アントフィナンシャルの保険商品「相互保」が当局指導により「相互宝」へ名称変更!

アントフィナンシャルが発表したブロックチェーン保険は、発売から40日で加入者2000万を超える大人気だ。注目を集めるが故に金融当局からの指摘を受けいくつかの変更がなされた。伝統的保険業界に非常に大きなインパクトを与えそうな予感が漂っている。

 

「相互保」(シャンフーバオ)は「相互宝」(シャンフーバオ)へと名称変更され保険の「保」が削除された!

10/16、アントフィナンシャルと信美人寿は、共同発売でブロックチェーン活用型フィンテック保険商品「相互保」(シャンフーバオ)を発売した。発売からわずか40日程度の現時点で、参加人数は2000万人を超え、大ヒット商品となっている。

当サイト(GloTechTrends)でも、発売翌日の10/17に「相互保(シャンフーバオ)」を紹介した記事をリリースしたが、リリース後、直ぐに1万アクセスを超え、日本でもブロックチェーン活用保険の注目が高まっていることを痛感している。

(撮影GloTechTrends  「相互保」スクリーンショット、名称変更の説明)

参考記事:アリペイからインシュアテック相互保険型商品「相互保(シャンフーバオ)」が発売開始!

実は、アントフィナンシャルが提供を開始したフィンテック保険商品「相互保」(シャンフーバオ)であるが、その人気の高まりと同時に、中国保険監督庁も軽視できない存在となり、当局から「相互保」(シャンフーバオ)は、保険商品に該当しないのではないかという指摘を受けるに至っている。

中国保険監督庁が「相互保」(シャンフーバオ)に関して、保険商品に該当しないと指摘する理由としてはいくつかあるが、伝統的保険商品とは全く、異なる発想の保険商品が登場したことで、当局も混乱しているのかもしれない。

いずれにせよ指摘を受け、アントフィナンシャルは「相互保」(シャンフーバオ)のレイアウト変更を行い、ユーザーに対する影響のない形でいくつかの重要なコンセプト変更を行った。そのポイントを以下に列挙しておきたい。

1、名称変更  中国金融監督庁から保険商品に該当しないとの指摘を受け、「相互保」(シャンフーバオ)の名称から、保険の「保」の文字を消去し「相互宝」(シャンフーバオ)へと変更。同時に、保険商品開発のため参加していた保険会社である信美人寿の参加を取りやめ、アントフィナンシャルとユーザーとの二者間の関係を明確化。保険商品という位置づけから、ユーザー同士の医療コストを負担するインターネットプラットフォームとしての関係に修正。

2、金融監督庁から発売時点でユーザーの保険負担額が明確でないとの指摘を受け、2019/1/1-2019/12/31日の保険負担額を年間で最大188元に設定し、それ以上のコスト負担が生じた場合には、アントフィナンシャルが全額負担することを確約。

3、商品の運営企業であるアントフィナンシャルの手数料上乗せ部分を10%から8%へと低減

4、ユーザー数が330万人以下の場合は、サービス提供を終了するとしていたが、ユーザー数330万以下の場合でも、少なくとも1年間は継続することを明確化。

以上が主な改正点となる。ちなみに「相互宝」(シャンフーバオ)に活用される「宝」という文字は、モバイル決済であるアリペイ(支付宝)や流動性商品である余額宝(ユアバオ)にも活用されている漢字であり、アントフィナンシャルの商品イメージとして、むしろこの名称変更はマッチする印象である。

 

アントフィンシャルBring small and beautiful changes for the world (世界に小さく美しい変化をもたらす)

中国では、金融商品としての保険商品はまだまだ一般庶民が活用するには程遠い状況であり90%以上の人が活用していない。「相互宝」(シャンフーバオ)は、アリペイのプラットフォームを活用することで、一般庶民からのアクセスを容易にし、しかも、最初の負担金ゼロ、上限コストは年間188元という格安価格、それでいて癌など心臓病などの重篤疾患を保険でカバーしてくれるのであるから、一般庶民の間でも一気に「相互宝」(シャンフーバオ)が広がる可能性を秘めているのである。

アントフィナンシャルの社名をそのまま翻訳すれば、アリの金融機関という意味であり非常に弱々しい印象である。しかし、アントフィナンシャルのスローガンは、Bring small and beautiful changes for the world (世界に小さく美しい変化をもたらす)というもので、過去にもアリペイにおけるモバイル決済や、余額宝(ユアバオ)における資産運用分野で、中産階級や庶民を巻き込むことで、巨大な力として統合し、中国社会に革命的変化をもたらしてきた企業なのである。

かつて余額宝(ユアバオ)が、伝統的な金融機関では相手にされなかった一般庶民をユーザーとして取り込み、金融機関サービスを全ての中国人が気軽に活用できるような仕組みを提供し成長を加速させたことは記憶に新しい。こうした現象が、保険分野で再現されるような気がしてならない。現在「相互宝」(シャンフーバオ)は、重篤疾患を対象とした限定的な範囲での保険商品であるが、商品設計自体には相当な奥行きがあり、生命保険、旅行保険、自動車保険など様々な分野で応用できる可能性が高い。「相互宝」(シャンフーバオ)が、中国の中産階級や庶民を巻き込んで、保険業界に大きな革命をもたらすことになるだろう。これから保険業界のアップグレードに注目が集まりそうだ。

参考記事:【キャッシュレス社会の衝撃】 第4回 小さな蟻が社会を変えた!Ant Financialの大金融革命! Ant Financial /中国

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