驚異の成長を遂げる寧徳時代(CATL)が深セン創業板に上場へ、その源流はTDKの存在が!?

既にパナソニックに肉薄しEV向けリチウムイオン電池の販売シェアでは首位となった寧徳時代(CATL)。既に深セン証券取引所の上場審査を通過し上場を待つのみである。目論見書をみると寧徳時代(CATL)の驚異の成長に驚くばかりだ。

 

福建省を拠点にする寧徳時代(CATL)は設立2011年の若い企業

既に深セン証券取引所の上場審査を終え、スタートアップ企業向けの証券市場である深セン創業板には410ページにも及ぶ目論見書(中国語:招股説明書)が開示されている。年内にも2200億円規模の資金調達を実施すると言われ、調達される資金の大部分は、現在建設中の新工場の建設資金に充当される。新工場の規模は、テスラが保有するギガファクトリーに匹敵するとも言われ成長軌道を加速させる積極的な投資となる。

日本国内でも業界関係者を中心に寧徳時代(CATL)の知名度および注目度が高まっている。寧徳時代(CATL)は2011年に設立された福建省寧徳市を拠点とする企業であり、地名が社名の由来となっている。公表された目論見書には、この会社の驚異を示す象徴的な統計が掲載されているのでご紹介しておきたい。

 

2017年度パナソニックを抜く「グローバルパワーバッテリー売上ランキング」

まず示しておきたいのは、グローバルでのパワーバッテリー事業の企業売上ランキングをまとめたものである。2016年時点においては、松下電器が7.2GWhで中国企業の雄とされるBYDを抑えグローバルで業界トップの地位を獲得していた。

2016年「グローバルパワーバッテリー売上ランキング」

しかし、2017年のデータでは、松下電器も10GWhまで4割近く業績を伸ばし善戦しているにも関わらず、寧徳時代に12GWhと二割程度引き離されトップの座を奪われているのである。寧徳時代は、驚異的な業績の伸びを示し中国国内でも圧倒的と目されていたBYDをも大きく引き離してしまったのである。

2017年「グローバルパワーバッテリー売上ランキング」

 

営業収益および純利益の驚異的な伸び。背後にある助成金

公開された目論見書の財務数値をみるとその驚異の成長スピードが確認できる。2014年度では8億6600万元(146億円程度)だった売上は、わずか2年後の2016年度で148億元(2500億円)にまで成長している。純利益も2014年度で6千万元(10億円程度)だったが、2016年度には35億元(600億円程度)となり、2017年1月から6月の上期だけで23億元超(400億円程度)を記録し、まさにスーパー成長企業と言える業績の伸びである。

寧徳時代(CATL)の業績推移(目論見書より抜粋)

実は、この業績の伸びには中国政府の強力な後押しがあるという。現在、中国政府は電気自動車(EV)に代表される新エネルギー車の分野に、購入補助金を強力に支援している。新エネルギー車の販売数は、14年には7万5000台程度であったが、17年には77万7000台まで伸びているという。この新エネルギー車の成長曲線と寧徳時代(CATL)の業績とは完全に一致する計算なのである。寧徳時代(CATL)にも、過去3年間で10億元超(170億円程度)の補助金が政府から交付されているという。

 

寧徳時代(CATL)の源流は実は日本のTDK?

目論見書の記載事項から寧徳時代(CATL)の社歴を確認すると、2011年12月に設立されたと記載されているのみである。しかし、寧徳時代の源流は香港に拠点を置くチウムイオン電池メーカーATL(Amperex Technology)から自動車向け電池部門を分社化された企業なのである。このATLの社歴を確認すると、1999年に香港で設立された会社であるがなんと、2005年に日本のTDKに買収されているのだ。

つまり急成長著しい寧徳時代(CATL)の大元の源流は日本企業であるTDKということになるのである。

GloTechTrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、新エネルギー車の分野の周辺領域に今後より注目していくつもりである。