【総合フィンテック企業とは】第1回 借唄(ジエベイ)わずか3分で現金キャッシング|アントファイナンス 

当サイトでは最近好んで総合フィンテック企業という言葉を多様している。アントフィナンシャルに代表されるプラットホーム上で様々な金融サービスを展開する企業を意味する。現在中国にだけ存在するこのビジネスモデルだが研究価値が十分にありそうだ。

 

「総合フィンテック企業」とは!?単なる決済企業を超越

最近、当サイトでは「総合フィンテック企業」という言葉を好んで活用しているがどうも読者の方々に理解されにくいようである。そこで、数回に分けて総合フィンテック企業が提供する具体的な商品やその仕組みをお伝えしていきたい。

アントフィナンシャルは、アリペイという決済ツールで日本では認知されているが、実は単なる決済企業を超越し、現在はアリペイというプラットホーム上で総合フィンテックビジネスを展開する企業となっている。

「総合フィンテック企業」のイメージとしては、ざっくりと以下のようなものをイメージしている。最初に決済業務で独占的な地位を獲得する。次に、決済業務から得られる圧倒的なお金に関するデータによって信用スコアを導入する。最終段階としてその信用スコアをベースとしてあらゆる金融サービス業務を展開し、同一商品相違条件での金融コンブロマリットビジネスを展開する。

 

アリペイアプリからボタン一つでキャッシングサービス可能

さて、第1回の本日はアントフィナンシャルのプラットホームアプリ内のキャッシング機能である借唄(ジエベイ)をご紹介したい。

イメージで簡易に説明するためにアリペイアプリの写真を多用する。

まず、アリペイのトップページを開けると「財富管理」(日本語では資産管理)の欄があり、その中の余額宝の下にあるアイコンが借唄(中国語:蚂蚁借呗)である。端的に言えば、ボタン一つで現金を融通してもらえるキャッシング機能である。

さて、借唄のボタンをさっそく押してみよう。

20,000元(約34万円)という数字が出てきた。現在筆者が借りられるキャッシング枠というわけである。

その下に小さく日割り金利が記載してあり、1000元(17000円)借りると0.35元(4円ほど)の金利を毎日負担すると記載がある。

ちなみに,20000元と入力して12月均等返済を選択すると、総利息が1409.22元と出てきた。20000元借りて一年間毎月返済すると金利負担が1409.22だから表面的には7%程度ということになる。しかし、元本は毎月返済していくので元本部分が減少してくので実際の金利は14%程度ということになるだろうか。

だが、アントフィナンシャルが展開するキャッシングサービスは、他社より金利設定が低く良心的だということで、現在多くのユーザーが活用している。(ちなみに中国の消費者金融の上限金利は手数料など込みで36%と定められている)

キャッシング出来る金額はユーザーごとに設定が異なり、芝麻信用スコアが高いとキャッシング枠も大きく負担する金利も低くサービスを活用することが可能である。

キャッシング確定ボタンを押せば、1−3分程度で自分が指定する銀行口座やアリペイアカウントにお金が即入金され、入金後は自由に資金を使用できる。

 

借唄(ジエベイ)が生み出す驚愕の利益。今期の9ヶ月決算で44.94億円(763億円)の純利益

借唄(ジエベイ)というサービスは、正式には重慶市を拠点とする蚂蚁(蟻)小貸という企業に属しており2011年に設立された企業である。資本金は18.091億元で現在はアントフィナンシャルの100%子会社である。

2017年になってから中国では小口のキャッシングサービスが爆発的にヒットして業績が急拡大している。

2017年の第3四半期の営業所得は69.47億元(前年同期比190.79%増加)に達し、純利益は44.94億元(前年同期比193.53%増)を記録している。2014から2016年までの純利益の推移を確認しても、2014年5.05億元、2015年9.77億元、2016年19.24億元となっており順調に右肩上がりで業績が好調であることが確認できる。

平均融資金額は3,000元から9,000元規模と少額であるものの25歳から35歳といったモバイルでのキャッシングに抵抗感の無い若年層を取り込んで急成長している。

借唄(ジエベイ)を使用できるユーザー条件は、アントフィナンシャルが提供する信用スコア600点以上を前提としている。ここでも、アントフィナンシャルの信用スコアがファイナンスサービスを受ける条件となっていることが確認できる。借入期間は3,6,9,12ヵ月の4つから選択でき最長で12ヵ月である。

参考記事:【キャッシュレス社会】芝麻信用(読み方はジーマ信用)とは?杭州では信用を使ってお金を節約できる!

 

アリペイアプリとの連動して総合フィンテック

中国では、借唄(ジエベイ)のような消費者金融を業務とする企業が数多く展開している。しかし、その中でも借唄(ジエベイ)は抜群の成長を維持している。

その大きな理由は、借唄(ジエベイ)がアントフィナンシャルの提供するプラットホームであるアリペイに組み込まれている点である。

アリペイユーザーは、アプリを開ければ目立つ場所に簡単に借唄(ジエベイ)にアクセス出来る状況がある。借唄(ジエベイ)のサービスは、アリペイ口座を保有するユーザーなら誰でも(芝麻信用スコア600点以上の人限定)新規口座開設の手続きを行わなくても使用できる。

一つのプラットホームで、特別な新規口座開設手続きすることなく、あらゆるサービスを縦横無尽に活用できる。ここに総合フィンテック企業としての真髄がある。「アリペイユーザー=顧客」というハードルの低い構図が誕生することを意味する。

また、借唄(ジエベイ)は不良債権比率が最も低い消費者金融と言われており、芝麻信用スコアを活用した融資が効率的な事業運営をもたらしていると言えるだろう。ユーザーにも運営企業の双方がメリットを享受できる可能性を秘めているのが総合フィンテック企業のビジネスモデルなのである。

 

GlotechTrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、次回は花唄(フアベイ)と呼ばれる同じくアントフィナンシャルのプラットホーム内のクレジット機能をご紹介したい。最近、中国では花唄(フアベイ)で決済しているユーザーが最も多いのではないだろうか。実に見事にクレジット機能と金融商品を上手に活用し金利負担を軽減し買い物を行なっている。