州スマートシティプロジェクト(ETシティブレイン)が最終テスト段階!?

 

テンセントと百度も公道での自動運転テストを開始

今回公道での自動運転テストをスタートさせたのはアリババだけではない。テンセントは昨年11月に北京で自動運転開発施設をオープンしていたが、4月2日に北京の第4環状線においてテンセントの自動運転車と思しき長安SUVをベースにした車が、補助ドライバーのサポートの元、走行しているのが目撃されている。そう遠くない時期に何らかの新しいニュースが入りそうな予感である。

一方の百度は、早くから自動運転用のチップでNdiviaと提携するなど中国の自動運転界をリードしてきた。2017年7月には、フォードやダイムラーなど50社が参加する「アポロ計画」を発表し2020年までに自動運転を実現すると発表している。

最近でも北京や福建などで自動車のテスト運転走行のライセンスを取得しテスト運行を繰り返しているようである。最近では、自動運転小型バスの量産化を今年7月から開始すると発表した。決められたルートを走行するマイクロバスの自動運転化に先に目処が立っているようだ。

いずれにせよ中国国内で公道を活用した自動運転テストが行いやすい環境が整備された。BAT3社により開発競争は激化しつつも、実用化に向けて開発が加速しそうな予感である。