ASICマイニング最大手「BitMain」香港上場へ!ブロックチェーン業界最大のIPOが秋にも実現!

BitMain、Canaan、億邦国際は、マイニング、マイニング機器(ASIC)の世界トップ3である。3社はいずれも中国企業だがほぼ同時期に香港上場を実現する運びだ。大トリを飾るBitMainは、創業5年で時価総額300億ドルを実現する勢いだが、BitMainのビジネスモデルにやや変化が生じている。

 

BitMainの驚異の成長スピード!創業5年で3兆円強の時価総額へ! 

最近、スタートアップ企業の成長スピードが、ひと昔前と比較し劇的に早くなったという話をよく耳にする。もはや、創業5年で株式公開実現と言っても、誰も驚かなくなったように思う。

だが、そうした環境下においてもBitMain社の成長スピードは、目を見張るものがある。

Photo from: BITMAIN official site

BitMain社の2017年末の営業利益水準は、30-40億USD(3300億円から4400億円)のレンジに達したと報告されており、その利益水準は人工知能向け半導体製造で有名なNVIDIAの営業利益と匹敵する水準となっている。NVIDIAと言えば、NASDAQに上場する人工知能向け半導体企業であり誰もが知る注目企業である。NVIDIAの創業は1993年であるから、NVIDIAが25年の歳月をかけて実現した利益を、BitMain社はわずか5年で達成しまった事になる。その時価総額規模は3兆円を超えると言われるのも噂ではないかもしれない。

 

世界3大マイニング企業(いずれも中国籍企業)が、ほぼ同時に香港上場へ!

仮想通貨のマイニング分野で、業界3トップを独占する中国企業が、今年になってほぼ同時期に香港への株式公開を目指す。

既に「Avalon Miner」のブランドでマイニング機器業界2位の地位を占めるCanaan(杭州嘉楠耘智)は、3トップの先頭を切って5月に香港市場へIPO申請を行なっている。

参考記事:マイニング業界で「Avalon Miner」で有名なCanaan社が香港上場へ?!

6月には業界3位の億邦国際も香港市場に上場申請を行い1000億円超の資金調達計画を実行すると表明している。そして、今回3大マイニング企業の大トリを飾る形で最後に上場申請を実行するのがBitMain社である。

BitMain社は、ビットコインのマイニングに特化した集積回路(ASIC)の市場でマーケットシェア75%を独占する企業であり、同時に自らマイニング設備を稼働し世界のビットコインの3分の1をマイニングしてしまう企業でもある。仮想通貨の激しい相場変動に左右されず、安定的な収益構造を構築し急成長を実現した会社である。BitMain社の創業者兼CEOの呉忌寒(ウー・ジハン)は、仮想通貨業界では極めて有名な人物であり、自ら20万ビットコインを保有すると言われる投資家でもある。30歳の若さで中国トップ100の富裕層ランキングに登場した人物としても知られる。

今回噂される株式公開に関するコメントして、呉忌寒(ウー・ジハン)CEOは「初期の株主に換金する場を提供する手段として株式公開に対してオープンである。」とポジティブな発言を残しており今秋にも株式公開が実現する可能性は高い。

参考記事:深セン華強北に殺到するマイニング機器バイヤー!BitMain社はASICマイナー分野で世界シェア8割を独占!1/23

 

BitMainの潤沢なキャッシュフローは、株式公開する必要があるのか?

BitMain社の株式公開は全てが順調に進んでいるように思われるが、少しだけ疑問およびリスク要因を考察しておきたい。

前提として、BitMain社は潤沢な営業利益を誇りキャッシュリッチ企業の代表格である。2017年末時点において30億USD(3300億円)のキャッシュを確保しており短期借り入れも無い。こうした企業が株式公開する際には、資金調達以外の要因が、株式公開の動機となっているケースが多い。そこで、少し資金ニーズ以外の要因を検討してみたい。

最近のブロックチェーンを活用した新しいプログラムの多くが「Proof Of Work」のプロセスを排除している点には注目しておく必要がありそうだ。非中央集権として中央管理者が不在なシステムを安定させるために、全体で一つの意識決定をするためにProof Of Workが実行され、複雑な計算処理を行うプロセスを一般にマイニングと呼び、マイナーには一定の報酬が付与されていた。しかし、次々と発表されるProof Of Workのプロセスを排除したいわゆるクローズド型と呼ばれるブロックチェーンプロジェクトでは、一部のノードによる検証で事足りるため、マイニングプロセスが大幅に変更されるのである。この事はマイニング機器製造を主力事業とするBitMain社のビジネスモデルを長期的に揺るがす可能性を秘めているのである。

こうした環境変化に対応するため、BitMain社は5年後に会社の収益の40%をAIチップ製造分野から得られるようビジネスモデルの再構築を模索している。既に2016年にAIチップの開発をスタートさせ、2017年4月にBitMain社の最初AIチップ製品を完成している。2018年3月には改良型AIチップが完成したとされ、今後も研究開発が進められていくこととなりそうだ。

Photo from: BITMAIN official site

何れにせよ、BitMain社の株式公開は世間から大きな注目を集めるイベントとなる事は間違いなく、そのビジネスモデルの変化にも注目していきたい。

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