シンガポールで激突直前、LAZADA買収により急ぐアリババ、万全の準備で進出準備のAmazon LAZADA/シンガポール

Amazon、アリババ、ロケットインターネット、テマセクホールディングス、楽天 これはシンガポールのネット通販ビジネスに関わりを持つ(あるいは持っていた)顔ぶれだ。人口わずか600万人の都市で、ネット通販のメジャープレーヤーがプラットホーム 覇権をめぐり激戦の最中だ。Amazonは、2016年末に2017年上期にもシンガポールへ進出すると発表した。しかし、どうやら2017年下期以降に遅れているもようだ。その隙に、AmazonのライバルであるアリババがLAZADA買収によってシンガポールへ押し寄せていた。

  • 2017年6月、アリババが、東南アジアでネット通販ビジネスを展開するLAZADAへ10億USドル( 日本円で約1120億円)の追加出資を行う発表し、株式保有比率を83%まで引き上げた。

近年、東南アジアでもネット通販ビジネスの利用が急拡大しており、街のいたるところにLAZADAの広告を見ることができる。アリババが東南アジアのネット通販ビジネスに力を入れていることは誰の目にも明らかではあった。今回の追加出資により、完全にLAZADAは東南アジアでのアリババの分身となったわけで、中国アリババの影響力が確実に高まることなるだろう。

もともと、LAZADAは2011年にドイツのロケットインターケット社が設立し、東南アジア六カ国(シンガポール、マレーシア、 タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン)でネット通販ビジネスを展開していた。

アリババは、2016年4月に、ロケットインターネットから彼らが保有する全株式を10億USドルで買取り出資比率を半数の51%を確保していた。今回の追加出資により、アリババが過半数の83%を保有し、残りをシンガポール政府の投資会社であるテマセクホールディングスが保有することとなる。アリババとシンガポール政府との結束が高まった形の良い企業買収だ。

 

  • シンガポールのネット通販事情 現在は、圧倒的な最強プレーヤー不在、群雄割拠の戦国時代 いよいよAmazonとアリババの直接対決前夜!

alibaba vs amazon

実は、シンガポールのネット通販の初期の時代において、もっとも力を注いでいたのは、日本の楽天であった。2014年1月に楽天は、シンガポールでのネット通販ビジネスを開始し、100人以上のスタッフを抱えネット通販の拡大に力を注いだ。2015年には、マレーシア、インドネシアにも拡大し、合計で150人程度のスタッフを要するまでになり、知名度もあがり成功していたかに思えた。

ところが、2016年2月旧正月前に突如として、本社の事業ピボット判断として、東南アジア全事業とオフィスの閉鎖を発表し、完全に東南アジアから撤退してしまった。

楽天が東南アジアマーケットから撤退したことにより、急成長したのがドイツのロケットインターネットが運営していたLAZADAである。

2017年の現時点において、シンガポールのネット通販は、韓国資本の企業からスタートしたQoo10というサイトがもっとも知名度がある。人口の3分の1である 200万人が会員登録をしているとされるが、Qoo10以外のサイトは、小粒のネット運営企業が多く、近年はLAZADAが急成長をとげてQoo10を追い上げている。

今後アリババがLAZADAを完全に支配し東南アジア展開を加速すると予測される。そして、2017年度中には、遅れているAmazonが満を辞してシンガポールへ進出してくることになるだろう。現状は、嵐の前の静けさといったところか。

今後、アリババ陣営のLAZADA、Amazonがどのような戦略を打ち出してくるのか。アリババは、電子決済インフラであるアリペイと共に進出してくるはずであるが、シンガポールではいったい誰と共同事業を行うのか、興味が尽きない。